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[8793] 【習作】えくす!?(EX!二次、転生オリ主+クロス)
Name: Revenge◆a1ba6ec8 ID:2f1af879
Date: 2009/06/07 05:27
この俺、大和戦斗の家庭はやや異常です。
……少々言い過ぎたかもしれない、ですが微妙に普通ではないのは確かです。


俺の親父、基本童話作家の大和陽介と年齢と外側が一致しない俺のお袋、バイオレンスマザー大和ミスラ
ごく危険な出会いをした二人は、ごく危険な恋愛をし、ごく普通の結婚をしたこの二人……ヒーローと悪の組織の幹部だったのです。

なんてナレーションが入ってしまう。
ちなみに二人とも引退している。というかヒーローが悪の組織をつぶしたお陰で今、俺がいたりするわけです。
敵味方のロマンスなんかがあったんでしょうが、赤の他人のコイバナならともかく自分の親の話だと少々恥ずかしいから詳しくは聞いていません。

あと、俺には弟がいます。大和一哉、どこにでもいるごく普通の青少年です。兄弟仲は悪くないはずです。

そしてこの俺もある意味普通じゃない、なんと前世の記憶を持っているのだ。きゃほー。
よくある転生系SSみたいに『あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ! 気がついたら赤子だった。なにをいってるのかよく分かるだろうが、
キ○ガイとか電波とかじゃ断じてねえ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ』というわけです。

おまけに生前にいた世界とはだいぶ違います。

世界征服をたくらむ悪の組織"HERA"に、その尖兵たる改造人間に戦闘員、そしてこれらの巨悪と戦う、"エクスター"と呼ばれるヒーローたちの存在。

正直、どこの仮面ライダーだよと思いましたが、この世界には特撮作品としての仮面ライダーは存在しませんでした。
代わりに、エクスターをモデルにしたドキュメントドラマが正義のヒーローに憧れる子供たちの心を、がっちりつかんでいます。
幼稚園ではライダーごっこではなくエクスターごっこが流行るわけです。

前世でよく読んでいたSSのジャンルと似た状況であるだけに、もしかしたらこの世界もどこかで物語になっているのかもしれません。
生憎と俺の記憶に該当作品はありませんでした。

たいていこういう場合、厨二病全開のオリ主だったりするのですが、幸い母さんの遺伝子のおかげか、
不細工ではないけれど際立って美形というほどでもない、つまり普通です。心が痛くなる必要が無くて本当によかった。

おまけに悪の組織もエクスター達が壊滅させたらしいし世界は平和を満喫しているのだ。
死亡フラグの高そうなどこぞの世界よりは、よほど安全だ、せっかくだから俺は第二の人生をエンジョイさせてもらうぜ、ひゃっほー。



そんなことを思っていた時期が俺にもありました。





えくすっ!?
第1話 
『あのレベルで戦闘員ってTOPはどんだけー!?』





どうもこちらの改造人間ていうのは遺伝子レベルから合成された存在のようで
俺の母さんは最強幹部の一人だったらしくて、父さんは最強のエクスターだったりして。
ええ、そうです。
変身できるそうなんです。
俺も男の子、前世では仮面ライダーとか大好物でした。
最新のライダーの結末は見たかったなぁ
「通りすがりの仮面ライダーだ」は名言だと思います。
昭和は別腹ですがね。

それはさておき、変身です。
変身する際の掛け声には改造人間は”エクステンド”エクスターは”エクスチェンジ”と叫ぶそうなんですが
幼稚園のころ、夜中にこっそり試したのですが何故か駄目でした。
両方試したのですがなんにも起こりません。
そのときは遺伝しなかったんだろうと納得したのですが、
なぜか、弟は変身できてしまいました。

エクスターですよ、正義の味方ですよ、親父殿に似た姿と母さんに似た配色。
うらやましいにもほどがある。
ゴキブリ怪人でもいいから変身したいと思った俺は何なんでしょう?
俺と一哉は双子なのに、いったい何が作用したのでしょうかね?

