Shozo's Blog
弊社特別顧問でもある国際服飾評論家 出石尚三氏の当社のために特別に寄稿していただいているコラムを紹介します.
すてき発見!(素敵な人に)
いつも身近かに読みかけの本があるのは,すてきなことです.好きな本を読むことは,心をときめかせてくれます.常に心がときめいているのも,人間の魅力のひとつでしょう.ワクワク,ドキドキしていることは,心のスウィッチがオンの状態になっているわけで,そうではない人に較べてはるかに美しいと感じさせることがあります.
おしゃれというとすぐに服装やアクセサリーを飾ることを考えるのですが,心のおしゃれもまた大切なのです.心をいつも磨きあげて,より新鮮に,より鋭敏にしておくこと.そのためにウキウキするような本を読むのは有効な手法です.
本は毎年毎年,星の数ほど出版されています.過去に刊行された書籍までを含めると,星の数より多いのでは,と思えてくるほどです.そして一人ひとりの顔が違っているように,本の好みも様ざまでしょう.Aさんをワクワク,ドキドキさせる本が,必ずしもBさんをときめかせるとは限りません.
その意味では自分好みの本を探すことも,人生の重要な部分なのです.
そんなことを漠然と考えながら本屋歩いていて,すてきな本を発見しました.それは『東京ブックナビ』(東京地図出版刊,1050円)です.これは実によく出来た一冊です.
例えば巻末に詳細な地図が出ていて,どこにどんな本屋(または資料館)があるのかを教えてくれます.本屋の名前が分かればそれを索引で探すことができ,もっと詳しい情報が得られるのです.
たとえば東京の高輪台に「食の文化ライブラリー」があることも分かります.また近くに「書肆啓祐堂」という古本屋があることも教えてくれます.
バッグの中にこの一冊を入れておくと,よりいっそう街歩きが楽しくなるのでしょう.そしてたぶん自分好みの本を発見することができるでしょう.
(2009.8.1)
すてき発見!
昔,千利休は「夏は涼しきように」と言いました.この言葉によって茶の心を教えようとしたのです.つまりなにごとも,正しいことを当たり前に行うのがもっとも難しいのだよ,と.
白いシャツ(ブラウスも含めて)誰にとっても身近かな存在でしょう.白は永遠の色であり,究極の色であり,またどんな色にも合わせられる貴重な色でもあります.
白いシャツを上品に,上手に着ることは,純白の魅力を着ることにほかなりません.もう一度「純白」とは何かについてゆっくりと考えてみるべきでしょう.
白を白として着る,これは意外に難しいことなのです.例えば合繊の場合,着たり,洗ったり,干したりしているうちに,どうしても「純白」ではなくなってしまうのです.やはりコットンやリネン(麻)といった天然繊維のほうが,純白を保ちやすいのです.ことにリネンは洗えば洗うほど白くなる性質を持っています.
白を白として着る.これは汚れを溜めないことです.浅い汚れなら,すぐに落ちやすい.一度袖を通した白いシャツはすぐに洗う気持ちになれば,汚れが溜まりません.つまり「純白」を保ちやすいのです.
白いシャツは白いシャツだけをまとめて洗う.適量の洗剤を溶かした水に半日ほど浸しておくと,簡単に汚れが落ちます.また,三度に一度くらいは適量の漂白剤を使うのも一つの方法でしょう.
どんなに純白のシャツであっても,外出先でつい汚してしまうこともあります.そんな時には,もう一枚,予備のシャツを持っていると,安心.そのためには白いシャツを買う,あるいは作る場合には,同じものを二枚求めましょう.備えあれば憂いなし.これは白いシャツを白きように着る点でも役立つ言葉です.
(2009.8.1)