鞍手軽便鉄道跡を辿る…その１
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２年以上前、まだまだ廃墟や廃線探索初心者だった頃に、
北九州市八幡西区にある大辻（おおつじ）炭鉱跡と、 そこから国鉄（現ＪＲ九州）の中間（なかま）駅を結ぶ香月（かつき）線跡を このブログで取り上げたことがあります。
その香月線の終点・香月駅から更に約３．８ｋｍ南下した野面（のぶ）駅までを結んでいた、
“鞍手（くらて）軽便鉄道”と言う路線がありました。 軽便鉄道と言っても、ナローではなく国鉄（ＪＲ）と同じ１，０６７ｍｍの軌間（線路幅）を採用しています。 これは香月駅で国鉄・香月線と接続するため、 貨車等の乗り入れが容易にできる様、統一されたものと思われます。 この鉄道は１９１５（大正４年）に開業し、石炭などの貨物と共に旅客輸送も行っていましたが、 その後、帝国炭業、九州鉱業、筑豊鉱業鉄道、筑豊鉄道と運営会社は次々と代わり、 １９５４（昭和２９）年に廃止されています。 もう５５年も前に廃止された路線なので、果たしてどれだけ痕跡が残っているか分かりませんが、 先ずは香月駅跡から線路跡を辿ってみます。 香月駅跡はすっかり道路として整備され、その隣にあった大辻炭鉱（下の写真の奥にある高台）は、 ２年前には雑草の中に炭鉱施設が点々と残っていましたが、 今ではすっかり撤去され、それどころか、土盛り・整地されて、きれいな宅地と化していました。 香月駅を出ると、暫くは香月線と併走し、その先で線路跡は南西の方角へ向かったようです。 その後、線路跡は道路に転用されて続いていました。 上の写真の部分からは現在の道路から外れ、民家の敷地へ入っていきます。 ここからは細い水路沿いに進みますが、今ではすっかり宅地になって線路跡の面影はありません。 ・・・が、下の写真で黄色い丸を付けた部分、民家の間にある、 更に小さな水路には往時を偲ばせる煉瓦積みの橋台と橋桁が残っていました。（地図� � ここを過ぎると黒川と言う小川を渡るのですが、その片方の岸だけに橋台が残っています。（地図�◆� 橋台の西面は煉瓦が露出しているのみでしたが、東面には、石積みの翼壁が僅かに残されていました。 対岸に渡ると、線路跡は再び道路に姿を変えて筑豊電鉄の線路に向けて続いています。 先述の通り、鞍手軽便鉄道が廃止されたのは１９５４（昭和２９）年。 筑豊電鉄が部分開通したのは１９５６（昭和３１）年で、この辺りまで延伸されたのは１９５９（昭和３４）年。 筑豊電鉄の軌道は上の写真の辺りから、その先の楠橋駅付近まで、 鞍手軽便鉄道の軌道跡を転用したものと言われおり、暫くは筑豊電鉄の軌道をそのまま辿ります。（地図��） この先、楠橋駅近くで鞍手軽便鉄道の軌道跡は、筑豊電鉄の軌道を逸れ、 現在は宅地となっている部分に入っていきます。（地図�ぁ� 軌道跡には、現在は民家や幼稚園などが建っており、その痕跡を見ることはできませんが、 唯一、下の写真の黄色い丸の部分に、水路を渡る煉瓦積みの橋台が残されていました。（地図�ァ� ここから先、暫くは軌道跡が全く分からなくなってしまうのですが、 再び現れるのがこの道辺りではないかと・・・しかし確証は無く、 もしかしたら、どこかで下の写真にある水路を斜めに渡り、対岸に移っていたのかもしれません。 程なく、新幹線の高架とその下の変電所に突き当たり、線路跡は一旦途切れます。 しかし、その先に続く道路が見えるので、迂回してそちら側へ。
“その２”へ続く。
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大辻炭鉱跡と香月駅跡の記事、覚えてます!!
最近香月駅のところを通ってませんが、炭鉱跡の所、
かなり整備されてしまったのですね・・・。
しかも、このような軽便があったとは！
黒川という小川、わかります。
あんな小さい川や、民家の間の水路にしっかりとレンガの橋台が残ってるとは驚きです。
だって55年前ですよね?!
水路の水、かなり赤いですね。 ではその２に行きます!!
2009/4/6(月) 午前 9:27 [ yui*zt*t ]
ゆいゆいさん、ありがとうございます！
あの頃は今より更に拙い記事で、お恥ずかしい限りなんですが…（^_^;）
香月駅前の炭鉱跡、そうなんですよぉ！
今ではもう跡形もなくすっかり宅地になってしまい、既に住宅何棟かが建築中でした。
ところで、黒川なんて小さな川、ご存知だったとはビックリ！！
ここの片側に残る煉瓦積みの橋台が今回の探索のキッカケでした。
まさか、香月駅の先に坑内トロッコではなく、まだちゃんとした鉄道があったとは…
それにしても、水路のこの赤茶色、いったいナンなんでしょうねぇ…（？_？）
2009/4/6(月) 午後 6:15
軌間って国鉄と同じだったんですね！
軽便鉄道ってナローゲージばっかりだと思っていました。
炭鉱地帯だから高度成長期に廃止になった路線かと思いきや、昭和２９年と早かったんですね！
2009/4/7(火) 午後 5:30
おびとけさん、きっと石炭の貨車（セキ？）を香月線と共用できるように、
軌間を統一したんでしょうね。
他の筑豊の路線よりひと足早く姿を消したのは、「多分」ですが、
この先の炭田が枯渇したからなんだと思います。
2009/4/7(火) 午後 8:56