コロシテデモウバイトル

なんてことは考えませんでしたよ?ええ、考えませんでしたとも。
よく考えたら変身ベルトじゃないですしね?

それに弟が学校で何かやらかしたらしく、もう変身はしないとか言い出したので
異端は排斥されるものだなぁ、平凡一番と思うことにしました。きゃほー

気になるのは最強の幹部とヒーローのある意味サラブレッドの俺たち兄弟って
主役的ポジションじゃね?とか、面倒ごとに巻き込まれそうじゃね?とか思いましたがこれは別の話……だったらいいなぁ


それはある夕飯時の弟の一言から始まった。

「オレだって思い切り走りたいッ!」

気持ちは分からないでもない。
両親が普通ではないだけあって、俺たち兄弟も普通の人間より優れた身体能力を持っている。
ほかの生徒が必死になって出した最高記録を、鼻歌歌いながら軽く超えることができるのだ。
『正々堂々」がうちの教育方針であるだけに、申し訳ない気持ちになるのは当然だろう。

事情をよく知る両親が理解を示し、母は望みをかなえてやった。

聖クレス学園

俺や一哉と同じように普通ではない生徒が通う学校だそうだ。
ぶっちゃけさっきも言った悪の組織の壊滅後の受け皿のようなところらしい。
組織が壊滅した後も全ての改造人間が滅んだわけではなく、こっそりと新世代の改造人間の開発が行われているらしく、
そのための学校だそうだ。
懲りない連中だなと思ったが、とりあえず世界征服なんてもう考えていないらしいので納得することにした。

そんないわく付きの学校に、メリットがあるとはいえ組織の反逆者と敵対者を両親に持つ子供が行くのは躊躇しそうなものだが、
男子1に対して女子9という男女比率は健全な青少年にとっては、かなり魅力的だったことは想像に難くなく、即答で決めてくれやがった我が愚弟であった。

まあ、弟が自分で決めたことだし、俺はまったり暮らせればそれでいいし。

「戦斗、あんたも通いなさい」

なんでさ。


そんなこんなで転入当日、あれよあれよという間に準備は整えられてしまった。転入試験も面接も無いってどうよ?
拒否権?そんなものはありません。

やる気の無い担任(美人なのにもったいない)から聞いたところ組織内では母さんは一戦闘員と駆け落ちしてしまったことになっていた。
プライドの高い母さんが聞いたら激昂しそうな内容だったが、父さんは母さんの尻にしかれているので上司と部下だったとしてもあまり違和感が無かった。


あとがき

GA文庫のEX!という作品の二次創作です。
一応転生系のクロス作品ですが、どこまでかかるか分かりません。
初挑戦なのであまり文章はうまくありません、誤字脱字その他気になったものがありましたらよろしくお願いします。



[8793] 第2話
Name: Revenge◆a1ba6ec8 ID:2f1af879
Date: 2009/06/07 12:43
転校初日から俺達は授業の見学をしていた。

大学のように授業を選択するために、俺とカズ(俺は弟をこう呼んでいる)は案内人の後をついて回っていた。
特にこだわりの無い俺はカズの希望を優先し運動系を先にみて回ることにした。

案内してくれた多奈内由良といった。
クモの原型(アーキタイプ)を持つらしく、ちょっとした刺激で大量の糸を臀部から噴出してしまう、
難儀な体質を持った子だ。それをのぞけば普通にいい子なのでいい友人になれるだろう。




第2話
『HERAの連中のネーミングセンスは正直ないわー』




転校して三日目、今日も今日とて俺達兄弟のために宛がわれたらしいバスは貸切状態だった。
初日は生徒会のメンバーとかいう三人がいたけど、主に話しているのは生徒会長の千路さんだけで、
他二人は品定めでもしてるみたいにこっちの様子を伺っているから、ひどく居心地が悪かった。

