TBSでの自転車事故に関する報道について

みなさんこんにちは
ドゥロワーの山路です。

週末はいろいろとヘビーな事が多く、少々疲れました。
その中でも、皆さんの関心も高かったTBS報道特集が放送した自転車事故に関しては、多少関わりを持った者として、いろいろと思うところありで、即ブログでの発信をしようかと思ったのですが、それぞれの立場に立って検証することが大事だと思い、週末のブログ掲載については取りやめました。

冷静になった本日、慎重に発信したいと思います。

事の馴れ初めは、過去の当ブログをご覧いただければ大よその事はお分かりになっていただけると思います。

今回、私の仕事として「終わったこと」を敢えて振り返ってみようと思ったのは、報道された内容に異論を唱えようという事ではなく、自転車業界に関係する立場の人間と、一般消費者の立場から見た同番組は、結果として異なる印象を持ったということを感想として述べる必要があると感じたからです。

私のこれまでの経緯からは、やはり一般消費者の目線で同番組を咀嚼することが大変難しく、自転車業界に詳しくない知人や家族などの意見を参考にしながら、今後どうしていかなければならないのかを真剣に考えざるを得ない週末になりました。

事故が発生したのはまぎれもない事実で、それがどのように発生したかのプロセスや原因などは、事故が発生した2年前の「記憶」や「現状証拠」に基づく推測の域を脱しないわけで、それらの不十分と思われる内容から一つの結論を導き出す難しさや怖さは、大変なものがあったと思います。

事実、ご担当されたY氏を始めとする方々は、相当に限られた時間の中からそれぞれの立場で取材を行い、今回の放送に至っていることも十分に理解しています。

我々視聴者は、報道された内容をそれぞれの立場で視聴し、それぞれの立場で異なった感想を抱きます。
もちろん立場だけでなく、それらを経験したかしないか、またどのような環境の中で育ってきたかによって、感想が異なるのは言うまでもありませんが、それらの視聴者が放送する側の意図をできるだけ正しい形で受け取り、感想が持てるようにギャップの少ないアウトプットを放送することが理想的だと言えるでしょう。

今回においては、まずお怪我をされたユーザーの主張、またその主張に対する製造者とそれを取り巻く業界という形で構成されていますが、時間の制約などの要因があったとはいえ、上流と下流の主張だけが放送された形で、実際にユーザーの使用状況やどのような経緯で販売されたかなど把握できない製造者(今回はライセンス生産されたものですので少々ややこしい)とインターネットで購入され、お怪我をされたユーザーのみへの取材(実際は違うでしょうが、編集では両極の方々のみの見解のみ)であるため、核心に迫るような回答が得られないのは当然と言えるでしょう。

どの製造者でもそうでしょうが、現物を見せられただけで取材に対してズバッと簡潔明瞭な答えを言う方などこの世にはいらっしゃらないと思いますし、ただでさえネガティブな案件ですから、今後の方向性も含めると下手なことは言えないわけで、噛み合わないちぐはぐな主張が視聴者にとってはとても理解し難く、結果的にお怪我をされたという事実が強く「ビアンキを始めとした自転車業界はひどい」という事のみが残った感じがします。

今回、本件の見解に関する取材が無かったわけですが、放送前の担当の方とのお話では、あくまでも報道の意図は「注意喚起」という事が最大のテーマということで、供給側と消費者側の双方に対しての警告であって欲しいという願いから、当時取材をお受けすることを決めながらも、撮影日直前になって先方の都合によって取材がなくなりました。

それ以前に、お話を伺いながら、非公式ながらも今回の報道とは異なる見解を出したわけですが、実際の放送ではその見解については全く放送されなかったという事について、報道の公平性という意味においては大変な違和感を覚えます。
もちろん私自身、お怪我をされた方に対して「製品は悪くない」というつもりもありませんし、製造した供給側に対して「製品が悪い」というつもりは全くありません。
ただ、異なる見解もあるよという事実を視聴者にちゃんと理解していただいた上で、どうするべきかを考える良い機会になればと思っているだけです。

しかも、見る人が見るとわかってしまうのですが、サスペンションのスプリングが仮に折れていたとしても、地面に大きな穴があって車輪が落ちるか、もしくは重力+体重+車重以上の力で、車体を50mm以上は持ち上げないとアウターレッグと呼ばれる部分とアッパーチューブと呼ばれる部分が分離することなど普通では考えられません。
ましてや、フロント側はブレーキレバーとキャリパーがワイヤーでつながっており、相当な衝撃がなければワイヤーごと千切れてしまうことなども可能性としてはかなり低いのではないかと推測します。

試しに、ある程度のスピードで走行していただいて、その状態のままいきなり前車輪のみを持ち上げようとして見てください。
プロのサイクリストでも相当難しいと思います。

つまりこのような見解もありながら、番組内で「一方ではこのような専門家の意見も・・・」という内容があれば、非公式コメントを出した本人的には、公平性はかなり高まると思ってしまうわけです。
※その異なる見解は当ブログをお読みになってください。

私が1月から起業しましたのも、消費者に対して知る機会を創造する目的と、供給側が正しいモノを提供できるようになるべきだと考えたからこそ人材育成という活動を行っています。
その立場からすると今回の報道については伝えなければならなかったいくつかの内容が不足していたと思わざるを得ないわけです。

放送終了後は土曜日の夜であるにも係わらず、ひっきりなしにいろいろな方達からお電話を頂戴しました。
その内容は様々なものがありましたが、いずれにせよ我々自転車に携わる者としては、このような悲しい事故が起こらないよう製品を作り、また販売後のアフターフォローも始めとしたインフラをさらに充実させていくことは当然のこととして行っていかなければなりません。

しかしながら、私の経験では、販売店時代、メーカー時代を含めて、お預かりした自転車を手渡して「何もチェックしない」のは日本人だけ。
これも日本のサービスの質が高いからこそ起こりうる弊害なのかもしれませんが、消費者自身も安全はお金だけでは手に入らないということをもっと強く意識することも大切だと思います。

と、長くなりましたが、いろいろ考えさせられる週末でした。
こんな機会を与えてくださったTBSの方々に感謝すると共に、お怪我をなされた方のできる限りの回復をお祈りするばかりです。


では、次の引き出しをお楽しみに。


ちなみに、すでに動画サイトにアップされていましたのでよろしければ・・・
http://www.dailymotion.com/video/xctluq_bianchi-rstyyyyyyyyyy-1-2_news
http://www.dailymotion.com/video/xctm56_bianchi-rstyyyyyyyyyy-2-2_news

テーマ : みんなに知ってもらいたい
ジャンル : 日記

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ロアーレッグの変形あるのでは


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プロフィール

山路 篤

Author:山路 篤
ドゥロワー代表
2010年の区切りの良い年に独立起業いたしました。
主な業務は、20年間携わってきた自転車業界で得た知識をフル活用し、次の自転車業界のための人材育成をさせていただきます。
著書に「はじめようロードバイクメンテナンスハンドブック」「はじめようMTBメンテナンスハンドブック」(東京地図出版)

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