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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)
2010.04.09
「普天間」で政府 ホワイトビーチ案断念 5月決着困難に
カテゴリ沖縄問題 出典 産経新聞 4月9日 朝刊
記事の概要
米軍普天間飛行場移設問題で、政府が「2段階移設案」の最終移設先としてきた米軍ホワイトビーチ沖に人工島を建設する計画を断念したことが8日分かった。
複数の政府関係者が明らかにした。
シュワブ陸上部にヘリパッドと徳之島のヘリ基地建設、それにホワイトビーチ沖埋め立ての2段階案が頓挫したことで、鳩山由紀夫首相が明言する5月中の最終決着はますます困難になった。
政府は、ゲーツ国防長官が3月29日に岡田外相に提示した「政治的に海兵隊の駐留が持続可能な案」との条件に一致しないと判断。建設に15年〜20年を要し、費用が1兆円にのぼるとの試算もあることから、2日の首相と平野、岡田両氏ら関係閣僚の協議で「長期的な検討課題」にすぎないと結論づけ、米側にも伝達した。
米側は在沖海兵隊の8000人をグアムに移転することを重視し、シュワブ沿岸部移設が2014年(平成26年)までに可能かどうかを日本側に再三問い合わせてきた。
米側は完成時期を明示しない日本政府の案は、正式な提案と見なしていない。
首相は2日の関係閣僚協議で、普天間のヘリ約60機を」可能な限り徳之島に移転させるように求めたが、ホワイトビーチ案には触れなかった。首相周辺は「ホワイトビーチ案が実現不可能ということは首相もわかっている」と語った。
米軍普天間飛行場移設問題で、政府が「2段階移設案」の最終移設先としてきた米軍ホワイトビーチ沖に人工島を建設する計画を断念したことが8日分かった。
複数の政府関係者が明らかにした。
シュワブ陸上部にヘリパッドと徳之島のヘリ基地建設、それにホワイトビーチ沖埋め立ての2段階案が頓挫したことで、鳩山由紀夫首相が明言する5月中の最終決着はますます困難になった。
政府は、ゲーツ国防長官が3月29日に岡田外相に提示した「政治的に海兵隊の駐留が持続可能な案」との条件に一致しないと判断。建設に15年〜20年を要し、費用が1兆円にのぼるとの試算もあることから、2日の首相と平野、岡田両氏ら関係閣僚の協議で「長期的な検討課題」にすぎないと結論づけ、米側にも伝達した。
米側は在沖海兵隊の8000人をグアムに移転することを重視し、シュワブ沿岸部移設が2014年(平成26年)までに可能かどうかを日本側に再三問い合わせてきた。
米側は完成時期を明示しない日本政府の案は、正式な提案と見なしていない。
首相は2日の関係閣僚協議で、普天間のヘリ約60機を」可能な限り徳之島に移転させるように求めたが、ホワイトビーチ案には触れなかった。首相周辺は「ホワイトビーチ案が実現不可能ということは首相もわかっている」と語った。
コメント
米海兵隊は米軍再編計画の中で、2014年までのグアム移転計画を遅らせる気はない。米議会が普天間問題が未解決を理由に、グアム移転費用や基地建設費の予算を凍結しても、米海兵隊は議会を説得して予算執行を求めるだろう。
鳩山政権が基地問題でゴタゴタしたぐらいで、米国の世界戦略が影響を受けるような判断をしない。
もし2014年までに解決できなければ、普天間基地の継続使用を日本政府に求めるだけである。
その場合、普天間の航空部隊の主力はグアムに移転しているので、駐留部隊(常駐)のない飛行場になるか、グアムの訓練場が完成するまでの海兵隊訓練場として活用するだけだ。
そしてグアム新基地に、沖縄にある市街地戦闘訓練所やジャングル戦訓練場が完成すれば、沖縄にはグアムの予備基地としての機能維持を求めるだろう。
