どう?新党「たちあがれ日本」

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識者・著名人が命名するなら・・・「旧党」「ひやみず」など散々

 「たちあがれ日本」。自民党を離れた与謝野馨元財務相や平沼赳夫元経済産業相らがつくる新党の名前だ。だが、世論調査では既に期待感が低く「何をしたいか不明」との声も。このネーミングで有権者の心をつかめるのか。著名人や識者に「自分ならこう名付ける」という政党名と期待度を聞いた。

 評論家の佐高信さんは「なぜ立ち上がったのか分からない人たちが、苦労している国民に『たちあがれ』と求める。独善的、自己満足的で、思い上がりも甚だしい」と酷評。「辞めてほしい人ばかり。新党ではなく『旧党日本』が最適」と話した。

 小説家の清水義範さんは「党名になっていない。『たちあがれの与謝野さんは...』と言うアナウンサーの身にもなってほしい」。命名は新党「ひやみず」という。「自民全盛期に戻りたい人の集まりで、年寄りの冷や水。滅びの好例として、じっくり見届ける」と、独自の視点から期待を示した。

 政治学者の森正さんは、イタリアのベルルスコーニ首相がかつて旗揚げしたフォルツァ・イタリア(がんばれイタリア)の「パクリ」とばっさり。「普通は政治目標を党名にするが、これでは呼び掛け。目指すものが分からないことを象徴している」と分析。命名は「竜馬ごっこ党。ブームに乗ったようでタイミングが最悪。しかも坂本竜馬と違って、日本の将来への『志』がない」。

 バーチャル政党「老人党」提唱者で精神科医のなだいなださんは「占領下でもあるまいし...。何に対して『たちあがれ』なのか。哲学がない」と批判。「自民に『じ』を加えた『じじみん党』がいい。考えに新鮮味がないから」と話した。

 ジャーナリストの大谷昭宏さんは「不況で苦しむ庶民に『たちあがれ』は、上から目線で圧迫感を与える」と指摘。自身は新党「なんじゃこれ」と命名。「改憲論者の平沼さんと財政再建の与謝野さんで何をするのか。若者が就職できない時代にピント外れ。自民は『勝手に出ていけば』と受け止め、民主には取るに足らない存在だ」と切り捨てた。

 作家の室井佑月さんは「9文字で長すぎ。日本人なら3、5、7のどれかでまとめないと」と話す。命名は「せんこう日本」。意味は「先行と、燃え尽きるまでの時間が決まっている線香の掛け言葉。灰になるまでやれという励ましも込めた」。

 放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんは「本人たちが立ち上がるのに精いっぱいなのに...。自民を中から変える時に見捨てた。説得力がない」と批判。命名は「ゲートボール党」。遊ぶのはリタイア後にして、との意味という。

 精神科医の香山リカさんは「たちあがれという命令調は、有権者と『共に進む』意識が見えない」と注文を付ける。「立ち上がって走り続けた結果、疲れ切っているのが今の日本」と分析。「ぴったりな政党名というより、今こそ必要な名前」として、「あせらずやろう日本」「座り込もう日本」を挙げた。

(2010年4月8日)

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