鞍手軽便鉄道跡を辿る…その２
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“その１”からの続き。
ここからは先ほどまでとは違う、広い道路が延びていました。 鞍手軽便鉄道は、香月を出ると、途中に１つだけ駅があったそうです。 駅名は“真名子（まなこ）”（昭和３年当時）ですが、 駅跡はどの辺りなのかハッキリとは特定できません。 もしかしたら・・・ですが、手持ちの略図からすると、 道幅が不必要に広くなっているこの辺りではないかと・・・（地図�Α� 付近には同名の炭鉱もあったようなので、その積出駅にもなっていたのかもしれません。 その先に進むと、ここにも炭鉱住宅の名残りがありました。 付近にはこのタイプのアパートが無数に残っており、現在は北九州市営のアパートになっています。 その先で、県道との交差点を越えます。 交差点を越えると、工場の敷地内・・・でしょうか？ 敷地境界はハッキリしなかったのですが、未舗装の道に変わり、 その先で金剛川と言う小さな川を渡ります。 その金剛川に、橋台ぐらいは残っているのではないか？と期待したのですが・・・ 残念ながら、護岸工事が為され、鉄道の痕跡は全くありませんでした。 金剛川を過ぎると、ここで漸く線路跡らしい部分に出会えました。 ここを少し行くと、再び水路を渡ります。 コンクリート製の橋桁は後年載せられたものかもしれませんが、 しかし、その真下には、写真では分かり辛いですが、石積みの橋台が残っています。 それにしても・・・ここの水は物凄い赤茶色をしています。 鉄分が多く含まれている水でもなさそうだし・・・赤土の色なのでしょうか？ この線路跡が再び道路と合流する部分から振り返ります。 田圃の真ん中の畦道のようですが、不自然に広いことと、 田圃の区画を無視して突っ切っているのが分かります。 その線路跡が斜めに合流するのが上の写真の道路。 この先に終点・野面（のぶ）駅があったと思われます。 ここでもまた確証はありませんが、野面駅は下の写真の辺りにあったのではないでしょうか。 この先にも道は伸びていますが、道路幅は狭くなり、 その両側に迫る家並みは古いものが多く、如何にも昔からある“道”になります。 とても鉄道が通っていたとは思えません。 それ故、ここが終点・野面駅だと思うのですが・・・ 先述の通り、詳しい資料が無かったため、推測でしかありません。 因みに、この辺りにも木屋瀬（こやのせ）炭鉱など、幾つかの炭鉱があったようです。 かつて駅があったと思われる付近には、 残念ながら既に営業はしていないようですが、駅前らしい商店も残っていました。 その近くには、煉瓦積の遺構が畑の中に一つだけありました。（地図�А� 鉄道関連のものか、炭鉱関連のものか、用途は全く分かりませんが、 いずれにせよ、炭鉱時代のものなのでしょう。 ここで鞍手軽便鉄道探訪は終わりますが、今では殆どその遺構が無くなっていると思っていただけに、 今回、実際にここを辿ってみて、意外と多くの痕跡を見つけることができ、有意義な探索となりました。 |
香月駅跡から更に軽便鉄道が続いていたとは全く知りませんでした。
意外と多くの痕跡が残っているようですが、これも意識して探さないとなかなか見つけられるものではないですよね。
筑豊にはまだまだこのような遺構が隠されているような気がします。
2009/4/5(日) 午後 11:15
はなゴンさん、私も香月線の先に更に軽便があるとは、思ってもみませんでした。
キッカケは“その１”の冒頭に載せた煉瓦の橋台を見つけたことからで、
コレを調べて行ったら、“鞍手軽便鉄道”の名前が出てきました。
筑豊は、炭鉱のあったところには必ずと言ってよいほど、鉄道が存在していたはずなので、
公にされていないものがまだまだ沢山あるのかもしれませんね。
2009/4/5(日) 午後 11:35
かなり古い鉄道跡なのに、結構しっかり残っていますね!!
細い道だったり、民家の中を通ったりで、新たに整備した所が少ないからですかね??
かどや食堂やタバコ屋さん、昔の駅前の雰囲気ですね。
すごい・・・よく見つけられましたね!!!
