一発ネタです。
ノリと勢いで書きました。
問題があると思ったら言ってください、即消します。
何があっても続きません。
西暦200X年某月某日事件は起こった。
いや、それ以前から始まってはいたのだろうけど、俺が気がついたのが今日だったというだけなのだが。
常日頃利用している小説投稿掲示板、通称理想郷である特定ジャンルの投稿作品が軒並み連載停止されているのである。
確かに不特定多数が匿名で好きなように投稿するサイトであるのだから飽きたり、続きが思い浮かばなくなって筆を置くことはあるだろう。
でも、それまでずっと定期的投稿していた人までも予定日を2回以上過ぎても何のアクションもないのはおかしい。
それも一人や二人ではなく全員がぱったりと更新を停止するというのはさすがに変だろう。
まさか管理人さんの方でロックでも掛けて投稿できないようにしているのか?
とか思ったけどメイン掲示板を見る限りそんなことはなさそうだ。
というか近頃はリアルに忙しいらしく管理人さんも出現していない。
新手のクラッカーかとも思うけどやはりメイン掲示板で話が出ないのはおかしい。
ってことは書き手が全員飽きてやめたのだろうか?
全員リアルがいきなり忙しくなった、とか事故にあって更新できない!
とかよりも現実的ではあるし。
色々叩かれ易いジャンルでは有るけどおもしろい続きの気になるものが多かっただけにかなり残念だ。
やはりここは自分で書いて再びこの理想郷でこのジャンルの風を巻き起こすしかないのか!
いや、ロックされてたら投稿できないしそのときはそのときでOKか。
異常なテンションですぐさま設定の考察に入った俺はしかしあまり文才がないので設定だけは無駄に凝ろうとし、設定に押しつぶされる駄作へと一直線に進んでいった。
うん、別に面白ければいいよねー、万人受けしなくても1000人に面白いって言われるものを1000個作れば100万人に面白いっていってもらえるのと変わらないってえらい人も言ってたし。
最強物でもなんでもどんとござれさ。
まずは世界観から初めて主人公の設定、やはりここは悲しい過去を持つ美少年が王道だろう。
銀髪でオクトパスだったら最高だ。
オクトパスだっけ?なんか違う気がするけど問題ないだろう。
きっと誤字だったら誰かが指摘してくれるだろうからそのとき直せばいいし。
容姿はまぁ、そんなとこかな?
おっと、傾国の美少年と言う一文を加えておこう。
これで世界のショタコンに狙われて「不幸だ~!」と叫ぶわけだ。
そしてこれまた基本オプションのニコポナデポをつけなければ。
しかし演出が面倒だ。
いや、ラブコメを俺が書けるのか?
そんなことするぐらいなら特殊スキルとしてステータスに書き加えた上でおいたほうが楽なのではないだろうか。
特殊スキル:ニコポ
解説:微笑むだけで異性を虜にする魔性の微笑み。この微笑を見たものは自分の生涯をニコポ使用者にささげなくてはならない極上の呪いである。
特殊スキル:ナデポ
解説:相手の頭をナデナデすることで対象をメロメロにすることができる究極の腰砕けスキル。ニコポと組み合わせることですぐさま事を起こせる素敵な呪い。
こんな感じにしておけば女性キャラクターを好きなだけ落とせるだろう。
対象を異性に限定しない方が面白そうだ。
そうすればまた薔薇の花を咲かせないために主人公ががんばるだろうし面白くできそうだ。
次は戦闘能力だな、やっぱり舞台がファンタジー?なだけに魔力をたくさんと不思議魔法をたくさん使えなければ意味はないだろう。
しかしこういうのはちゃんと弱点をつけなければだめだな。
わかり易い弱点をつけることで敵も主人公に勝てる可能性が生まれるわけだ。
うーん、どんなのがいいのだろうか。
わかり易く主人公は太陽の下では魔法を使えないとしよう。
屋内とか日の光が直接あたらなければ大丈夫という素適仕様。
これならきっと主人公無双ができるしわかり易い弱点だ。
うん、ここまで最強設定でくると自分で書いておきながら寒気がする。
後は主人公の介入時期を決めてっと……。
なんだかんだでノリと勢いで大体3話分位は書けたし早速投稿するべー。
"投稿する"をポチっとな。
押した瞬間周りが真っ暗になりすべての音が消えた。
さっきまで右手に掴んでいたマウスの感触すら存在しない。
五感のすべてが消えうせたかのような闇の中。
しかし心の中は謎の多幸感が支配しているという不思議状態。
落ち着け、これはあれか?
