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日本医師会館:火災、実は職員の不注意

 東京都文京区の日本医師会館で2日、配達業者が届けた鉢植えが発火し応接室の床が焼けた火災で、医師会の60代の男性職員が警視庁駒込署の任意の事情聴取に「はさみが見当たらなかったので、ライターで包装用フィルムを焼き切ろうとしたら引火した」と話していることが分かった。

 駒込署は火災前日の医師会会長選に不満を持つ人物による脅迫事件の可能性もあるとみて捜査したが不審な点はなく、化学肥料の自然発火説まで浮上していた。職員は「火災当日はどうしても言い出せなかった」と話しているという。

 捜査関係者によると、医師会に送られた鉢植えは、1日に行われた医師会会長選の当選祝いに都内の製薬会社が百貨店を通じて贈ったランだった。透明のフィルムでラッピングされており、職員数人で開封していたところ、突然発火。高さ数十センチの火柱が上がり、床の一部が焼けた。

 駒込署は当初、脅迫事件も視野に捜査していたが、発火装置や発火物は検出されなかった。鉢植えの化学肥料が何らかの原因で発火した可能性も検討したが、警視庁科学捜査研究所から「考えにくい」と回答があり、出火原因は謎のままだった。

 署員が火災現場にいた職員らから改めて事情を聴いたところ、男性職員が数日前になって「問題が大きくなり、これ以上迷惑は掛けられない」と落ち込んだ様子で経緯を話し始めたという。駒込署は近く再現実験を行い、最終的な出火原因を特定する。【川辺康広】

毎日新聞 2010年4月8日 11時06分(最終更新 4月8日 12時30分)

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