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[7843] 【習作・仮題】スーパーライダー大戦(平成ライダシリーズー×オリ )
Name: 野上◆311655a1 ID:26f2a3c4
Date: 2009/05/27 03:35
この作品は平成ライダーシリーズの混合二次創作です。

「あぁこれ絶対足折れてるわ」のほぼ書き直しの作品です。
また原作の設定も大幅に変更しております。
自分でも思う点が多々あったので原作を見直したりしたため更新が大分おくれてしまいましたがご容赦ください。
本人自身が未熟な為、この作品の設定に対しても不具合が出るところもあると思いますが。修正できるところは修正していきたいので忌憚ない意見をお願いします。

作品の要素として
平成ライダーでスーパーロボット大戦的な感じでいきたいと思っています


作者の力量不足の為、文法、誤字、内容が伝わり辛いなどあると思いますが、遠慮なく指摘してください。
そして感想をして頂いた方にはまことに感謝しております。

今後とも駄文ではありますがよろしくおねがいします。





            スーパーライダー大戦(仮)
  



時は20世紀の終わりの迎え

21世紀を迎えようとしていた・・・

35年前に隕石に内包されて地球に侵入したワーム・ネイティブ

そのネイティブは人類に対して死刑宣告をする

ネイティブ独自の能力未来予測により

巨大隕石が地球に飛来し日本・渋谷、アメリカ合衆国、ドイツ、シンガポールに落下

それによりその周辺地域は壊滅するだろうことを知る

その巨大隕石より人間を殺害しその人間に擬態する宇宙生命体・ワームが出現。
それらの隕石やワームに対抗するため加賀美陸を代表とした超法規秘密組織ZECTを結成


時代は混迷の一途をたどる




西暦2000年



長野山中の九郎ヶ岳において謎の遺跡が発掘されようとしていた。

しかし、遺跡の調査団は全滅させられてしまう

そして未確認生命体による殺害事件が多発する

広域指定された同種の事件を集中的に扱う
未確認生命体合同捜査本部が警視庁に設置される


数ヶ月後、沖縄の孤島海岸、オーストラリアに人知を超えた謎の遺物・オーパーツが流れ着く・・・
時を同じくして、各地で人間には絶対に不可能な殺害方法を用いた猟奇的連続殺人事件が発生する。

日本の警視庁はこの事件の犯人を、かつての“未確認生命体”とは異なる謎の生命体・アンノウンと命名し、未確認生命体対策班 (SAUL - Squad of Anti Unidentified Lifeforms) に専属捜査を命じた。
しかし人類の脅威は増すばかり





人々は恐怖した、



人々は激怒した



だが



人々の進化は止まってはいなかったのだ

あらたなる「ヒト」の進化。オルフェノクが誕生する

人の死からの進化、その歪な進化は絶大な力をもった生命体となった、人は人々を襲う未確認生命体やアンノウンなどにも対抗できる力を持ちえた

だがそれは

人が持つにはあまりにも過ぎた力であった

オルフェノクの寿命はおそろしく短かったのだ
その死への恐怖が元から高かった破壊衝動を促進する
自身の破壊衝動の赴くままに人々を襲うオルフェノクも出るようになった


そしてオルフェノクによってエネルギーを注入された人間は希にオルフェノクになるという現象までおきていた。

自然死により発生したオルフェノク(オリジナルオルフェノク)は危機感を覚え
オルフェノク保護組織として、スマートブレインを設立。

その過程で秘密組織ZECTの援助のもと研究により、オルフェノクの破壊衝動、身体能力の低下を引き換えとして身体の崩壊を抑え、人の寿命ほどには回復するようになった。



これを機にオルフェノクと人類は地球の脅威に立ち向かう決意をした




ネイティブの未来予測・・・




それは現在世界の人口62億人が




1億人になるという最悪のものだった







           世界は英雄(ヒーロー)を求めていた





スーパーライダー大戦 

参戦作品
・仮面ライダークウガ
・仮面ライダーアギト
・仮面ライダー龍騎
・仮面ライダー555
・仮面ライダーカブト







[7843] 第一話 「異邦人」
Name: 野上◆311655a1 ID:26f2a3c4
Date: 2009/05/27 02:55
第1話 「異邦人」

2008年 4月5日 AM08:50分

[六本木ヒルズ]

朝独特の喧騒のなか目の焦点が合っていない男が一人
日本においてここ「六本木」は外国人の率が異様に高い。その人種も多様で、中国系、北欧系、中南米系、インド系・・様々な人種が町を忙しく歩いている。

「暇だぁ・・・」

そんな六本木の象徴といわれる六本木ヒルズ
俺は今六本木ヒルズで働いている、あぁいや高給とりとかじゃなくてヒルズで警備員。

最近上司にあたる人から今日北朝鮮がミサイルの演習やるから、もしかしたら、ホントに最悪の事態になったら一般人が避難してくるかもしらん。

そんときは非常用マニュアル通りに誘導しろと

まぁそんな感じで警戒しとけと

実際、破片とか落ちてこねぇだろーなぁーと思ってたわけですよ、ええ。

まぁ幸いミサイルの破片は落ちてこなかったよ?けどさ!でかい隕石みたいなのが、こう新木場方面に向かって落ちていったのさ

あぁ俺、死んだなぁと・・・・昼休憩の時に同僚と話してた
「ミサイル配備したのって、一般人を動揺させない為に北朝鮮のミサイル実験自体がカモフラージュだったんじゃねぇの?」
などと政府の陰謀説を語ってたことを思い出しながら

「どわな くろ~ず ゆあ あ~いず♪」なんてうろ覚えのアルマゲドンの歌を頭の中で歌いながら今から来るであろう、死の衝撃に備えてたわけですよ。



爆音が鳴り響いた、そしてその後の一面光で満たされた
何此れアトミックバズーカ?と思うほどの光。マジ目焼けるかと思った。
今あったことが信じられない。
絶対に死んだと思ったから、幸運を噛み締めつつ目を開けると窓ガラスが割れている建物も目に入ったが以前として変わらないいつもの町並みが目に映った。



「あぁ・・・・死ぬかと思った・・・・なんだ、あれマジ意味わかんねぇ・・・白昼夢ってやつ?」



いや安心した、このくらいなら避難してくる人なんていないだろうし仕事楽になったわぁと、休憩室へ戻り一服するかなっと



「ていうか、隕石だったらこんなもんじゃないよなぁ・・・」
そう呟いた俺は隕石だったほうがマシだったとその後、後悔することになる。


「きゃぁああああああああああああああああああああああ」





悲鳴が聞こえて急いで飛び出した、暴漢かなんかかと思ったがそこで俺が出会ったものは
甲殻のような皮膚、虫のような間接の胴体、緑色の体。そう、それはまさしく「怪人」だった、それもそんじょそこらに溢れている・・・


