【社説】恥ずべきショートトラック談合

 大韓体育会は8日、バンクーバー冬季五輪2冠王の李政洙(イ・ジョンス)が今年3月、世界選手権の個人戦に出場しなかったのは、代表チームのコーチが出場するなと強い圧力をかけたためだったと発表した。体育会は昨年4月にも、バンクーバー冬季五輪と世界選手権に出場する選考する大会で、李政洙をはじめ一部の選手、コーチが5人の代表選手枠に含まれるように協力しようと事前に合意し、実際に代表に選ばれた。ショートトラック界に出場枠の不正な振り分けや八百長が横行していることが初めて確認された形だ。

 今回の騒動は、先月24日にショートトラック元韓国代表の安賢洙(アン・ヒョンス)の父親が、「李政洙が世界選手権個人戦に出場しなかったのは、けがのためではなく、ほかの特定選手を出場させるための外部圧力が理由だ」と暴露したことがきっかけだった。大韓スケート競技連盟は、李政洙が「足首の痛みで出場見送りを決めた」と記した自筆の理由書を公開して事態の収拾に努めたが、安賢洙の父親は「理由書はねつ造だ」と反論した。結局、先月29日に文化体育観光部の指示で大韓体育会がスケート連盟に対する監査を開始した。

 チョン・ジェモク韓国代表コーチは「選手が自ら出場しないと言った。理由書は、書き方が分からないというので文案を教えた」と釈明した。しかし、李政洙は「チョンコーチの強圧的な指示で言われるがままに理由書を書いた」と証言した。体育会は李政洙がコーチの指示を拒否できなかったのは、昨年4月の「談合」で。「国際大会には皆が出場し、皆がメダルを取ろう」と合意したためだとみている。

 ショートトラックは20年前から五輪をはじめとする国際大会でメダルを撮り続け、韓国を代表する氷上スポーツと位置付けられている。ショートトラック界も「ウィンタースポーツの国技」を自称し、国民も大きな期待を寄せ、声援を送ってきた。そんなショートトラックの代表選手が選考で八百長を申し合わせ、国際大会でのメダルを分け合っていたとは恥ずべきことだ。恥ずかしい大人が恥ずかしい若者を生んでしまっている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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