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[9525] 二律背反(マブラヴ)
Name: はろわ◆078316d9 ID:8b26ff2b
Date: 2009/06/14 00:43
概要

共通して白銀 武が何度もループした話。


「二律背反ー表」

普通の武くんがちょっと鬱な展開を迎える話。



「二律背反ー裏」

普通の武くんがちょっとエロな展開を迎える話。




[9525] 表 第1話「逃避」
Name: はろわ◆078316d9 ID:8b26ff2b
Date: 2009/06/14 00:41
・・・・・たけるちゃん・・・・・・


やめてくれ。


・・・・・たけるちゃん・・・・・・


もう、疲れたんだ。


・・・・・たけるちゃん・・・・・・


なあ、お前も疲れただろ?


・・・・・たけるちゃん・・・ねえ・・・たけるちゃんは私を愛してるよね・・・・・・


ああ、俺はお前を愛してるよ。だからさ、もう休ませてくれよ。


・・・・・だから・・・・・・




やめてくれ。





・・・・・今度も・・・私だけを愛してね・・・・・・






第一話 「逃避」








だんだんと意識がはっきりしてくる。

そして、ベットに横になっていることに気づく。

ゆっくりと目を開けるとそこには白い天井が目に入る。

窓に目を向けると壊れた巨人、撃震の姿がある。


「ああ、またか。」


口に出たのはそんな諦めにも近い言葉だった。

すでに状態は把握している。

なんてことはない。

今までと同じだ。白銀武はまた戻ってきたのだ。




この終わりのない地獄へ・・・。







気づいたら走り出していた。

そう、あのよく知る桜並木から逃げるように。

あそこへ、国連横浜基地に行けばきっとまた繰り返してしまう。

頭の中には幾度となく再開を繰り返した仲間の顔が浮かんでいく。


207Bの連中は今頃グラウンドを走っているのだろうか。

もしかしたら委員長と彩峰がけんかして冥夜が仲裁し、たまはおろおろしているのかもしれない。


まりもちゃんは相変わらずみんなをしごいているのだろうか。

相変わらず夕呼先生にからかわれて遊ばれているかもしれない。


A01の人たちはシミュレーターで訓練でもしているのだろうか。

宗像中尉がからかい、速瀬中尉が暴走して、伊隅大尉が声を上げているのかもしれない。



頭の中にはそれらの光景が次々と浮かんでいく。

そして、それを振り切るようにがむしゃらに走る。


「くそ、くそ、もういいだろ。俺だってがんばったんだ。俺にできることはすべてしたんだ。だから・・・」


それは誰に対しての言葉なのか。

自分に対して?基地にいるみんなに対して?


「もう自由にしてくれ!」


そして最後に浮かぶのは、大きな黄色いリボンをした彼女の姿だった。










「・・・い!・・・・夫夫・・・?・・・・・・・・・・ろ!」

「・・・・・しま・・・・・・・・・こち・・・・・・・・・」










白銀武の2度目の目覚めは最悪だった。

ベッドに寝かされているのはよかったが、手足がゴムチューブのようなものでベッドに縛り付けられている。


「病院か。」


部屋の中を見ると白いシーツに、白いカーテン。そして自分の腕には点滴のチューブ。

ただそれだけ、まったくといっていいほど飾り気のない部屋である。

視線を横に向けるとナースコールらしきものが目に入った。


「とはいえ手足は拘束されていて動かせない。とりあえず誰か来るのを待つしかないか。」


それにしてもいったい自分はどこにいるのだろうか?