「え?ナニコレ、撮影なんか聞いてないけど・・・許可とってんのかなぁ」


などと理解できないでいた

ふと、悲鳴をあげたであろう方向をみると




ボリボリボリボリボリボリボリボリボリ・・・・・・・・



真っ赤にそまった血溜まりのなかで忙しく咀嚼を繰り返す怪人の姿

俺は動転していたんだろう、自分の周りではそんな「血溜まり」ばっかりだ

腰を抜かすってのはこういうこと言うんだろうね、ストンとその場に座りこんじゃったよ
そんな身動きのとれない食事が目の前にあったら、そりゃぁ飛びつくわな・・・・

そん時だ



「危ない!!」



と叫び声

俺を襲っていた怪人は2、3メートルくらい吹っ飛ばされた

そして目の前で俺の命を救ってくれたのは・・・・


半田 健人

うぉおお、昭和マニア!生芸能人じゃん!?やっぱこれって撮影かなんかか!?
んだよ、びびらせやがって、あぁ撮影中に入っちゃって俺大丈夫なんかな・・絶対まずいと思うけど・・・・


「大丈夫かっ!?」


おお、一般人の俺を気を使って心配してくれるなんて!いい人だなぁ・・ファンになりそう!にしてもまた特撮モノやるってことはまた555やるのかねぇ俺好きだったから全然嬉しいんだけど。あぁでもここにいたら邪魔になっちゃうね


「大丈夫です!あっ!?そうだ一般の人は入れないように誘導しますね!」

「すみません、頼みます」

「いえいえ!(撮影)がんばってください!」

「あぁ!ありがとう!」


意外と熱い人なのかなぁバラエティだとそんなには見えないけど、と考え下がろうとした時・・・







『5』
『5』
『5』
『Enter』


「変身!」



『STANDING BY』


光の奔流の中現れたソレを見て、俺は まさかとは 思ったが 


『COMPLETE』


やっぱりこれは現実なのかもということを思った

「マジかよ・・・・」

その光の中から現れたのは

「仮面ライダーファイズ・・・・」

薄々感じていた違和感、あまりにも存在感のある怪人、血の臭いの充満する周囲

そしてモノトーンと赤色の発光するライン、重厚なアーマー、材質はわからないけど収縮性の良さそうなボディスーツ・・・
あぁこれはCGなんかじゃない・・・撮影なんかじゃない・・・

クイクイッ
手首を柔軟させるのはTVと同じなのね

「はぁあ!」ドゴンッ!

目の前では先程変身したファイズが多数の怪人と戦っている


GYYYRRAAAAAAAAAAAAAAAAA!!


どこか機械が壊れたような叫び声をあげながら殴られ、蹴られ、投げ飛ばされ

次々と倒されていく怪人達、有利に闘いを進めていくファイズだが
いかんせん数の暴力は戦争の利というべきか徐々にファイズの勢いを衰えさせていく。


ドズル中将の名言「闘いは数だよ兄貴!」


まさにそれだ、3対1くらいなら全然問題ないみたいだけど、もう既に見た感じ30対1くらいになってる。
うまく立ち回っているけど倒すたびに沸いてくる様じゃ、攻撃後の隙とか埋め切れない

現に倒すよりも、沸いてる方が多いみたいだし・・・あれ?もしかしなくてもここにいるとやばい?
それになんか、ファイズがチラチラこっち見てるし。
とりあえず応援しよう!ヒーローだし!俺の為にもがんばれ!超がんばれ!


「半田さーん!がんばれー!」


・・・・なんか黒いオーラみたいのがファイズから見える様な気がしないでもない。


ぃよしならば応援だ
「ファイズぅぅがんば「応援なんていいからっ!そこから離れろ!!っぐあ」すいません・・」


怒られちゃいました・・・あ、ファイズあぶねぇ・・・

なんか自分の身も危険なので会社のトラックで脱出を図る、すまないファイズ。俺が逃げるまでなんとか持ってくれ!


ていうかアクセルフォームなればいいのに、もしかしてなれないのかな?
あぁもしかして俺がいたから邪魔だったとか・・・いやいやきっとなれなかったんだろう俺のせいじゃないよね・・・多分


なんとも変な汗がでてきたので思考を振り切るためにも
車が置いてある地下駐車場まで走る走る。

薄暗い駐車場の中、トラックにたどり着くとしゃがみこんだ警備服を着た同僚の姿が

「おい!大丈夫だったか!?外すげぇことになってんぞ!」

見知った人間に出会えた事で興奮していたんだろう
俺は、警戒することもなく


「ライダーだよ!仮面ライダー!いや何言ってんのお前?と思うかもしれないけどマジなんだって!」

しゃがみ込み顔の見えない同僚に近づき

「怪人とかホント、いやなんかもう!人食べてたし!!臭いも凄くて・・・」

・・・・近づき

「・・・・そう、こんな血の・・・臭いが充満しt」

近づくのをやめた

同僚は・・・・いや警備服を着た同僚だと思われていたものは・・・
しゃがみこんでるのではないく・・・・下半身が・・・
あるはずの下半身がなかった

べちゃべちゃ

べちゃべちゃべちゃ


血の水溜りに立った俺は今殺人犯に見えるんだろう

ガチガチガチガチガチ

自分の歯の音がうるさい

べちゃべちゃ

ガチガチガチ

べちゃ

後ろから聞こえてくる、雨の降った日に傘を忘れて、靴の中までぐちょぐちょに濡れた時の靴の音に似たナニかの足音

そしてトラックの窓に反射して映る口を真っ赤にした怪人

絶賛大コーラス中の奥歯をかみ締め、僅かに残った理性の中で自分の中でカウントを数える


3・・ズボンの中のキーを握り

2・・ボタン操作で車のロックを開け

1・・トラックのドアを握り

0・・ドアを思いっきり開いた――


―ガンっ!

すぐ後ろにいた怪人は、とっさのことに反応できず開いたドアにぶちあたった

怪人がどうなったかなど気にしない、気にしてなんていられない!
すぐさま車に乗り込み、エンジンを掛け駐車場地上出口へアクセルを踏む。

バックミラーには、やはり大したダメージを与えられなかった怪人が立ち上がっていた

もうやだ

こんなバイオみたいなのやだ

アクセルべた踏み

それに呼応した後輪が加速する!

ギュルギュルギュルギュル

それに呼応したかのように怪人が叫ぶ

GYARRRRRRAAAA!

雄たけびを聞いた俺が叫ぶ

ああああああああああああああああああああああああああああ!

正常か異常かといわれれば俺はもう異常だったんだろう

目の前に男性がバックステップで飛び出してきた


「!?」


驚愕に目を開く目の前の人

恐怖のあまり、俺は勢いよくブレーキを踏む


キキキーーーー

ドン!ガン!ダーーーーン!!

