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【社会】

飲酒運転に新講習 酒量日記やカウンセリング

2010年4月8日 夕刊

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 警察庁は八日、飲酒運転で免許の取り消し処分を受けた人に対し、飲酒量などを記録する「日記」や呼気検査、カウンセリングなどを課す新たな講習を、モデル事業として一部の都道府県で実施することを決めた。飲酒習慣の改善や規範意識の向上を図り、再発防止につなげる狙い。

 新たな講習は、免許の取り消し処分後に再取得する人が対象。講習日ごとに呼気検査をするほか、飲酒行動の改善を目的にしたカウンセリングや違反者同士のディスカッション、アルコールへの依存度を測る検査(AUDIT)−などを取り入れる。二日連続で計十二時間行った後、三十日間あけ、さらに一時間のカウンセリングと呼気検査を実施する。三十日の間には、毎日の飲酒量や飲酒の状況などの日記を義務付ける。日記には、あらかじめ設定した飲酒量の目標が達成できたかどうかを、三段階の評価で記入し、自分の行動を振り返る。

 現在の講習は、飲酒運転の違反者も、それ以外の違反者も同じカリキュラムで、運転適性検査とその結果による指導、性格と運転の関連性についての概説、実車講習−などを二日間連続で計十三時間行っている。

 警察庁は昨秋、首都圏の違反者二十人を対象に、講習を六週間に四回行う方式を試行。参加者へのアンケートで「効果的」とされたが、時間的な負担が大きいことに配慮して新方式を決めた。

 新方式は今秋にも始め、半年程度行ったところで従来と比較し、効果を検証する。効果が確認できれば、二〇一三年ごろには全国に広げたい考え。

 昨年、飲酒運転違反者で取り消し処分者講習を受けたのは八千七百八十五人。飲酒による交通事故は、度重なる罰則や行政処分の強化で二〇〇〇年をピークに九年連続で減少している。

 

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