【ワシントン=村山祐介、伊藤宏】米ホワイトハウスのギブズ大統領報道官は6日の会見で、ワシントンで12日から始まる核保安サミットの際、オバマ大統領が中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席ら9カ国の首脳と会談すると発表した。日本政府はサミット参加予定の鳩山由紀夫首相との会談を水面下で打診してきたが、ギブズ報道官が発表した会談予定には盛り込まれず、正式な首脳会談は見送られることになった。
日本側の会談希望に対し、米側は「40カ国以上集まる国際会議で、個別に時間をとるのは困難」との認識を示していた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題が決着しないなかで会談しても、十分な成果を得られないと判断した可能性もある。
ただ、日米両首脳が、サミットの期間中に、非公式な形で短時間会い、核問題などについて意見交換することは検討されている。
一方、オバマ、胡両氏の会談は、大統領が初訪中した昨年11月以来で4回目。サミット開幕前の12日午前の見通しという。米国による台湾への武器売却決定、オバマ氏とチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の会談などでこじれ続けた米中関係の立て直しが焦点となる。ギブズ氏は、会談ではサミットの主題である核不拡散が「大きな部分になる」と説明。人民元の対ドル相場での切り上げ問題や世界経済の回復、エネルギー問題も議題になるとしている。
オバマ氏はインドのシン首相、ドイツのメルケル首相などとも会談する。ギブズ氏はサミットに参加する計47カ国の国名も発表したが、核問題で米国と対立するイランや北朝鮮は含まれていない。