ただひたすら横浜から逃げるように走っていたのは覚えているが、そこで気を失ってしまった。

おそらくそこを通りがかった人が保護してくれたのだろう。


「でも、どう考えても一般人じゃないだろうな。」


ため息をつき、自分の手足を見る。

少なくとも普通の人が保護した人を拘束しようとして手足を縛ることはないだろう。


「となると軍の関係者か。それが国連でないことを祈るかな。ん?」


ガチャ


扉が開く音がしたのでそちらを見ると、白いナース服を着た女の人だった。


「あ、気がつきました?」

「ええ。先ほど。」


特に警戒するそぶりは見せずにこちらに近づいてくる。


「どこか調子の悪いところとかありませんか?一応先生からはただの過労と言われているのですが。」

「ええ、特にありません。しいて言えばこれですね。」


彼女にわかるように拘束された手足を見せる。


「すみません。それは勝手に外さないようにと言われているんです。」


彼女は困ったような顔をしてこちらを伺う。

そもそも過労で倒れた人間を縛る時点でおかしな話だ。

おそらく彼女自身あまり詳しいことは説明されていないのだろう。

まあ、元からたいした期待はしていない。

そもそもそんなに簡単に外すようでは初めから拘束などしないだろう。


「そうですか。それでは仕方がないですね。そういえばここはどこなのですか?病院のように見えますが。」

「ええ、ここは日本帝国東京第二病院ですよ。」

「帝国ですか・・・」

「はい、そうですよ。」


正直安堵した。

帝国の病院ということは少なくとも国連関係者に見つかったということはないだろう。

後は今後をどう切り抜けるかだけど・・・


「とはいえ俺は本来死んでいる人間だからな。」

「はい?どうかしましたか?」

「あ、いえ。なんでもないです。」


つい独り言を言ってしまったが、実際どうしたものか。

少なくとも白銀武の戸籍の再登録をしてもらわないといけないのだが・・・

いや、そうすると夕呼先生に怪しまれるな。

あのシリンダーの中の脳が鑑純夏であることには気がついているのだから、その縁者も当然監視の対象に入ってるはずだ。

そんな中俺の戸籍が復活したとなると、当然怪しむにちがいない。

なら別人としてなら「あの、どうかしましたか?」

「あ、いえ。ちょっと考え事を。」

「考え事ですか?あ、そういえば意識が戻ったのなら連絡しないといけないんでした。今からあなたの発見者の方を呼んできますね。」


彼女はそう言い、病室を出て行った。


「発見者か。」


今までの情報を総合すると、ここは帝国の病院で、かつ発見者は拘束を指示するような人物。


「まあ、帝国の軍人か、もしくはその関係者だろうな。話のわかる人だといいんだけど。」






コンコン



「失礼する。」


先ほどの女性の看護士が出て行ってから数分の後、ノックの音とともに碧の髪をした女性が入ってきた。

その姿を見た瞬間、武は自分の運の無さを呪った。

しかし、よく考えればこれはある意味当たり前の結果なのだ。

横浜基地周辺には本来基地関係者しかいないのだ。

それにもかかわらず横浜基地に連れて行くのでもなく、帝国の病院に保護するとなれば必然的に人物は絞られてくる。

そう、彼女は・・・


「さて、貴様にはいろいろ尋ねたいことがある。黙秘権はあると思うなよ?訓練兵。」


彼女、月詠 真那はにやりと笑みを浮かべた。






あとがき

反省中。

つらつらと書いて、アップしてしまった。

とりあえず数話アップして、勢いに乗れば続けるかも。



[9525] 表 第2話 「尋問」
Name: はろわ◆078316d9 ID:8b26ff2b
Date: 2009/06/14 01:24
「さて、とりあえず貴様の名は?」


(名前・・・ね・・・)