や・・・やっちまったぁああぁあ

数メートル吹っ飛ばしてしまった人に駆け寄る

「あぁ・・あぁ・・・大丈夫・・じゃないよね・・」

今日は本当に厄日だ・・・もう死にたい


駆け寄ったものの、おそらく顔面とかひどいことになってるだろうことが予想できるので
なかなかうつ伏せに倒れている男性を仰向けにすることができない


ドドドドドドド


そんなアタフタしていると、先程俺をおいかけていた怪人が追いついてしまう


ドドドドドドドドド


「なんか増えてるぅうううううううう!!?」

顔をあげると後方からそして先程車で轢いてしまった男性がおそらく逃げてきたであろう方向から10数体ずつの怪人が押し寄せてくる

「ああああ・・・ああひゃーーーーーーーー!」

自分でもこんな叫び声ってないなぁとは思うが咄嗟に出てしまったものはしょうがない
これが俺の最後の言葉なんて悲しすぎる

「っぷ・・っははははは」

「え?」

「ごめんごめん!笑うつもりなんてなかったんだけど、あんまりすごい声で叫び声だったんででもまぁお陰で目が覚めてよかったよ」

後ろから聞こえる声に振り向くと

先程俺が、トラックで撥ねた男性が笑いながら体中に模様を這わせ立っていた
この人は・・・

「木場・・・・勇治・・・」




パカラッパカラッパカラッ

えー・・・現在ホースオルフェノクに変身した木場さんの後ろに乗せて貰ってます。

なんつーかめっちゃ速い、そして振動すごい。

最初振り落とされそうになったので、今は押さえ気味で走ってもらってます。

でも尻イテェ

地上で半田さんが戦ってると伝えると

「半田さん?」

「いやファイズですよ仮面ライダーファイズ。大勢と闘ってたし、なんか俺邪魔しちゃってたみたいで、押され気味でしたから」

「ファイズか・・・でも半田さん?臨時で誰か別の人が変身してるのかな・・?新人の人だったら助けにいかないと危ないかもしれないな」

とかなんとか言ってそのまま怪人達を突破して

「とにかくファイズと合流しよう!」と今に至ります

トラックで轢いてしまったことについては

「いやぁびっくりしたよ、大型じゃなくてよかった。」

そういうこと?流石オリジナルオルフェノクは違うわ

地上出口が見え地上に出た木場さんと俺

そこで見た光景は

バババババババババババ

オートバージンです。オートバージンが空中から機関銃撃ってます。

そして


『EXCEED CHARGE』

あれは・・・・

『Start Up』

赤いポインタが一面の怪人を覆う

「アクセルクリムゾンスマッシュ・・・」

一瞬の衝撃とともに一面の怪人が爆破する。


『Time up』


『Reformation』
そしてそこに立っていたのは

「やっぱり巧君じゃない」

「木場・・・・・」

「救援信号あったから心配したけど大丈夫だったみたいだね」

「木場・・・お前・・・ベルトは?」

「今メンテナンス中だよ、仕方ないからそのままで来ちゃったよ。まぁ僕の場合、オルフェノク形態でも十分速いしね、それより半田って君の旧姓かなんか?彼が半田さんが外で戦ってるって言うから。新人が急遽ファイズで闘ってると思ったよ」

「彼?・・・ってあああーーー-お前ぇえ!」

うぉなんか置いていかれてると思ったから一服してたら急に掴みかかられた

「な・・・なんすか・・?」

「お前!自分で一般人を避難させるとか、入れさせないようにします。とか言っといて、何やってんだよ!?しまいにゃ応援なんてはじめやがって!危険なのわかってるだろ!?ったく・・・今時子供だってテレビで知ってるぞ」

うお・・・最初の時の丁寧さはどこへやら、すごい剣幕だわ。いや俺が全面的に悪いから仕方ないんだけど

「すいません・・・撮影かとおもっ」

まてよ

なんて言ったよさっき




―――― 今時子供だってテレビで知ってるぞ――――――



[7843] 第二話 「スマートブレイン」
Name: 野上◆311655a1 ID:26f2a3c4
Date: 2009/05/27 02:57

第二話 「スマートブレイン」
4月5日―夜―


結局、困惑する俺はそのまま彼らが所属しているスマートブレイン東京支部へと連れていかれた。そこで何やら、球体のポッドに入れられたり、血液採取されたり、異常がないか検査をされることになった。


なぜこんなことをするのか、聞いてみたものの白衣の科学者か医者かわかんない人らは
答えてくれず。不安で不安で仕方なかった。

1時間ちょっとの検査が終わり、待機室みたいなところで煙草を吸いながらこれまでのことを考えてみる。

今日の朝、ヒルズで仕事中で、ミサイルの迎撃があるかもしれないから注意しとけとかそんな話で警備してて、隕石らしいものが落ちてきて・・・・

光が拡がって・・・・

でも被害は軽微で・・・・

被害は軽微・・・・

隕石が落下してか・・?

そんなこと

あるのか?

あれは隕石じゃなかったとか・・?

でもあれは・・・――――

思考の海に沈んでいたが思わぬ来訪者に意識が浮上する

「はぁあい!気がついた?社長が御呼びですよぉ社長室に案内するからついてきてね~、あとその煙草、もうなくなってるよ?」


「うおっ!あぁホントだ・・・もったいね。」

うわぁスマートレディだ・・・なんか生でみるとすげぇな
でもなんか若くね?ていうか絶対若い・・・二十歳か十代くらいに見えるけど?
まぁもうなんかそのくらいの差異いまさらたいしたことないけどさ
そういやこの人、本編でも結局何者かわかんなかったな・・・なんか怖いんだよねぇ・・ある種、冴子さんの方がわかりやすかった。

「着いたよ~♪」

考えている間に着いたみたい・・・あれ?

「誰もいないみたいですけど・・?」

「あれあれあれ~♪社長どこいっちゃったんだろ~」

こいつこえぇ・・・口調やべぇ・・

「あ、あの、俺待ってますんで大丈夫です。」

「ん~仕方ないねぇ、あぁそうだ、ちゃんと煙草吸えてなかったでしょ?いいよここで吸っても」

「いいんですか?ここ社長室でしょう?」

「大丈夫!来客用の灰皿もあるしぃ~」

「その間に社長呼んでくるねぇ~~」

バタンッ
にしても社長・・・社長ね・・・

花形のおっさんならいいけど村上だったらやばいな・・・


【side:社長】

私は今、今日起こった、強大な磁力異常と原因不明な閃光が起きた現場の報告書を読んでいる。報告書を見た限りでは死者13名生存者1名という非情に残念な結果だ

閃光とともに磁力異常が起きた後すぐさまワームが現場に集まっているという情報が送られてきた。SAULとわが社スマートブレインの先行調査隊が現場に向かったときに発覚したため、どうしても本隊抜きで戦闘を行うことになってしまったが。乾君と木場君には特別ボーナスを与えておきましょう・・・わが社の被害で一番怖いのは人員損害ですからねぇ・・

