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あきれた債権者破産申立
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2010.04.03 Saturday 12:10
昨日、面白いプレスリリースを目にしました。
過払金返還請求を手がけているアディーレ法律事務所(代表弁護士・石丸幸人氏)が、昨年12月、過払金返還請求に応じないSFコーポレーション(旧三和ファイナンス)に対する債権者破産申立を東京地裁に行っていたのですが、3月29日、申立が棄却されたそうです。
敢えて全文引用する必要もないので、下記URLをご覧ください(そのうち削除されちゃうかもしれませんけど)。
http://prw.kyodonews.jp/open/release.do?r=201004018448
実は私は、SFコーポレーションに対する債権者破産申立弁護団の一員。
といっても、アディーレとはまったく別。
現日弁連会長の宇都宮健児先生を団長とする弁護団です。
こちらは一昨年から活動しており、既に2回債権者破産申立を行っています。
アディーレの債権者破産申立は、いわば三番煎じですね。
それも、相当お粗末なコピーだった可能性が高いと思います。
詳しくは後述します。
当方の弁護団は、判決をとっても「支払えない」「もう会社はつぶれる」などとうそぶいて過払金を返還してこようとしないSFコーポレーションに業を煮やした心ある全国の弁護士によって結成されたものです。
誤解されがちですが、決して過払金返還請求目当てで結成されたわけではありません。
SFコーポレーションが本当に資産が枯渇して支払えないならそれはそれで仕方がない、しかし、それならそれできちんと破産管財人を選任し、適正手続にのっとって破産手続を進めるべき、という目標のもとに結成されたのです。
ここで少し、債権者破産申立についてご説明します。
破産法に定める破産手続とは、負債を負っている債務者自身が申し立てることもできるのですが(=自己破産)、もともとは債権者が申し立てることが想定されていました。
今では自己破産の方が一般的になり、債権者破産申立の方が稀ですね。
債権者破産申立を行っている団体としては、整理回収機構(RCC)などが多い印象です。
当方は、SFコーポレーションに対して過払金返還請求権を保有している債権者が多数集合し、SFコーポレーションに対する債権者として、SFコーポレーションの破産を申し立てたわけです。
で、当方の債権者破産申立によっても、結論として破産手続開始決定は下されていません。
しかし、破産を是が非でも避けたいSFコーポレーションから、判決を取った債権(有名義債権)については、任意の過払金元金及び利息の返還を受けております。
そのため、結論として、依頼者は十分な満足を得ております。
それがゆえに、当方の破産申立によっても、開始決定が出なかったのです。
「SFコーポレーションには、十分な支払い余力がある=債務超過状態ではない」「SFコーポレーションは、有名義債権についてはきちんと支払っている=支払停止状態ではない」ということです。
それならそれで、こちらは何の問題もないわけです。
むしろ、十分な意味がありました。
で、アディーレの申立〜棄却の過程では、おそらくSFコーポレーションから1円も支払われていないのでしょうね。
プレスリリースに全くそのことが触れられていませんから。
もし1円でも支払われたのなら、その旨プレスリリースで公表しないはずがないと思います。
もし1円も回収できず、かつ申立を棄却されたなら、弁護士として面目丸つぶれでしょうね。
東京地裁はおろか、SFコーポレーションにまで軽〜く蹴りとばされた、という感じですね。
まあ、大きくぶちあげた割には、だいぶショボい打ち上げ花火だった、という感じでしょうか。
アディーレの依頼者の皆さんにとっては、何の意味もないどころかかえって有害だったということではないでしょうかね。
かわいそうに。
我々のときの対応から考えると、SFコーポレーションは、判決を取った有名儀債権ならきちんと払ってきたはずです。
それが1円もないとしたら、アディーレの申立債権者621名の債権額4億2,762万590円は、結局判決を取ったものが一つもない、無名儀債権ばっかりだったということなのでしょうか。
もしそうなら、アディーレの仕事は、正直言ってズサンすぎですね。
過払金の返還を求めるなら、まず過払金返還請求訴訟を起こすべきです。
それすらもせずに、たまたま我々が債権者破産申立を通じて巨額の回収を得たからと言って、その手法を安易にコピーしたのだとしたら、手抜き・怠慢もいいところです。
アディーレ法律事務所の仕事の質については、上記プレスリリースにおける以下の珍妙な記載からも明らかでしょう。
(1)タイトル「アディーレ法律事務所の株式会社SFコーポレーション(旧三和ファイナンス株式会社)への破産申立は棄却へ 〜申立の訴えは今後も継続〜」について
「申立の訴えは今後も継続」って、一体どういう意味でしょうか。
破産申立はあくまでも「申立」であって「訴え(=訴訟のこと?)」ではありません。
それに、我々実務家は、そもそもあまり「訴え」という言葉(口語)を使うことはありませんね。
(2)「当事務所が請求していた過払い金債権者621名、債権額4億2,762万590円に対して、同社が15億円程度しか預金債権を有していないことが明らかとなりました。」について
これ、何が書いてあるのか、意味分かりますか?