正直に言うのはリスクが高いが、下手に記憶喪失なんてものを偽るほうが難しい。

そもそも記憶喪失を偽ったところでその後のつじつまあわせなんて白銀武にできるはずが無い。

いくらループを繰り返し、経験を積んだとはいえ、白銀武とはそもそもそのような器用さは持ち合わせていないのだ。


「どうした?まさか自分の名がわからぬというわけでもあるまい。」


「・・・白銀・・・武・・・・です。」


「ふむ、では貴様はなぜあのような場所で倒れていたのだ?服装からして貴様は横浜基地の訓令兵のようだが。」


なればこそ、白銀武は真実を言うしかないのだ。



「逃げてきたからです。」


「逃げた、か。それはおかしいな。私はあの基地のおおよそ訓練兵は知っているつもりだ。少なくともこのご時世、男の訓練兵であれば十二分に目に付くはずだ。」


それは当然でもある。

月詠 真那は御剣 冥夜を守護するため、横浜基地に出向しているのだ。

そんな彼女が冥夜と同期の訓練兵の情報を握っていないはずが無い。


「しかし、私は貴様を見たことは無い。つまり、貴様が訓練兵である可能性は限りなく少ないということだ。」


真那が武の方に鋭い視線を向ける。


「まあ、うそかどうかは横浜基地に連絡を入れればすぐに判明することだがな。」


それは白銀武にとって回避しなければいけないことである。

そしてそれは真那もわかっているだろう。

もちろん武の内心とは違うにしろ、少なくとも脱走、もしくはスパイ容疑を疑っているのだ。

だからこそ、黒に限りなく近い真実を言うしかないのだ。


「俺の名前は白銀武。おそらくそれを調べていただければ納得していただけると思います。」


「貴様の名前だと?」


「はい、おそらく俺は死んだ人間でしょうから。」


「何!?それはどういうことだ?」


「1999年、BETAが横浜まで進行してきたとき、俺はBETAに襲われました。その後俺自身もどうなったのかはわかりませんが、次に意識を取り戻したときはなぜか横浜基地にいました。そこで香月副指令に会い、俺がBETAの捕虜に成っていたと聞きました。」


そこで武は一旦口を閉ざし、真那を見る。

武自身このような話を信じてもらえるとは正直思っていなかった。

だが、真那は依然厳しい目つきのまま武を見ている。


「続けろ。」


「はい、そして俺は副指令直属の私兵となって研究に関わるようになりました。いわく、強い因果を持つものは最良の未来を引き付ける。そしてBATEに捕まりながらも生きながらえた俺はそのポテンシャルが非常に高いのだと。」


そう、おそらくこの世界において白銀武ほど強い因果を持つものはいないだろう。


「そして俺はその実験の中でさまざまなことをさせられました。その中でも適正が高かったのは衛士でした。そして俺と同じように副指令に目をつけられた者たちで部隊を作り、秘密裏の作戦を遂行するようになりました。」


「っ!?」


真那が驚愕したような顔をする。

武が話しているのはA-01のことだ。

おそらく真那もA-01のことの情報をある程度はつかんでいたのだろう。

それまではほら話に聞こえてきたものが、自分の知っている知識とつながる部分が出てきたことで、武の話に信憑性が出てきたと感じたのだ。


「その結果、多くの仲間が死にました。しかし、俺は幸か不幸か生き残り、副指令の理論の正当性を高めることになりました。そして・・・」

2度目のループで武は数度の戦場に出撃したが、奇跡的にも死ぬことはなかった。

その代わりに多くの仲間が死んでいった。

しかし、あれは戦術気の技術的なものより、確かに最良の未来を引き寄せることができる運があればこその結果ではないかと考えられる。


「どうした?」


武が急に口を噤んだので、真那が訝しげな顔をする。

そう、あれは本当に悪夢だった。

何せ本当に1度は逃げ出したのだ。


「俺の・・・幼馴染が・・・脳みそになってシリンダーに浮かんでいたんです。」


「なっ!?」


真那が驚愕したような顔をする。

それも当然であろう。


「副指令が言うにはその状態でも生きているそうです。そして、そんな状態でも生きていることができるのは俺と堂々に強い因果を持っている。このときに感じたんです。ああ、俺もいつかこうされるのかなって。」