磁力異常は専門家が現在調べているところですが、現場に異常はなさそうです。なにがおきたのか・・・・この世界的異常事態が近年多発している中でこれ以上問題が起こらないことを祈りますよ。


・・・・らしくないですね・・・祈るなぞ


さて・・問題はもう一つ


今回の事件の生存者と死者について・・・

これが一番の問題であり謎・・・・


「時田一志君(ときた ひとし)・・・・ですか・・・六本木ヒルズ内にて死体を確認と・・・」

そして生存者もまた・・・時田一志・・・ですか・・・

擬態であれば話は簡単なんですがね・・・

他の遺体が確認できる死亡者も過去にすでに亡くなっているか、未だ生きている人ですか・・・

(どういうことなんでしょうね・・・・レディ?)
天井の照明を見つめながら私は今彼に会っているだろう彼女を思った





【side:時田一志】


ていうか巧が所属してるってことはどういうことだよ・・・555の世界でそれも並行世界ってか?それにテレビで怪人の危険を促すなんて、まさか映画版なのか・・・いやそれにしては怪人はオルフェノクではなかったようだし・・・安易に答えだすのもなんだけどあれはカブトのワームみたいだった・・・
じゃぁあの謎の怪人?ワーム?とオルフェノクが闘う世界?そんなの原作知識あったって意味ないじゃん!・・よくある2次創作の現実から創作の世界への転移とかなのか?・・・


あーもうわけわかんねぇ!


「ねぇ?また考え事?考え事もいいけどまたその煙草吸えないよ♪」

うおっ!?後ろから!?

「それにぃ君熱くなかったのかなぁ?♪」

「へ?」

指を見ると煙草で火傷をしている【はず】であろう俺の指が赤くなっていた。
痛みもない

スマートレディはさも嬉しそうに

「さっきもぉ待機室でぇずぅぅっと火のつきっぱなしの煙草をぉフィルターが燃え尽きそうになっても持ち続けてたよぉ♪そして今も」

仮面のような顔で突き刺さるような視線が俺を攻める
だがそれよりも・・・

俺は、まったく熱さに気がつかなかった・・・?

「あ、あの・・・ずっと見てたんですか?」

仮面のような顔が一転して笑顔に変わる

「見てたよぉ、だって私が入ってきても君気がつかなかったじゃない。それにしても君すごい我慢強いんだねぇ!」

じゃぁ俺はなんで!焼けどをしている【はず】じゃないか!?
なぜ俺の指は赤くなる程度ですんでいるんだ!?

「そんなはずないjy「遅くなってすまない」です・・・か・・・」

入ってきた人物を見て俺は頭を抱えたくなった

「しゃちょ~!おそ~い」

最悪の予感が当たってしまったかもしれない

「すまないね、待たせてしまって。私が」

「スマートブレイン東京支部社長 村上 峡児(むらかみ きょうじ)だ」




「さて、先程君が受けてもらった検査結果と勝手ながら君の個人情報はここにあるわけだが・・・」


――パサッ


村上 狭児さん・・・いや社長でいっか、社長は大学ノートくらいありそうな厚さの書類をスマートレディから受け取る。

「一応私も担当者から話などを聞いてはいたが、本人から聞いた方が良いかと思ってね、君にこうして来てもらったわけだ。」

いや、何の検査とか知らされてないし・・・ていうか個人情報て

俺は一般人だっつぅの!

そんな変なフラグみたいなのやめてほしいっつうの!


「何、変なことを聞きたいわけじゃないさ・・・・まぁ自己紹介からはじめてもらえるかな?住所、氏名、年齢、職業、趣味、思いついたものからでいいから」

うー・・・なんか絶対碌でもないことになりそうだけど、断るのもまずいしなぁ

「んっうん、えぇ・・・俺の、いや自分の名前は 時田 一志(ときた ひとし)です。年齢は23歳、7月11日生まれのAB型です。職業は警備員で六本木ヒルズで勤めてます。住所は東京都○△◇区×××3-4-17の205号に住んでます。・・・・趣味はゲームとかあとスノボーとか・・・こんなとこでしょうか・・」

なんか変な感じだな・・・てか必要あるのか・・・?そういえばあの怪人達とかオルフェノクっぽくはなかったし。カブトとかブレイドの敵みたいに変身能力があるとかで俺のこと疑ってるのか?


「うん、ありがとう。それで、ちょっと質問いいかな?」
「?どうぞ」


「最近、時田君が知ってる中で、世間的に大きなニュースをあげてくれないかな?」

なんか面接受けてるみたいだな・・これはあれか俺が異邦人かどうか確かめてるとかだろう、明らかにここ555の世界だし。
しかし、最近のニュースねぇ・・・最近のっていえば

「最近といえばやっぱり北朝鮮の長距離ミサイルの発射実験じゃないですか?都内でも迎撃ミサイル配備してましたし、それに実際今日迎撃したみたいじゃないですか。実際にニュースでは確認できなかったですけど。相当問題あったんじゃないです?」

やっぱこれでしょ、あれがミサイルかと言われれば、NOと答えるし。
あれは隕石とかそんな規模に見えたけど・・・まぁなんにしても俺の予想が正しければそんなものは落ちてないはず。

「ふむ。なるほど・・・・あぁそういえば今年は何年だったかな・・・時田君すまないが教えてくれないか?」

芝居掛かってんな・・・


「2009年 4月 5日です。あぁちなみに首相は麻生太郎ですよね?」

どうせなら俺から言ってやろうじゃないの


「!そうか・・・いや、ありがとう・・・ふむ・・・時田君は未確認生命体というものを知っているかね?」

未確認生命体?・・・クウガか??グロンギか!グロンギのことか!



「・・・いえ知りません」
「ふむ・・・それじゃ君は、ワームという生命体を知っているかな?」

ワーム!?えぇ・・ワームってあれですか・・カブトの超大量に沸いてくる
確かにそんな形してたような・・・気もしないでもない・・・


「そうか・・・時田君が今日六本木で襲われて、うちの社員に助けられた時の怪物の仮称なんだが・・・あの不気味な様相生き物は我々はワームと呼んでいる。そうだな・・・見て貰いたいものがあるんだがいいかな?」


そうして社長から渡された写真数枚の写真にはワームや未確認生命体、そして555やカイザ、デルタ、オルフェノクの写真・・・ある意味予想していたけどクウガの写真

・・・・アギト・・・アギトもいますよ!仮面ライダーアギト!
うへ・・・なにこのライダー世界・・・混ざりすぎ!混ぜるな危険!マジ危険すぎ!