しかし、専用でバスに運転手含めて三人だけっていうのは居心地が悪い
おまけに運転手。スキンヘッドで強面、典型的な悪人面だったりするのは勘弁してほしい
はじめてみたときは学園の送迎バスじゃなくて、奴隷市場への直通バスかと思った。

中身はいい人だと思わなければ怖くて乗ってられない。
そう、ギャップルールだ。
普段いい人が何か悪いことをすると極悪人に見えるが、普段悪いやつがいいことしてるとすげぇいいやつに見えるあれ、俺はそう信じてる。




今日で授業見学も三日目、まだまだ残っている。
知り合いも増えた、多奈内の友人らしい和恵理子。
こいつは初日にやらかしてくれた。
この学校に来て真っ先に行った走力の体験授業で彼女とカズが勝負をすることになったのだが
ぶっちぎりで距離を離しカズの自信を木端微塵に打ち砕いたのだ。
それから、カズは彼女に微妙な苦手意識を持ったらしい。。
まあ、走りに自信があったのにあっさり打ち砕かれちゃね、おまけにその張本人はいいやつだし、

運動場を通りがかると、珍しくエクステンドした生徒がなにやらパフォーマンスじみた必殺技をかましているところに出くわした。
八神龍司とかいう見た目チャラ男のパフォーマンスに、目の色を変えて群がり黄色い声を浴びせ続ける女子達
くうっ! 富の偏在、マルクス・レーニン主義の崩壊を目の当たりにすることになろうとはっ!!
神はどこにもいないのかっ!?

あとは明らかに苛められてる先輩を助けたりと、割と平凡な日だったがこの日は珍しく放送があった。

それによると今日は公開役員会とやらがあるらしく、俺らも興味を持った


「打倒、エクスターシリーズ」

部屋の正面に、刑事事件の捜査本部のように、墨汁ででかでかと書かれていた。
「兄貴?どうかしたのか」

正直、それを見た瞬間に回れ右して帰りたくなったが、万一のときはカズを囮にして逃げようと決めて先に入った。
教室内はすでに多数の生徒がひしめきあっていて、座ることできなかったので近くの壁に立つことにした。
生徒会の役員席に目を向けると立派な黄金ドリルをした彼女がいたので、軽く頭を下げると、目線で挨拶を返してくれた。

え?なんで親しそうなんだって?

まあ、聞いてくれ、それは昨日のことだった。

授業見学の途中に猫を発見した俺は放課後、向かったわけさ、その猫のいる所まで

そしてら先客がいたのよ。ほかにもこの子に気づいたやつがいたのかー、アーンド おでれーた、黄金ドリルだよ、おい

黄金ドリルこと蜂音十季子、生徒会の人間で初日のバスに乗っていた三人のうちの一人だ。

手に持っていた皿を地面に置いて、紙パックの中身を注いだ。

それを見た俺は、急いで駆け込み





「燃え尽きるほどバーニンッッグッ!!!!」




子猫に提供されんとする、”牛乳”の入った皿を蹴っ飛ばした。




「ちょっと! あなたっ! なんてことをするんですの!!?」

「なんてことだと!!? 子猫に牛乳を与えようなんて暴挙を見過ごせるか!!!!」

「はぁ?」

黄金ドリルは、突然の乱入者に対して怒りの声を上げてあげたが、俺はそれにかまわずにまくし立てた。

「いいか? ようく聞けよ? 子猫に与えていいのはペットショップ等で販売されている専用ミルクじゃなきゃだめだ!
なぜなら、猫には牛乳に含まれる乳糖を分解する酵素であるラクターゼが不足しているため下痢を引き起こしてしまうからだ。
特に子猫の場合、下痢が重症になることもあるため、控えなければならない!! わかったか!?」