武の話に真那も声が出ない。

そもそも人が脳となった状態で生きているとは思うまい。

確かにこれが本当だとすればそれは人のすることではありえない。

しかし、確かに香月 夕呼は本来A-01を戦術気の部隊としてではなく、00ユニットの素体として集めていたのは事実である。

ただ、00ユニットの理論が完成しなかったために実行しなかっただけで、おそらく理論が完成し、純夏による00ユニットが失敗すれば、即座にほかの隊員で00ユニットを起動させていただろう。


「それで、貴様は怖くなって逃げてきたのか?」





「・・・・・・」




沈黙







武は肯定も否定もしない。

しかし、真那にとってそれは肯定と捉えたにちがいない。


「ふむ、お前の言うことは理解した。まあ、完全に信用したわけではないがある程度の信憑性があるのも確かだ。ひとまず上層部との話し合ってみるのでそれまでは拘束させてもらう。」


帝国にとっても香月 夕呼の進めるオルタネイティブ4は重要なものである。

確かにオルタネイティブ4は日本主導で進められている計画ではあるが、だからといって帝国が完全に香月 夕の味方であるはずも無く、そうやすやすと重要なキーとなりそうな武をそう簡単に手放すことはできないはずだ。


だからこそ部屋を出て行こうとする彼女に念を押しておく必要がある。


「この情報はおそらく非常に限られた存在だけが知っているはずです。それはあなたが俺を基地で見かけなかったことからもわかると思います。ですので、下手に情報をばら撒けば・・・・・・消されますよ。」




扉のほうに歩いていた彼女はもう一度武を振り返る。


「それは私に対する警告か?」


「そう考えていただいてかまいません。俺としても横浜に情報が行くことは最悪のケースですので、できる限りこのことを知る人は少ないほうがいいですから。それに・・・」


もし、この情報が夕呼の元に届けば、武は夕呼の元に行くことになるだろう。

そしてこの情報を知ったものは最悪消される可能性があるのは確かだ。

それくらいオルタネイティブ4の基幹にかかわる情報でもある。

少なくとも真那が今後横浜に立ち入ることははできなくなるだろう。

それは真那にとっても望むものではあるまい。


「やっぱり自分の知り合いが死ぬのはもう見たくありませんから。」


その言葉を聴いた真那はおかしそうに苦笑をもらす。


「ふふ。おかしなやつだ。名前も知らないやつの心配をするとは。ずいぶん気の優しいやつなんだな、貴様は。」


「あ、いえ。俺は。」


(そういえばまだ月詠さんの名前を聞いていなかったな。ちょっとまずかったか。)


「まあ、いい。貴様の言葉は助言として受け取っておこう。それと・・・」


彼女は扉を開けると最後にちらりと振り返った。


「私の名は月詠 真那だ。それでは失礼する。」








「ふう、なんとかなったのかな?」






あとがき

感想をくれた方ありがとうございます。

また、感想で純夏以外に手を出したら記憶を失うのではないかと言われましたが、この二律背背反―表の武は2回目のループ意向も律儀に純夏だけを愛し続けたことになります。

よって純夏を愛した記憶(経験)は次回以降も残っているということで、お願いします。

まあ、そもそも執念と偏愛で武を召喚した純夏が簡単に武を帰してなるものかというわけで。

まあ、原作の戦術機というもの自体が理論的にけんか売ったような代物(自重やら強度やらで)なので、どこまで現実と照らし合わせるかは個人の判断によりますしね。

あと、裏はそもそも完全ご都合主義で行くつもりですので、その当たりのつじつまはかなりいい加減になりますのでご了承ください。




[9525] 裏 第1話 「逃げる」
Name: はろわ◆078316d9 ID:8b26ff2b
Date: 2009/06/14 00:44
・・・・・たけるちゃん・・・・・・


やめてくれ。


・・・・・たけるちゃん・・・・・・


もう、飽きたんだ。


・・・・・たけるちゃん?・・・・・・


なあ、お前も飽きただろ?


