鳩山首相、国家公務員研修で訓示「総理が大ばか者の国が世界的に認められるはずはない」
普天間問題は、7日も閣僚が社民党を名指しで批判するなど、大荒れとなっている。一向にまとまらないこの状況に、アメリカとの関係にも影響が出始めている。
鳩山首相は7日午前、国家公務員合同初任研修開講式に出席した。
鳩山首相は「国家公務員になられた皆さん、おはようございます。(おはようございます!)すごいな...」とあいさつ、新人官僚のパワーに押され気味だった。
また鳩山首相は、訓示で「(これまでは)船団がありながら、その指揮者が、指揮官がいなければ、船団が何をしていいかわからない。そんな状態の日本にとどまってしまっていた」と述べ、これまでの自公政権を船団に例え、批判した。
さらに、「政治家がばか者であり、そのトップの総理大臣が大ばか者である。そんな国が、世界的にも認められるはずもありません」と述べた。
一方、普天間問題は、鳩山首相自身の発言で迷走を続けている。
来週、ワシントンで開かれる核安全保障サミットを前に、アメリカは新たな核戦略を発表した。
鳩山首相は7日朝、「(アメリカが発表した)核兵器のない、持たない国に対しては、基本的に核攻撃しない。これは大変正しい」と述べた。
日本側は、核安全保障サミットで、オバマ大統領との首脳会談を求めていたが、アメリカが発表した首脳会談を行う国に、日本は含まれなかった。
しかし、日本政府関係者は「話す場は、きちんと取るということで、アメリカ側と合意している」としている。
この関係者が言う「話す場」は、各国が出席する夕食会のことで、オバマ大統領の隣に座るというもの。
この考えに、日米関係筋は「日本側が会談成立だとしているようで、アメリカ側は正直困っている。直接、首脳同士が会って、いきなり『移設問題だが』と切り出されても、困ってしまうだけだ」と話している。
一方、アメリカ側と交渉する岡田外相は、政権内での対応に不快感を見せた。
岡田外相は、衆院外務委で「移転先が決まらなければ、現状が残る。それは与党の責任でもある。連立与党である社民党も、『これはだめ、あれはだめ』ということでなくて」と述べた。
その名指しされた社民党の福島党首は、選挙用ポスターの撮影中にも、「国外、サイコー」と口ずさんでいた。
一方、小池元防衛相が3月28日、鹿児島・徳之島を訪れていた。
小池元防衛相は、徳之島で「子宝の島、徳之島。長寿の島、徳之島。そして、静かな島の徳之島に、米軍の基地はいりません」と訴えた。
そして7日、島内の3町長がそろって、ヘリ部隊の移設を検討している政府への怒りをぶちまけた。
徳之島・天城町の大久町長は「何か、もてあそんでいるような」と述べ、徳之島・伊仙町の大久保町長は「強い怒りと憤りを感じています」と述べた。
この出口の見えないいらだちは、ついに民主党からも噴出した。
民主・渡部前最高顧問は「鳩山君が、まったくこの問題を解決できないといくようなことになれば、その責任は政権交代。(次の首相は)おそらく、菅 直人君がなるでしょう」と述べた。
こうした中、鳩山首相は午後5時すぎ、「(オバマ大統領との首脳会談が見送られる見通しとなったが?)それは、アメリカの判断ですから、私が申し上げることではありません。当然、何らかの形で、今の経緯を申し上げたいと思う」と述べた。
(04/07 19:35)