「あ、はい……」

「そして!子猫とはいえ野良に餌をやるならば、最後まで面倒を見る覚悟を持て!中途半端な気持ちで餌をあげてはいけない!」

「はい……あの、すみませんでしたわ…」


ついカッとなってやってしまった、だが後悔も反省もしていない。
説教中、黄金ドリルは怒りの表情から途中呆けて、最後にはしゅん、と萎れていしまっていた。

「あー、悪い、言いすぎた」
社交辞令でも謝って置くが吉だろう。

「いえ、確かに貴方の言うとおり、私の考えがいたりませんでしたわ。それにもう少しで大変なことをしてしまうところでした……その、つい可愛らしくて」

「それは分かる、猫は世界一可愛い。それが子猫ともなれば宇宙一だ。異論、暴論、反論は認めない」

それから俺達は痺れを切らしたカズが、俺を探しにくるまで猫談義で盛り上がっていた。
強面の運転手を怒らせたら少々おっかないので、挨拶もそこそこに急いでバスまで走った



まぁ、そんなことがあったわけであるがである。
彼女『蜂音十季子』、見た目お嬢なのに妙に話しやすい印象だった。

しっかしHERAの連中にまともなネーミングセンスを持ったやつはいないのか。
八神竜司はいいとしても、多奈内由良でタランチュラは無理やりすぎだろ、和恵理子はたぶんガゼルだ。
生徒会の連中にしたって有毒生物の当て字みたいになってるし。

そんなことを考えていると役員会が始まった。

内容はボランティアの報告みたいな感じだった。
老婆を助けたとかはともかく災害救助までやるところが改造人間らしいな。


ふと、思い出した。
前に母さんに聞いたことだ。正義の味方といってもエクスターのなかで本当に正義のために戦っているのは
ほんの一握りしかいなくて、あとは『悪』という存在を叩きのめすことに快楽を覚えるピー野郎だってことを。

そいつらに比べれば、元悪の組織とかいうここの生徒達のほうがよほどまともだ。
平和に暮らしたいと思っていて、尚且つ自主的に一般社会に溶け込めるよう行動してるのだ。いいことだと思う。


珍しく俺は感動した。横にいる弟をみると同じように感心した表情で報告を聞いている


報告が終わると今度はエクスター達の前口上について議論を交しはじめた。
あの名乗りの意味、俺の中では一種の自己暗示の類だと思っている。
つまり、ああして名乗ることで変身前の自分からエクスターとして"変心"するのではないかというのが俺の予想だ。


激論を呆然とみていた俺だったが、いつの間にかカズが指名されていた。
まあ、やっぱり俺と同じようなこと考えてたらしく
その旨、を述べてたら妙な雲行きになってきた。
ちょ、なんでいきなり喧嘩腰なんですか副会長。
あれ? 一哉くん? 気持ちは分かるけど落ち着いてくれないか?
副会長の顔がすっごい事になってるよー。
あのぉ、十季子さん? 美人が起こるとすごく怖いんですが、ちょっとぉっ! 沸点低すぎだろ!

無理、三十六計逃げるにしかずっと、え?
逃げようとした瞬間に突然、視界が一転し、激痛が後頭部を襲った。
俺の目の前にあったのは宙を舞うバナナの皮だった。

誰だよゴミこんなところに置いたのは!?

バナナの皮で転ぶって、それなんてドリフ?
だが、この程度まだまだ挽回できる!
再び走り出そうとした瞬間、俺の目の前には地面があった。
顔面から床にたたき付けられた俺は、遠のく意識の中、視界の隅で再び宙を舞うバナナの皮と、カズが多奈内と共に逃げる姿が目に入った。

同じ…バナナで二回だ…と!!?

ゴミは……ゴ…ミ箱に…

そして、カズ、後で〆る。

そう固く決心した俺は意識を手放した。


あとがき

すみません、だいぶ遅くなりましたが2話目を更新しました。
新人研修を甘く見すぎていました。
更新は亀ですがよろしくお願いします。


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