「時田君」

「あ・・・はい!」

「君は未確認生命体は知らないって言ったよね?」

あら?なんかまずった・・?表情でてたか・・そりゃぁでてたよねぇ

「時田君が見て特に驚いたこの2枚の写真・・・この写真に心当たりあるのかい?」

「あぁいえ・・いや!この2枚のって555に似てるなぁって!これ新しいライダーですか?(ちょっと強引だがこのまま乗り切ってしまおう・・)格好いいですねぇ・・・いやぁ!ほんとに!あぁでも555のが断然格好いいと思いますよっ!いやぁ僕もなってみたいなぁ!」

「・・・・ふう・・・そうか時田君がそこまで言うなら、やぶさかではないよ、ちょうどいい。君もいきなりは無理だろうが、うちの戦闘教導科で鍛えてあげよう。「っちょ!っちょ!」特別だよ?普段はいくつものテストを経て入社できるのに幸運としか思えないだろう?何適正があれば君も立派な「ライダー」になれるさ。がんばりたまえ」

「はーい、じゃぁ書類手続きと社内の案内をしてあげるね~」

えぇ!俺地雷踏んだ!?ねぇ!俺やっちゃった!?
やだやだやだ!こんな致死率高い世界でより高い現場に行くなんて!死ぬ!死んでまう!

「はぁい!早く行くよ~それにヒトシちゃんそれ言葉に出てるよぉ~」

「力強っ!スマートレディ力強っ!さてはお前もオルフェノクだな!原作ではそんな描写なかったがきっとそうだ!それかネイティブだろ!いや!もしかしてワームが擬態してるとかか!」

「爆弾発言しすぎ~!それに失礼すぎ~私人間だよ~」


――――バタンッ

「・・・・」

「・・・・・・・はぁ・・・「君も」・・・ですか・・・これはちょっと花形会長にも知らせたほうがいいのかもしれないですね」

「とりあえず会長に電話か・・・PI!あぁ私だ、花形会長につないでくれ」




[7843] 第三話 「葛藤」 【修正】
Name: 野上◆311655a1 ID:26f2a3c4
Date: 2009/05/29 02:38
第三話 「葛藤」

スマートビル:医務室


えー・・・現在、本日予定されていた施設の見学と書類作成の予定がされていましたが
何もせず医務室で横になってます。

なにがあったかっていうと・・・




―――バタン

やややややややっちまったぁ!何混乱してんの!?馬鹿なの俺!馬鹿なの!?
爆弾発言しすぎ!こんん・・・って痛っ!?指が熱い痛い!

「いてっぇ焼ける焼ける焼けてる!?」

唐突にきた激しい痛み、それは先ほど煙草を持ちすぎていた指で
火傷したはずだったのにまったく熱さや痛みを感じなかった手だった
「ちょっと・・何騒いで・・・何!?どうしたのその指!火傷してるじゃない!」

先を歩いていたスマートレディがかけよってくる
心配してもらって悪いけどそれどころじゃない。今はそんなことより

「は・・はやく医務室かなんか連れてってくれ!早く!ハリー!ハリー!」




と今に至ると

「その手じゃ今日は書類とか無理ね」

無理です。軽度なら問題なかっただろうけど、指が根性焼きになってしまった
甲斐甲斐しくも包帯やら薬やらの世話をしてくれたスマートレディに感謝

「その、色々とありがとう」

「あなたも社員になるんだし、みんなのケアが私の仕事だから気にしないで」

そう微笑みながら言う彼女はとても

「綺麗だ・・・」

「え・・・?ちょっおだてても何もでないわよ?」
目を見開き驚いたまま目を逸らすその仕草も可愛い




「・・・・・・」

「・・・・・・・」

気まずい・・・非常に気まずい
俺とスマートレディ
先程面識があったばっかりの男女で他に誰もいない医務室で二人きりってのは、なかなかに辛いものがある。

「あの」「ねぇ」

言い出し被るし

「「先にどうぞ」」

「「・・・・・・」」

むーん、どうしたもんか

「はぁ・・・じゃぁ私から話すね、いい?」

「あぁ、どうぞどうぞ」

「あなたはいつの時代・・・いやどの世界から来たの?」

は?あぁいや・・・ん?・・・あぁさっきの話か
・・・そうだよな
しかしまずったな、勢いで色々地雷踏みまくりだったわ

「えーとさっきのは、ただ慌ててて「あそこまで言ってとぼけないで!」すんません・・」

なんかさっきも感じたけど性格違ってねぇ?

「いいわ・・・・私ね本来のスマートレディじゃないの、私は・・・一度死んでるの」

それってオルフェノクってことじゃないのか?たしかに驚いたけど、予想してなかった程じゃない。

「言っておくけどオルフェノクでもないわ・・・私は別の世界で死んだの」

「はい?」

「・・・あれは、私が16歳の頃塾の帰りで、世間はクリスマスに向けて駅のイルミネーションも綺麗にクリスマスモードに変わっていた。そんなイルミネーションを見てたらすっかり遅くなってしまっていた。
急いで家帰ろうと駅のホームへ向かう階段を上っていると、突然ホームが騒がしくなった。
そして階段を上った先で私は、深いニット坊を被った男がこちらに猟銃をかまえているところだった。その後発砲音がバンバンバンと3回ほどなるのを聞いたところでだんだん意識がなくなっていった。」


「その後目が覚めたときには、この「体」になっていてこの「世界」で目が覚めたの」

思いを吐露する彼女の姿は、まるで遠い夢を見ているかのようでだった。

「それが2年前、当時はもう混乱した。だって目が覚めると仮面ライダー555のスマートレディになっているんだもの。すでに社長の秘書やっていたから社長には速攻でばれたし・・・まぁおかげで他のオルフェノク達の手前もあったし、昔のスマートレディの映像を見ながら少しはスマートレディに近づく演技の為に準備期間を作ることもできたから不幸中の幸いだったかな・・・。」

「?なぜスマートレディの演技をしなきゃならなかったんだ?」

「あのころはまだスマートブレインも落ち着いていなかったのよ。ネイティブとの協力でオルフェノクの寿命の延命措置ができるかできないかの瀬戸際だったから社内でもピリピリしてたし」

なるほどねぇ・・・ってオルフェノク寿命延びたの!?だから・・・か。
確かに原作でも村上狭児はオルフェノクの延命の為に会社を作ってたし、そのために花形のおっさんと手を組んでたんだもんな。なんか納得

「ってことはもろもろ憑依ってことなのか?それも俺と同じで「仮面ライダー」がTVでやっている世界の出身なのか」

「うん。でもまぁ社長室でのやり取りで確信はあったけどね、でもあんなこと他の人たちの前ではぜぇえええったいに言っては駄目だからね!」

いや、そりゃわかっております・・ハイ
それにしても・・・・

「女子高生だったんだねぇ、ふーん・・・女子高生が特撮ねぇ・・」

「いや!弟が好きで!私も・・・そのアニメとか見てたし・・(ごにょごにょ)」

「アニメってプリキュアとか?うへ・・・すげぇジェネレーションギャップ感じるわぁ・・だって10歳とかでしょその頃・・・若いわぁ・・・そして俺おっさんじゃん!」

などと同じ世界出身ということで話が弾んでその日を終えた





【side:スマートレディ】

やっぱり予想道理、彼は同じ世界の人間だった。
恐らく死んだであろうあの時から、この世界で目が覚めるまで私は孤独だった
目が覚めると違う体になっていた驚きと戸惑い。
この体の本来の持ち主だった「彼女」の使命。
あまりにも過酷なこの世界の運命。
そして・・・孤独



