アニメーション企画・制作会社の手塚プロダクションなどは、鉄腕アトムの「誕生日」に当たる7日、アトムの作者である故手塚治虫さんの漫画の携帯電話への配信を中国で始めたと北京で発表した。中国では日本の漫画は根強い人気があり、多くの読者を獲得したい考えだ。
中国では、2009年末時点の携帯電話利用者が前年末より1億人以上増え、約7億4700万人に達した。通信速度に優れた第3世代携帯電話(3G)の普及が始まり、漫画の携帯配信の環境も整ったと判断した。
配信を始めたのは、既に中国語訳がある「鉄腕アトム」のほか「ブラック・ジャック」「三つ目がとおる」の3作品。
米アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)」向けに始めた後、配信先や作品数を順次拡大する。配信を手掛けるフォレストラインユニオンは、他の漫画家の作品も検討している。
手塚プロの松谷孝征社長は「手塚治虫は中国を非常に大切に考えており、亡くなる3カ月前にも上海を訪れていた」と中国との縁の深さを紹介。携帯配信を通して手塚漫画をさらに中国で広めたいとの考えを示した。(共同)