トヨタ自動車は6日、大規模リコール(無料の回収・修理)に関連して米運輸省がトヨタに科すと発表した制裁金1637万5000ドル(約15億4000万円)について、具体的な対応の検討に入った。同省はアクセルペダルの不具合について「何カ月にもわたり危険な欠陥を隠していた」と指摘しており、米国での集団訴訟への影響などを含め、トヨタは難しい判断を迫られている。
同省が制裁金の根拠としたのは、トヨタが1月21日に米国で発表した「カローラ」「カムリ」など8車種、計230万台のアクセルペダルのリコール。
トヨタは約4カ月前の昨年9月29日に、欧州31カ国とカナダの販売店にアクセルの修理手続きを通知していたと結論づけ、欠陥を確認してから5日以内に当局に報告する法的義務を怠ったと指摘した。
これに対し、トヨタは「当社に対して制裁金を求める書簡を受け取っており、対応について検討している」とコメント。支払いに応じれば、同省が指摘する「欠陥隠し」を同時に認める形になるため、米国のトヨタ車の所有者や株主がトヨタを相手取って起こしている集団訴訟への影響が懸念される。
同省の判断を受け入れず、異議申し立てをすることも可能だが、この場合、沈静化している米国でのトヨタ批判が再燃する可能性がある。トヨタの3月の米国新車販売は、5年間0%金利ローンなど販売促進策が功を奏して前年同月比約40%増と盛り返しており、トヨタ側には問題の早期決着で販売への影響を最小限にとどめたいとの本音もある。
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