怖かった


なにもかもが怖かった


花形さんや社長は良くしてくれた
この世界のオルフェノクは原作であった死の恐怖から解放され優しい
それは、きっと死を乗り越えたからこそ
人との共存への恐怖それゆえの臆病さから生まれる優しさなのかもしれない
この世界で人はあまりにも弱い

辛く厳しい世界と、私には現実をこの世界を認める時間さえも与えられない現実
恐怖や不安で毎日のように泣いた。時間は掛かったが今私はがんばっていると思う

でも日常の中での私はスマートレディ
「私」がいられる時間はほとんどない

けど彼が現れた

「アニメってプリ○ュアとか?うへ・・・すげぇジェネレーションギャップ感じるわぁ・・だって10歳とかでしょその頃・・・若いわぁ・・・そして俺おっさんじゃん!」

今、本当に久しぶりに「私」でいられる

あぁ本当に・・・

「あは・・あはははは・・おっさんだね!」






【side:時田 一志】



「あは・・あはははは・・おっさんだね!」

っちょ・・・泣きながら笑ってるよ
考えればそりゃそうか・・気がついたら他人になっていて
それも創作の人物になってりゃな・・・
っていうか社長ももっと気つかえよ!

16だぞ16

事情があったにせよ、もっと大人がケアしてやらないといけない年齢だろうに・・・
そんなことも気がまわらない程切羽詰ってたって事かね・・

やだなぁ・・・この世界

マジで

まぁ今はこの小さくとも偉大な仕事をこなしてきた先輩を労わろう

「大丈夫だから・・・がんばったね」

それだけ言って抱き寄せる
俺だったら無理だもん絶対
100%逃げるね
「うぅ・・んぐ・・うあぁああああん!」

胸の中で泣く彼女の頭を撫でながら

「頑張ったよ・・・よく頑張った」





セクハラ言われたら裁判負けるなぁ・・・・



なんて俗な事を考えてしまう俺であった





【side:村上 狭児】

「それでは、彼らのシナリオにはこのようなことはなかったということですか?」

「あぁZECTの加賀美君の話ではそういうことらしい」

花形会長にはいち早く、ZECTのトップに話を聞きに行ってもらっていた
ZECTには現在スマートブレインで開発、使用しているベルトはZECTの技術も一部使用している。ただ全ての技術提供をされたわけではなくなにかしらあちらも考えがあるのだろう・・最大手企業のスマートブレインではあるが、国の超法規機関であるZECTに正面きっての抵抗は「まだ」できない。

「彼らの「協力者」の話ではこのワームは少し違うらしい」
「違う?と・・・いいますと?」

「まだ詳しくはわかっていないとのことだ・・・よって詳しくは言及しなかったが・・・『ワームに似た何か』・・・ということ位しか現段階では答えられないらしい」

曖昧すぎる、「ワームに似た何か」だけでは能力も、何が違うのかもわかりませんね・・
あれだけではないでしょうし、できるかぎりの詳細は知りたいのですが・・・
このようなことを知らされないとなると、動きづらい・・・ワームについてはどうしても
あちらの「協力者」の力が必要になってくるのだから

「気になりますね・・・こちらに言いたくない為に隠しているのでしょうか・・・」

「いや――あの様子だと、向こうも予想外のできごとで混乱しているのだろう」

あの様子が気になりますが、まぁ相当混乱していたのでしょう

「そうですか・・・しかしそれでは今回のことで彼らの「協力者」たちのシナリオは変更されるのですか?」

「変更はないそうだ・・・よっていまだ変わらず・・・2年後だな」

「わかりました、会長・・ありがとうございました。」

「いや、かまわんよ。それで村上君、『SAUL』(未確認生命体対策班)との話し合いはどうなっているかね」

「すでに、電話でのみですが連絡はしておきましたが・・・端的に言うと聞かれたことにだけ答えろ・・ですかね・・・」

あそことの、SAULとは発足してから折り合いはずっと悪い
末端との衝突があるわけではないが・・・問題は相手方のトップとの仲が破滅的に悪い
それもそのはず、オルフェノクが起してしまった事件も多い
そして今現在でも極力抑えているが、まったくなくなったわけでもない
今の時期が、時期だけに、お互い表面上は協力体制はとっているが・・・・

オルフェノクは人からの報復を恐れ・・・そして・・

「彼は――いや、人はオルフェノクを憎み、恐れている・・・か・・・」

「そう・・・ですね・・・そしてそれは我々も・・」


結局人間はどこまでいっても人間か・・・姿は変われど力を得ようと

人間は人間をいつまでも恐れる




[7843] 第四話 「アンノウン」
Name: 野上◆311655a1 ID:fe8872a4
Date: 2009/06/07 06:44
スマートブレイン会議室

「花形会長、日下部 総一様、お忙しい中お集まり頂きありがとうございます。」

「いや、前置きはいい・・・こちらでも調査隊の報告は受けた。一体どうなっているんだね村上君。」

「まぁ、落ち着きたまえ日下部君」

「花形会長・・・・すみません」

「はい、現在調査中であります。なお現場での被害者、13名の死亡者につきましては全員「人間」ということがわかりました」

「そんなことはこちらでも調査ができている。今は大事なとても不安定な時期なんだ・・・ネイティブの動きもなにか裏があると私は見ている。今彼らを刺激するのは避けたいのだよ」

「わかっております。確かに原因も影響も不明ですが、一つお二人には・・・いや研究者である日下部様にはどうしても報告しておかなければならないことができました」

「わが社の社員が保護した民間人の「時田 一志」のことについてなのですが・・・」



第四話 「アンノウン」


「こんくらいでへばらないの!ペースをみださない!」

「っんぐ・・んなこといっても」

「もっと!もっとよ!口を動かす前に足をだしなさいっ!」

「はぁはぁはぁ!っふぅ」

「ほら、もうちょっとでフィニッシュよ、腰に力いれてっ!」

「はぁはぁはぁはぁ・・だっしゃぁ!」

「やればできるじゃない。そのまま!」

・・・・・・

・・・


「ああぁっもう限界っ!」

組み手などの戦闘訓練の後〆のシャトルランを終えて地面に倒れこむ俺

「時田君、今日はこれであがりよ。午前やった戦術理論もしっかり復習しておきなさい。あぁ・・・それと水分補給は急いでとりすぎないようにね。以上解散」

カツカツカツ・・・姿勢正しく去っていく後ろ姿を見送る
なんでこんなことになってるかというと
あの後、火傷の怪我が治ってからすぐスマートブレインに呼び出されて・・・



