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「夫以外の男」へ揺れる気持ち
どうしてこんなに痺れるのか
編集部 長谷川拓美 イラスト 深津千鶴
いま34歳、広告業界で働く彼女が「夫以外の男性」と初めて恋愛関係になったのは結婚3年目の冬だった。8年前、好きなバンドのオフ会が出会いだった。当時、36歳という彼は、奇抜な格好をして若ぶる男たちの中、一人だけスーツ姿だった。安心感から隣に座った。話も笑いのタイミングも、お酒の飲み方も合った。どこに住んでいるの? と聞かれて、荻窪と答えた。
オフ会からの帰路。中央線の荻窪駅で、彼も降りた。
「もう少し、飲みませんか?」
いたずらっ子のような目で言われた。さりげなく腰を抱かれた。嫌な気持ちは湧いてこなかった。それどころか、彼の腕に甘えた。夫としかセックスはしたことがない。他の人たちは、どんなセックスをするのだろうか? 一生、夫だけでいいと思って結婚した。でも、それでいいのだろうか?
──彼とのセックスって、どんな感じなんだろう?
その日、キスをした。1週間後、恵比寿でふかひれを食べ、近くのラブホテルで抱かれた。彼とつき合うようになって、夫のセックスが淡白だと知った。優しすぎるセックスとは違い、彼のは激しい。2時間で5回。「欲望をむさぼり合う」。小説で目にする言葉が、わかった。
終焉はわずか半年であっけなく来た。
新品のトランクスを脱がすのが好きだった。それがいつの間にか色褪せたクタクタのものに変わった。スーツが似合っていたのに、休日に会うと、GAPのトレーナーに合皮のセカンドバッグ。
「もういいや。おしまい」
彼女から別れを告げた。あれから8年過ぎた。今では、6歳の女の子と4歳の男の子のママ。
「成長できたし、いい思い出」
と言う。
アエラネットで、既婚女性の読者にアンケートをした。回答者51人のうち、夫以外に定期的にセックスする相手がいると答えたのは、11人。なぜ? 代償はーー?
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