15億円程度預金債権がある=十分払える力がある(でもアディーレには1円も払ってもらえなかった)、ということですよね。
「15億円程度しか預金債権を有していない」に至っては、日本語レベル&算数の引き算レベルで破綻していますよね。
あまり言いたくないけど。
サラ金案件しかやらないという仕事スタイルにしろ、お前仮にも弁護士ちゃうんかい!
これ以上恥を垂れ流してくれるな!
仮にも同じ弁護士として大迷惑だ!
と言いたいですね。
(3)「これまでの当事務所によるSFコーポレーション(旧三和ファイナンス株式会社)に対する破算申立の概要」について
× 破算
〇 破産
そろばんじゃねーっつの。
本当にあきれますね。
ついでに言うと、HPにある石丸弁護士の肩書に「東京弁護士会所属 元東京弁護士会会長候補」とある意味も分かりません。
「元東京弁護士会会長候補」って??
つまり立候補したけど人気がなくて落ちた、というだけのことでは??
むしろ恥ずかしいことでは?
そんなのHPで大々的に肩書きにする神経が知れません。
ところで、あまりの力のなさ(様々な意味で)&根性のなさを自覚し、また数々のありえない失敗をやらかして勝手にいたたまれなくなり、全ての責任を放り出し、自ら退職を申し出て、うちの事務所を正味9か月くらいで出ていった元イソ弁くん。
昨年10月には、「あまりにも僕には力がなさ過ぎて、法律判断をすることが怖くなってしまったんです」「弁護士を続けるかどうかも含めて、自分の今後を考え直したいと思います」なんて言ってたんですが。
何とこのほどアディーレに登録換えしたことが、先日判明したんですよね。
あんなレベルではどこの事務所も拾ってくれないだろうな、債務整理専門事務所くらいしか行き場はないだろうな(=力がなくてもある程度はやれるから)、でもそんなところに行って使い倒されてポイされるくらいならいっそ弁護士ではなく普通のサラリーマンとして生きていった方がよいだろうな(彼は性格だけはよいので)、と思っていたのですが。
アディーレかー
債務整理事務所くらいしか拾ってくれないだろという私の予言どおりですが、なんともいたたまれませんね。
一体弁護士としてどのようにやっていくつもりなのでしょうか。
つくづく不憫&あほなやつ。
きっとお父さん、草葉の陰で泣いてるぞ。
ちなみに弁護士法人の一員になると、弁護士法人の負債について無限連帯責任を負わされちゃったりするんだぞ〜
その辺はよくわかってるのか〜??
ことと次第によっては、お父さんが残してくれた世田谷の家を手放す羽目になるかも知れんぞ〜
どんなにできなくても、一度採用した責任がある以上、ついてくる限りは頑張って指導してあげようと思っていたんですが。
勝手に心が折れられてはもうどうしようもないですよね。
「200人規模の伝統あるテニスサークルの代表を務めていましたから、根性にも縦横の人間関係にも自信あります」と豪語したのは一体どこへやら。
K大の坊ちゃんの根性なんてたかがしれてるというわけで。
最低限、せめて悪いことにだけは手を染めないでほしいと思います(誘惑が多い職業ですから)。
また、今度採用するイソ弁は、せめて普通のことを普通にこなしてくれることを期待します。
ではまた。 - ←back 1/1 pages next→