・・・・・・・ねえ・・・・・・・・・たけるちゃんは私を愛してるよね?・・・・・・


ああ、俺はお前を愛してるよ。でもさ、いくら愛してるからってこれは無いだろ?


・・・・・たけるちゃんの・・・・・・





ちがう、これはしょうがないんだ。

ほら、いくら好きなものでも毎日同じものを食べていれば飽きるだろ?





・・・・・・・・浮気もの~!・・・・・・・












「は!ここは?」


気がつくとそこは見慣れた部屋だった。

窓に目を向けると、壊れた撃震の顔がのぞいている。

この光景を見るのもいったい何度目になるのやら。


「ふう~、純夏のやつ。いくら自分が気に入らないからってまさか無理やりループさせるとかやりすぎだろ。」


そう、前回のループでは純夏をほったらかしにして横浜基地のきれいどころ制覇を目指し、日々翻弄していたのだ。

まあ、具体的に言うと207のみんなに始まって、A―01の先輩方、夕呼、まりもちゃん、ピアティフ中尉などなど。

「あとはうさみみこと霞を残すだけだったのに。やはり、霞のプロジェクションで純夏にばれたんだろうな~。さすがにあせりすぎたか。」

(でもな~。あの霞のいじめてオーラを前にはきっとどんな紳士な男であろうと冷静にはいられまい。)

そう、本来はもう少し霞が成長してから、ゆっくりと落としていくはずだったのだが、あの霞のいじめてオーラと、純夏(脳みそ)の前という罪悪感で無性にテンションが上がってしまったのだ。



うん、俺悪くない。

間が悪かっただけなんだ。

だから純夏よ、ゆるしてくれ。



「とはいえ、さすがに横浜基地にいるのも飽きてきたな。どうせどう足掻いてもループするんだしたまには違った行動でもするか。」


そう、白銀武は未だにこのループから逃れられていないのだ。

体感的に2回目のループでオリジナルハイブを攻略したときに、夕呼先生がこれでループから開放されるとか言ってたが、なんのこっちゃ、結局ループしてしまうという結果になってしまった。

まあ、その後のループで夕呼先生がいろいろと原因を語ってくれたが、長いので省略。


結論から言うと、


純夏の嫉妬と独占欲


だそうだ。


これがいわゆるヤンデレ?


まあ、脳みそになっても執念で別次元の俺を呼び出すぐらいなんだからいまさら何したって驚かないがな。

まあ、最初のうちは純夏に対する罪悪感や愛情やらで純夏だけを見ていたんだが、何回目かのループで悟っちゃったわけよ。

つまり、純夏が好き勝手するんなら俺も好き勝手していいんじゃね?

まあ、純夏を嫌いになったというわけではないのだが、いわゆる倦怠期ってやつ?