自分で書いておいてなんだがこれが不思議トリップ現象なのか?
って事はさっきまで書いていた主人公のようにこれは母親の胎内なのだろうか。
それなら主人公が認識したときには生まれるはずが~……ってきたw
それからはまぁ、お決まりだ。
俺は主人公の銀髪オクトパスの傾国の美少年として生きていこうとニコポナデポを駆使して成長を続けたが6歳の時にネギま!の主人公ネギのトラウマ悪魔襲来イベントでさっくりと死んでしまった。
やっぱいくら力を持っていても使う人がヘタレだとだめだよね~、と暗くなる意識のなか思う。
これで俺はどうなるのだろうか。
大抵は現実に戻れるだろうけどいかんせん自信がない。
と思っていたらパソコンの画面の前でした。
どうやら自分で書いた痛い小説を上げる状態でPCがフリーズしたらしい。
って事はさっきまでのは白昼夢?
まぁ、気を取り直して再投稿と行こう。
ちゃんと投稿前にTXTは保存しておいた。
なんだかんだでPCを復旧してみると保存したはずのファイルが消えていた。
あーれー?
確かに保存したはずなんだけどなぁ。
面倒だからってデスクトップに直接おいておいたのになくなってやがる。
間違えて削除したのかとも思ったがゴミ箱を調べても存在しないし、わざわざログをあさっても無かった。
……これはあれか?
さっきまで夢だと思っていたけどまさか自分の書いた痛いトリップ物小説の中に入っていて死んだ=ゲームオーバーでやり直しが効かないので小説が消えたって事なのか?
ということは、あれか?
もしや理想郷で最近更新されないこの種の話は作者が同じ状態に陥っているからって事なのか?!
やっべ、これすごい発見じゃね?
なんでメイン掲示板で誰もこの事言ってないんだろ。
いや作者も自分で楽しむためにそれどころじゃなかったのか?
ここはあれだ、もう一度やってみりゃはっきりするだろう。
どこまで書けばいいのかわからんから主人公の設定に大体のプロット、んでもって行きたい世界観をつなげて投稿しよう。
小1時間ほどで書きあがったので早速投稿しようとすると今度は視界が暗転することが無く、書き込みが完了していた。
あーれー?
何でだろ。
やっぱあれは夢だったのかなー?
にしても投稿したはずなのになんで表示されないんだろ。
まぁいいや、のど乾いたし飲み物でも買ってこよっと。
そのままふらふらと外に出て家からコンビニまで歩く途中でいきなりトラックが突っ込んできて跳ね飛ばされる最中、思い出した。
そうか、さっきアップした小説は最初の気がついたら、ではなく王道のトラックに跳ねられて。
という出だしにしたんだった……。
そんなこんなで目が覚めると目の前にはテンプレな自称神様が色々あってごめんね、好きな世界に送ってあげるから。
との事でさくっと転生して自分の書いた設定通りの力をもらって日々を楽しく過ごそうとしているところをまたもさくっと悪魔襲撃イベントで今度は何も抵抗しないでさくっと死亡。
これできっとPCの前に戻ってるのかな、と薄れ行く意識の中で思ってたらあれ?俺トラックにひかれたんじゃなかったっけ?
とか不安になったけど目が覚めたら最初と同じPCの前でした。
さっきトラックに跳ねられた所を見に行ったけど特に何もなし。
どうやら投稿した瞬間にすでに夢の中だったらしい。
これは素適過ぎる。
今度はもっとすげー設定にして夢の中に飛び込もう!
そりゃこんなことが起こるんなら続きは出ないよ。
やっべ、マジで理想郷だww