ただ、北朝鮮が地図上から消滅して落ち着けば、グアムの予備基地をハワイに移すことは可能になる。その時に、沖縄の海兵隊基地や訓練所を日本に返還する可能性はある。
その場合でも、米空軍の嘉手納基地と嘉手納弾薬庫は、対中国への抑止力維持のため、日本側(地元)に返還することはない。
米空軍と米海兵隊は、ともに米軍であるが、戦略や戦術で役割はまったく違う軍隊なのである。
同じ警官であっても、交通取締の白バイ隊を、デモの鎮圧などに使わないと同じである。デモ鎮圧には警察の機動隊が投入される。それぐらい任務に違いがある。
それがよく区別していない人が、日本の抑止力(対中国)に沖縄の海兵隊が必要という誤った話をする。さらに中国軍が日本の尖閣諸島に武力上陸してくる場合に備え、沖縄に海兵隊は必要というメチャクチャな論を展開している。
ーーーーーーーーーー
ところで、昨日の毎日新聞の記事の反響はすごかった。あの記事を書いた記者も、大きな反響に驚いたのではないか。
ちなみに米太平洋軍司令部の「グアム統合軍事開発計画」などは、「米軍のグアム統合計画 沖縄の海兵隊はグアムに行く」 吉田健正氏著 高文研社刊 に載っています。
情報ソースを教えて欲しいというメールが多く届きました。
私の場合、その考えや判断の根拠となる情報についてはすべて答えるようにしています。ただし、個人を特定できる場合はぼやかすこともあります。しかしその場合でも、出来るだけその情報を知る方法を書くようにしています。
米海兵隊は米軍再編計画の中で、2014年までのグアム移転計画を遅らせる気はない。米議会が普天間問題が未解決を理由に、グアム移転費用や基地建設費の予算を凍結しても、米海兵隊は議会を説得して予算執行を求めるだろう。
鳩山政権が基地問題でゴタゴタしたぐらいで、米国の世界戦略が影響を受けるような判断をしない。
もし2014年までに解決できなければ、普天間基地の継続使用を日本政府に求めるだけである。
その場合、普天間の航空部隊の主力はグアムに移転しているので、駐留部隊(常駐)のない飛行場になるか、グアムの訓練場が完成するまでの海兵隊訓練場として活用するだけだ。
そしてグアム新基地に、沖縄にある市街地戦闘訓練所やジャングル戦訓練場が完成すれば、沖縄にはグアムの予備基地としての機能維持を求めるだろう。
ただ、北朝鮮が地図上から消滅して落ち着けば、グアムの予備基地をハワイに移すことは可能になる。その時に、沖縄の海兵隊基地や訓練所を日本に返還する可能性はある。
その場合でも、米空軍の嘉手納基地と嘉手納弾薬庫は、対中国への抑止力維持のため、日本側(地元)に返還することはない。
米空軍と米海兵隊は、ともに米軍であるが、戦略や戦術で役割はまったく違う軍隊なのである。
同じ警官であっても、交通取締の白バイ隊を、デモの鎮圧などに使わないと同じである。デモ鎮圧には警察の機動隊が投入される。それぐらい任務に違いがある。
それがよく区別していない人が、日本の抑止力(対中国)に沖縄の海兵隊が必要という誤った話をする。さらに中国軍が日本の尖閣諸島に武力上陸してくる場合に備え、沖縄に海兵隊は必要というメチャクチャな論を展開している。
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ところで、昨日の毎日新聞の記事の反響はすごかった。あの記事を書いた記者も、大きな反響に驚いたのではないか。
ちなみに米太平洋軍司令部の「グアム統合軍事開発計画」などは、「米軍のグアム統合計画 沖縄の海兵隊はグアムに行く」 吉田健正氏著 高文研社刊 に載っています。
情報ソースを教えて欲しいというメールが多く届きました。
私の場合、その考えや判断の根拠となる情報についてはすべて答えるようにしています。ただし、個人を特定できる場合はぼやかすこともあります。しかしその場合でも、出来るだけその情報を知る方法を書くようにしています。