もうそれからは俺がんばっちゃったね。

207のみんなでの合同訓練、つまり6Pとか。A-01での特殊訓練、つまり特殊プレイなどなど。

正直今までの俺は何してたんだと言いたい。

こんな入れ食い状態の環境で何で何もしなかったのだと問い詰めたい。




とはいえ、さすがにかれこれ何度目かのループになると飽きてきたというわけだ。

となれば、することは決まった。


そう、俺は横浜の家を出ると、一目散に駆け出した。







横浜基地とは逆方向に。


「ははははは!今度の獲物は悠陽、お前に決めた。まってろよ~。」


















はい、みんなの救世主こと白銀武です。

ただいまわたくしは拘束プレイの真最中です。

しかも相手はかなりのどSで、なかなかに厳しい攻めをしてきます。


しかし、この程度で幾度のループを経験したこの白銀武を屈服させれると思うな。

この程度、夕呼先生の女王様プレイに比べたら屁でもねえぜ。


「おい!貴様!何をぶつぶつ言っている。さっさと名前を言わんか!」


「サーセン。」


ゴツン


いたいです。

いきなり殴られました。

この方かなり短気なようです。

きっと肌のはりが失われてきてぴりぴりしてるんでしょう。


「貴様、言いたいことはそれだけか?」


「あれ?口に出してました?」


「もういい、死ね。」


ビュン


うわ、ちょっ、この人いきなり切りかかってきましたよ。

しかも目が血走ってます。


「ぎゃー、殺されるー。誰か~!へるぷみ~!」


ビュン

スカ


「よけるな!おとなしく切られんか!」


「よけるに決まってんだろ!頭いかれてるんじゃね~」


「き、きさま~!」


ガチャ


「ま、真那様!?落ち着いてください!?どうしたんですか?」


ふ~、どうやら部下の子が取り押さえてくれたようで何とか助かったようだ。

まあ、きっといろいろとあるんだろう。

もしかしたら最近男に逃げられたのかもしれん。

たしかにあの性格ではな~


「きぃ~、きさま、ころす。えぇ~い。離せ、離さんか、巽!?」

「ちょ!落ち着いてください。そこの人も真那様を挑発しないで~」


あれ?口に出てた?








あとがき

ほんとなに書いてるんだろ?俺。

今後も表と裏を同時最新していく予定です。



[9525] 裏 第2話 「言葉攻め」
Name: はろわ◆078316d9 ID:8b26ff2b
Date: 2009/06/14 01:18
「で、なぜわたくしめはベッドに縛り付けられているのでしょうか?」


「わからんのか?」


真那はこめかみをぴくぴくさせながら武をにらむ。


わからんのかって言われてもねえ?

だって現在の状況って、白銀武はベッドの四隅に手足を縛られ、月詠 真那がそれを前に舌なめずりをしている。


「ふむ。」


「ようやく自分の身の程を理解したか。」


「つまりまなちゃんは俺とお医者さんごっこをしたかったということか。なんだ、そんなことなら最初から言ってくれればよかったのに。あ、でも俺はどちらかというと患者側より医者側のほうが好みだっ「ドゴッ!?」げふっ。」


こいつ、人が抵抗できないことをいいことに。

いつかひーひー言わせちゃる。


「ふふふ、どうやら貴様はまだ自分の立場を理解していないようだな。いいだろう。貴様が理解するまでその体に教え込んでやろう。」


やべ、ちょっとおちょくりすぎたか。

あいかわらず沸点低いな~この人、って、ん?


「ってお前何持ってんだよ!んなもんで切られたら体で覚える前に死ぬわ!?」


「なに。ここの医師の腕はいいからな。腕の1本や2本切ったところで死にはせん。」


真那は笑みを浮かべながらゆっくりと鞘から刀を抜き出す。






よ、よし。


まずお互い落ち着こう、な!


おれまなちゃんの言うこときく。


まなちゃんおれきらない。


おーけー?






あ、あれ?そんなにプルプルしてどうしたの?


「だ・・・・・・・・・・」


だ?


ガチャ

ん?誰か入ってきたのか?

「失礼し「だれがまなちゃんだー!?」え、ちょっと。何してるんですか~!」









うむ、なんとか看護婦さんの乱入のおかげで命は助かったようだ。

俺の前ではまなちゃんがうなだれて説教されるという世にも珍しい光景がある。

きっとこの手にカメラがあればこの瞬間を後世のためにも激写しただろう。


残念だ。


なにより俺に背を向けてまなちゃんを説教している看護婦さんの尻がすばらしい。


ぜひとも後世のためにも記録しておきたいのだが、やはり俺の手にはカメラが無い。

非常に残念だ。



「いくら斯衛の方とはいえ、ここは病院なんですよ。あのような大騒ぎは困ります。ましてやいくら犯罪者とはいえ無抵抗の患者さんに切りかかるなんてもう少し常識を考えてください。」