「今日からお前に戦闘技術、集団戦闘技能、を指導することになった教導隊ラッキークローバの影山 冴子よ、よろしくね坊や」

あの冴子さんです、最終回にアークオルフェノクに不死の力を与えられ人間をやめちまってたラッキークローバーでロブスターオルフェノクこと影山 冴子さんです。
ちなみに現在のラッキークローバーは影山 冴子、琢磨 逸郎、ジェイ、レオの4人のようで、まだ冴子さんと今日はいないがジェイにしか会っていない。
どやら社長の指示で俺の指導をするようになったらしいんだけど


「一般人を戦場に立たせるってどういうことなのかしらね村上君?それも1週間で現場に出すなんて危険すぎるわ」

「いや・・・これには理由があってだね、試しておきたいことがあるのですよ」

「それで、その理由も試したいことも言わないのね?」

「あぁ、本当に申し訳ない・・」

「あやまってほしいわけじゃないの、私たちは人命救助の現場で一般人を守る立場にいるのよ?そんな現場に経験も少ない一般人を入れろだなんて・・・ただでさえ隊員たちでも負傷者がでることもあるのに。何を考えているの」

「わかってるつもりだ・・・しかしだからこそ君に彼の指導を・・」

「あぁ・・もういいわ・・・村上君」

「冴子さんには迷惑を・・・」

「喋りすぎて喉が渇いたでしょ?」

「いやいやいや!そんなことないよ!冴子さん!オルフェノクに変身して何を飲まそうとしてるんだい!?」

「ハイになれるほど美味しいお酒よ」

「そそそそそそそれはハイじゃなくて灰になってしまうんじゃ」



なんてことがあったらしい
今のところ厳しいがしっかり指導してくれてると思うんだけど
スイッチが入ると「あの影山 冴子」になるらしい・・・
それも凶悪な形で・・・


んでまぁその情報も

「お疲れさん。はい」

スポーツドリンクを渡してくれたこいつ「影山 瞬」が教えてくれた情報
仮面ライダーカブトのザビーだったりパンチホッパーだったりの「影山 瞬」
なんとこの世界ではこの二人姉弟だったよ・・・
冴子さんはオルフェノクで瞬のほうは人間とのことなんだけど、そんな二人の関係は

「あんたはまだいいほうだよ。こんくらいでさ、俺なんて倒れこんでなんていたら3倍4倍の量をやらされるし・・・なによりオルフェノクに変身すんだぜ姉貴・・・殺気も異常だよ異常。もはや人間の心を忘れたオルフェノクってのは姉貴の「瞬ちゃん?「お姉ちゃん『末期の酒』っていうおいしいお酒を作ってみたの、今日の夜お酌してあげるわね」 (ガクガクガクガク)」


こういう関係らしい。
まぁ、なんだかんだでの仲良い姉弟だ。冴子さんも面倒見いいとこあるから、人の身でありながら小隊の副隊長やってるのが心配なんだろう・・・


「許して姉貴!許してください!許して!たすけたすけてくだ・・・ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!」



・・・・・・・・

・・・・・多分・・・


「ハーイ!みなさぁんお疲れさまです。時田さんは今日、身体検査の日ですよぉ忘れてるようなので迎えに来ましたぁ」

「あ・・あぁ・・という訳で冴子さん瞬行ってきます」

「明日も早いんだからしっかり休んでおきなさい」

あぁいつもの教導の冴子さんだ

「・・・・・・・・・・」

瞬は返事がないただの屍のようだ

「(俺・・・絶対この会社やめて姉貴の手の届かないところの隊長やるんだ・・・)」

なんかZECT行きの意思を瞬から感じたけど気のせいということにしておこう・・

「ハーイ!それじゃ着いてきてねぇ♪」

スマレディの後ろをついていく・・・

二人してスマートビルを出て会社のロゴの入った車で、別館のスマートブレイン医療総合センターへ向かうのがここ最近の俺達の日課になりつつある

火傷の治療をした医務室から大事をとって医療センターで治療を受けるようになったのだが、それから3日に1度くらいのペースで火傷が完治した後でも来るように言われている

この二人でいる時間はスマートレディから彼女が解放される少ない時間の一つとなっていた。
俺が運転する車内で取り留めのない話をする、最初の頃はこの世界での話はあまりしなかったが、最近では訓練中での俺がポカやった話や、冴子さんや瞬との騒動、少ない休暇の間にみつけた美味い喫茶店の話や、この世界でのTVでの話などこっちでの生活のことについての話が増えてきた。

車で15分位の短い時間だが少しは彼女の息抜き位にはなっていると思う。



「でさ、そこで食べたオムライスが絶品でな、マジうまかったよ。こう、よく流行ってるふわふわとろとろの卵が掛かってる奴じゃなくてスタンダードのオムライスなんだけど、中身も味がしっかりしていて、しっとりとしててなー・・・あれは美味かった」

「へぇおいしそう!でも私はとろとろの方が好きだけど・・・でも最近はスタンダードのオムライスのほうが珍しいかもね、いいなぁ~食べたいなぁオムライス」

食べたいなぁという願望を言う彼女は、外に出るときには当たり前だがスマートレディの仮面を被っている。

「ん~オムライスもいいけど、なんか甘いもの食べたくない?」

それはCMやスカウトなどをしている彼女にとってオルフェノクがどこで見ているのかわからないっていうのも、もちろんあるが。

「ねぇ!ほら!あそこにクレープ屋さんあるよ!」

あの仮面は自分を守るための仮面でもある、隙をみせない、裏がありそう、得体の知れない等の圧力を与えて自分の身を守るため・・・


「ねぇ!聞いてるの!?くれーぷぅ!」

ぐいぐい

「あぁ・・ごめんごめん!でなんだっけ?クレープ?」

「もうっ!人の話しを聞いてなかった罰としてさっき通りすぎたクレープ屋さんで
奢ること!」

まぁ、今はいいか・・・

「ハイハイ、じゃぁ帰りにね」

「いーま!」

「えぇー・・・」

「いーーーま!」

「糖分抱いて溺死しろ」

「どんとこい!」

ありゃ通じなかったか







30階建ての高層ビル上に不自然な光景があった

ビルの上に立つ一つの人影

その人影の視線の先には一つの車・・・

車にはSMART BRAINなるロゴが入っており
一組の男女が搭乗していた
人影は少し思案したような様子を見せると
車がUターンを仕出す、思案していた人影は突如
ビルの上から身を投げ出す

あわや悲惨な大惨事に・・・ならなかった

上空には獲物を狙う先ほどの影の姿

空を自由に舞うその姿は異質な姿

腕の下に羽を持つ黒と銀色の体

筋肉質な肉体にヘルメット状の頭部

そしてクチバシがありながら人の口も持つ異質

その者の名はクロウロード・コルウス・クロッキオ

狙いを定めていた車の前方に降り立った彼の頭部には

キュィィィン

天使の輪ともいうべき光の輪が彼の存在を主張していた










[7843] 第五話 「2000の技を持つ男」
Name: 野上◆311655a1 ID:fe8872a4
Date: 2009/06/07 06:56
ズシャン!