地図と写真を見ると、三○ハイテックとか八幡のジャンクションの辺りですよね。
こんな軽便があったなんて、今の様子からは信じられないです。
2009/4/6(月) 午前 9:38 [ yui*zt*t ]
ゆいゆいさん、55年も前に廃止されたから、宅地に変わっていたり、
耕地整理で田畑の中の軌道跡も消えていたり、ということが多くても不思議ではないんですが、
ここは道路や筑豊電鉄に転用されつつも結構面影が残っていて嬉しかったです！
食堂やたばこ屋さん、いくら炭鉱で賑わっていたからと言っても、
やはり駅前は独特の雰囲気を残していますね。
終点の場所は仰る通りで、以前はアヤシイお宿を見に訪れたことがあるんですが、
まさかその近くにも鉄道があったなんて驚きでした！
2009/4/6(月) 午後 6:22
いつもながら読み応えのある記事、お疲れ様でした。
これなら再敷設も楽そうですね！（違
2009/4/6(月) 午後 7:27
南フナさん、ありがとうございます。
再敷設と言えば、やはり草軽を…（殴）
2009/4/6(月) 午後 11:24
水が凄い色ですね。
まるで有馬温泉のようです。
コレが温泉だったらな〜（笑）
2009/4/8(水) 午後 8:26
おびとけさん、ほんとこの色、ナンなんでしょうネ。
こうして放置されているから、有毒なものではないと思うけど…
実際にみると写真以上にキョーレツです。（>_<）
有馬温泉の源泉、こんな色をしているんですか〜！？（＠o＠;）
2009/4/8(水) 午後 9:39
始めまして、木屋瀬在住の地元民です。
僕の通ってた木屋瀬小学校に掲示されていた地図には、はっきりとこの鉄道が記されていました。
ルートはほぼご推察の通りで間違いないと思いますが、地元の古老に訪ねたところ、真名子駅は、上記地図上の5番あたりだったと言っていた記憶があります。そして駅の名前は、真名子ではなく、木屋瀬駅だったと思います。
僕が聞いたのも20年位前の話なので、木屋瀬駅とは別に、あつdesuさんの調査どおり、真名子駅も実在したのかも知れません。
僕もハッキリした事は判りませんが、野面駅は写真のお好み焼き屋さんの近辺で間違いないはずです。 子供の頃はこの辺りを駅前と呼んでいましたので。
川の赤水は廃坑から出た鉄分が混じっている水の色らしいです。
2009/5/6(水) 午後 11:19 [ viv*_la*ve*as21 ]
viv*_la*ve*as21さん、はじめまして。貴重なご意見、ありがとうございました。
真名子駅の件は私も木屋瀬駅とどちらが正しいのか迷ったのですが、
他のサイトで見た昭和３年の地図には真名子駅と記されていたので、
とりあえずこちらの名前を取りました。
…が、やはり木屋瀬駅でしたか。そして現在の楠橋駅の近くなんですね。
この鉄道、距離の割には中間駅が１つだけというのも不自然なので、
もしかしたら、時代が違うかもしれませんが、
真名子・木屋瀬、両方の駅があったのかもしれませんね。
それから、川の水はやはり鉄分の赤色でしたか。
ということは…この川の上流にはまだ廃口が残っているのでしょうか？
その辺りも興味深くなってきました。
2009/5/7(木) 午前 1:24
60代前半の木屋瀬の住人です。この付近を記憶しています。写真；下から7番目に“線路跡が斜めに合流するのが上の写真の道路・・・”とありますが、この道路を横切って右側を道路に沿って線路が走っていました。当時、右側の民家やタバコ屋はなく、道路と民家の奥にある川の間は線路が何本か敷かれていました。線路はこの先、川を左にして最後の写真付近まで線路が何重と敷かれ、蒸気機関車と石炭積載車がたくさんありました。市営住宅あるところは全て線路と貯炭場でした。この一体が野面駅でした。ここは石炭出荷駅で？野面駅と言う駅舎は記憶にありませんが、何故か子供だった我々は、走っている汽車を見ると“野面の汽車は嫁さん乗せてシュポ、シュポ・・・”と歌っていました。線路の奥は貯炭場でした。赤レンガの建物の痕跡も洗炭場？の後だったと思います。斜陽の頃、大人たちがこの建物の鉄筋を取り出し、金にしていました。大きな二階建ての家はこの当たりの炭鉱主の家出した。父に聞いた話ですが、大正、昭和初期には遊郭もあったそうです。
2010/2/14(日) 午後 5:56 [ tks*r95* ]
tks*r95*さん、はじめまして。
大変参考になるおはなしをありがとうございました。
tks*r95*さんのお話を元にもう一度この辺りを訪れてみると、
また違った路線のカタチ、駅構内の様子が見えてくるかもしれませんね。
近いうちに、野面駅、再訪したくなりました。
2010/2/14(日) 午後 6:40