ところでそこな看護婦さんよ。

いきなり犯罪者扱いってあんたもたいがいだぞ。

そのいい尻がなかったらヤルNOTEにその名を刻むところだったぞ。


名前は知らんが。



お、どうやら説教が終わったようだ。

看護婦さんがこちらを向く。

それにしてもまなちゃんのうな垂れる姿はチャーミングだ。

いつものすました顔とのギャップがたまらん。


「大丈夫ですか? 私が来たからにはどんなにひどい犯罪者であろうと患者さんに対する暴力は許しませんので安心してくださいね?」


ピクピク

「ははは、それは安心ですね。さっきからそこにいるに常識を疑うような真っ赤な服「うぐっ」を来ている人に困っていたんですよ。あと俺は犯罪者じゃありません。」


「あれ?そうだったんですか?あはは、すみません。そういえばお名前聞いていませんでしたよね?」


「はい。俺の名前は白銀武と言います。ぜひ武くんと呼んでください。」


「武くんで「ちょっとまて!貴様なに勝手にしゃべっておるのだ。」


おお、まなちゃん復活か?


「え~、人に何かを訊ねられたらきちんと答えるのが当たり前でしょう、まなちゃん?」


「どのつら下げてそんなこと言うのだ。私が聞いたときは何も答えんかっただろうが。それにさっきからそのまなちゃんというのは何だ!」


「だって俺まなちゃんの名前知らないし。さっきいた女の子が真那様って呼んでたからまなちゃんでいいかと。」


「私は帝国斯衛軍中尉、月詠 真那だ。まなちゃんなどではない!」


「わかりました。月詠 真那ちゃんですね。」


「き、きさま~」

ダッ

お、突っ込んできた。

「ちょっと落ち着いてください。」

ガシ

ナイス、看護婦さん。

そのままその暴走娘抑えといてね。


あれ?娘って年でもないか?


「きぃ~、離せ!切る!あいつは絶対切る!」


「ひ~ん、武くんも挑発しないで~」


あれ、なんかデジャブが?













「ふ~、とりあえずいろいろ質問するが貴様に黙秘権があると思うな?」


すました顔でまなちゃんが言う。

とはいえ先ほどまでの暴走っぷりを見ている俺たちとしてはね~?

俺と看護婦さんはやさしげな視線を送る。


「うぅ、何だ貴様ら。その人を馬鹿にするような目は。いいか?きちんと質問に答えろよ?次いい加減なこといったら本当に切るからな。」


「はいはい、ところでまなちゃ「チャキ」月詠中尉。俺としては質問に素直に答えるのもかまわないのですがその前にトイレに行きたいのですが?」


いや、おれ捕まってから一度もトイレ行ってないんですよ。

しかも手足が縛られてて、勝手に行けないし。


「・・・・・貴様。そこまでして私をコケにしたいか。」


やばい。まなちゃんが下を向きながらぷるぷると震えている。

これは危険信号だ。

とりあえずアイコンタクトを。

看護婦さん。へるぷみ~。

お。頷いてくれた。


「真那さん。大丈夫ですよ。ほらここにこんなものがありますから。」

そう言い、彼女が取り出したものは、尿瓶




「な、な、何を。」

おい、まてこら。

お前はなにさらに挑発してるんだ。

まなちゃんがさらにぷるぷるしてるじゃね~か。



ん?って待てよ。これはチャンスか。


「あ?もしかして尿瓶使ったことありませんか。じゃあ、私がしますね。これもナースのお仕事ですし。」


何?それはまずい!