上空から突如現れた黒と銀の影
奴が立ち上がるとその姿・・・
人のような体でありながら鳥の特徴が随所に現れている
一番不気味なのはその顔
口からは牙が見え鼻にはクチバシ
その頭にはロードの象徴の光の輪




第五話「2000の技を持つ男」



「―――アンノウン」


奴の視線は俺たちのから離すことはなく

「早く連絡を!」

「今やってるわ!」

旋回してる時間はない
俺はアクセルを全開にして奴の横を抜ける



ガクン

突如止まる車

ギュルギュルギュル

車の後ろタイヤは自身が疾走するための地面を求め、回転している

ちなみに説明していなかったがこの車の車種は初代エスティマ

つまりMR車

もっと解りやすく言えば後輪駆動

そのMR車が後輪を持ち上げられるとどうなるかっつーと・・・

「くそっ!進まねぇ!」

このままじゃ二人ともあの鳥アンノウンにやられちまう・・・
なんとかしないと

「伏せて!」

パン!パン!パン!

隣のスマートレディの即断で車内に常備してある拳銃で発砲

恐慌する俺は隣のスマートレディが頼もしく見えた

しかし・・・

シュゥゥゥン

カランカランカラン

鳥アンノウンに到達する前に地面に落ちてしまう

「っつ!」

パンパンパン

苦い顔をしながらも、臆することなく連続して発砲するが全く結果は同じ

助けを求めるように彼女の顔を見ると

その目尻には小さな涙が見えた、俺は何を期待したのか自分が彼女を守らなくてどうする
自己嫌悪に落ちるのは後、なんとか打開策を考えないと

その時、車の動きを止めるだけでは拉致があかないと思ったのか
アンノウンは車体をどんどん上へ上へと持ち上げていく

俺はこのまま車を投げられると思い衝撃を少しでも和らげる為にスマートレディに覆いかぶさる

しかし、アンノウンは予想に対してゆっくりと、丁寧に車を裏返した。

ドンッ!

車はついに裏返り、運転席のドアが開かれ

そして俺は後ろから首をつかまれ車外に引きずりだされる

「ッく!!逃げろっ!」

「ヒトシさん!」

ガシッ!俺の脚に捕まるレディ

「何やってんだ早く逃げろ!!」

大人二人を意に介さずそのまま車外に投げ出す

「きゃぁ!」

「っぐ!」

そして奴は俺の首を再度持ち上げぎりぎりと絞めあげながら
俺を観察するように見ると

興味がなくなったかのように地面に投げ飛ばす
その時既に光の輪は消えていた

「ッ!」

背中に受ける衝撃、口から漏れる意図せずに漏れる息
意識が飛びそうになる

(まだだ、気をしっかりもて!前を見ろ)

意識を手放しそうになるが、必死につなぎとめる

目の前には、恐怖に押しつぶされそうになりながらも、俺を守ろうと必死に戦ってくれた女の子がいる。何も出来ないままでいい筈がない

まだ身体は動くだろう?

動くどころか、まだ怪我も負ってないじゃないか

痛みも不思議とない





頭の中で自問自答をする

そんな俺を視界から外し
奴の視線が俺から彼女へと移り変わった時

決心がつかないまま受けさせられた訓練だったが、今この時ほど
冴子さん感謝


「するぜぇえええええぁああああああ!!」



低姿勢から鳥のアンノウンにタックルを掛ける
腰に手を廻しこいつを逃さないように
正直これは愚策意外の何者でもない、教えられた戦術でもない
【決して人間は近づくな】これが大前提
援護射撃や人命救助、フォーメーションによる逃走路の閉鎖などだ

人間は近接戦闘を仕掛けられないように立ち回れ

それが人間を凌駕した相手への鉄則・・・それが、今の俺はどうだ

アンノウンは、片手で俺の襟元掴むと、上へ引き剥がし―――膝蹴りを放った

咄嗟に空いた両腕をクロスしてガードの体制を取ったものの

―――ドン!

数メートルほど弾き飛ばされる
ガードしたのが功を奏したのか、ゆっくりとだが立ち上がる

「・・・・」

そんな俺を見つめる鳥のアンノウン

シュゥゥゥン

光の輪が再び現れ

・・・ズシャ・・・ズシャ・・・ダダッ

俺を敵と認識したように、こちらに向かって走って来る
そして奴が振り上げた腕が俺の生命を刈り取る死神の鎌のように思えた


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

キュィィィン

一転して機械音がその場を支配する
俺の視線の先には
青の機械的なボディにシルバーのアクセント
全身パワードスーツの
正真正銘人間ライダー

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

キュゥイィィン

「G3・・・・」

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

「君!大丈夫かっ!」

ガシャコンッ!
カートリッジのようなBOXを外しながら、視線はアンノウンから外さず
こちらの安否を気遣うG3

ガッコン

「えぇ・・・なんと(キュィィィン)えっ?」

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

キュィィィィン

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

「っちょ!」
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

一心不乱に弾幕を放ち続けるG3
何このずっと俺のターン・・・
正直、ガトリングの反動で微振動してる、G3が怖い

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ
ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

キュウゥゥゥン

「やったか!」

あ・・・それ死亡フラグ

爆煙で前方が見えない

PIPIPI!

「しまった!上か!」

索敵は常に行っとこうよ・・・

―――――――ドォォン!

鳥アンノウンらしき影がG3と衝突

「胸部のダメージ超過!G3起動停止しますっ!・・・氷川君!」

そんな声が聞こえたような気がしないでもない

ダダダダダダ!

G3がやってきた、反対側から若い男性が走って来る

その男性が腰へ両手を当てると

ベルトが出現し
左手を右斜め上へ構え
左へスライドさせ

「超変身ッ!」

男性の体が緑色の鎧へと変化する



あれは――――



仮面ライダークウガ


古代の超戦士

鳥のアンノウンがG3の時のように飛び上がる

その姿を眼で追うわけでもなく
左手を持ち上げるクウガ・・・

えーと・・・あの緑色ってどんなフォームだっけか・・・

そしてクウガの手には金と緑色の装飾のボウガンが握られる
あれは・・・そう!ペガサスフォーム!
上空へ飛び立った鳥のアンノウン、俺にはもう視認することはできない

でも・・・

光の光弾が3射
上空へ構え迷いなく放たれる

そして、ボウガンに「溜め」が入り
一陣の一際大きな光の線が、一瞬空へ出来上がる

瞬間――――爆発

そして、クウガは
こちらへ振り返ると

「ッグ!」

とサムズアップをかましてくれるのであった

圧倒的勝利・・・そんな姿を見てしまったら

「五代雄介・・・超やべぇ・・・・」

と漏らしてしまっても俺は悪くない・・・多分








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