「待つんだ!」


「え?どうかしましたか?あ、もしかして恥ずかしいんですか?大丈夫ですよ。ナースにとってはこれもお仕事のひとつですから。」


・・・・・何か勘違いをしている彼女はとりあえずほおっておこう。


「月詠中尉。いいんですか?」


「な、何をだ?」


ふむ、さっきからの急展開でかなりテンパッているな。

これはちょうどいい。


「何って俺のような怪しい人物を彼女のような一般人に接触させて。軍人としてそれは配慮が足りないんではないですか?」


「ふつ~それてって怪しまれる立場の人が言うセリフじゃありませんよね。」


外野が何か言っているが放置放置。

こんな機会めったに無いんだ。ぜひともものにせねば。


「そ、それは・・・」


おお、かなりうろたえている。


「ここは月詠中尉の手で行うべきではないのですか?」


「わ、私がか?」


む、もう一押しか


「ええ、それともなんですか?月詠中尉は男のアレを見るのが恥ずかしいと?それでも軍人ですか?斯衛の名があきれますね。」


「な!?いいだろう。そこまで言うならやってやろうじゃないか。貸せ!」


キター


まなちゃんは尿瓶を手に持ち、俺のベッドの側に立つ。




側に立つ。




側に立つ。



「っていつまで尿瓶抱えてるんですか!! 早くしてくださいよ!」


「うぅ、待て、心の準備が。」


・・・この人ほんとに軍人なのか?


「もお、しょうがないですね。ほら、さっさとすましちゃいましょう。」


ズル


「な?」「お?」


おお、股間がスースーするぜ。


というかこの娘もたいがい図太いというか天然というか。

普通いきなり人の股間をフルチンにするか?

確かにナースがいちいち男の股間見てキャーキャー言ってたら仕事にならないだろうが。



まあ、俺も人に見られた程度でいちいち動じんがな。


で、こっちの人は・・・


「・・・・・・」


お~お~顔真っ赤にして。

にしてもこの人訓練兵のころどうしてたんだろ?

あ!帝国の訓練兵の強化装備姿はあのスケスケなやつじゃないのか?


「さ、真那さん。どうぞ。」


「う、わ、分かった。い、いくぞ?」


にしてもこんな美女2人に凝視されるとついいけない気持ちになりそうだぜ。



ぴと


「おおう」


「へ、変な声を出すな!」


いや~、だってね~

そんな緊張したような表情されたらついついからかっちまうぜ。



くい

かぽ


「ほら、さっさとしろ。」


へいへい、まあ、実際そろそろ限界だったしな。ここは素直にしておくか。



ジョロジョロ




うう~む、シュールだ。


両手両足を縛られ、下半身まっぱの男。

それを囲む二人の女。

そして挙句の果てに男の放尿シーン。




こ、これはいかん。

まったくサービスシーンが無いではないか。むしろマイナスだ。

これでは俺がよくても読者が許してくれん。

どうすれば?



「あ、終わりましたね?」


「やっとか。これで「あ、ダメですよ。」な、何がだ?」

「ほら、ちゃんと最後まで出してあげないと。まだおしっこが尿道に残ってるのでそれを出してあげないと。」


な、なに!?


「普通ならおちんちんをもって軽く振ればいいんですけど、今は尿瓶なので、おちんちんをこう上下に擦って出すように。」


すばらしいです。最高です。看護婦さん。

やっぱりあなたは天使です。


「こ、こうか?」


にぎにぎ


う、これは


「いえ、もっとこう根元から出してくるように。」


「なるほど。こうか?」


コスコス


おおう、これはたまらん。


ムク


「な!?」「あら~」


いや、これは不可抗力だ。

なんせまなちゃんのような美人に手コキされてみろ。

健全な男なら誰だって起つだろ。


あ、まなちゃんがまたぷるぷる震えている。

これはいかん。フォローしなくては。


「うむ、実に見事な手コ「キャー!!」パリーン


ドタドタ、パタン




「あの、大丈夫ですか?」


ポタ、ポタ


「ええ、ただ、できれば風呂に入りたいのですが?」


ポタ、ポタ


水も滴るいい男というが、尿を滴らせてはいくら男前な俺でも格好がつけられん。

あの女、いつかやったる。










あとがき

え?アウト?

サーセン。


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