現場から

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記者20年 /神奈川

 新聞記者になって丸20年になる。最初の2年間はつらい思い出しかない▼「こんな表現が新聞にあるか」と支局長に怒鳴られながら何度も書き直す毎日。「この先やっていけるのか」と自信のかけらもない。「リクルート事件のような記事を書きたい」という高い志とは、懸け離れた自分の能力。それでも記者を続けられたのは、何だったのだろう。持ち前のねばり強さ? 捨てきれない理想? 周囲の支え? どれも近くて遠い▼最初の2年を乗り越えた後、オウム真理教事件や事故の被害者の悲しみ、地道に生きる人々の営み、ごうまんな論理を唱える組織やトップに対する批判などを、舌足らずながら伝えてきた。横須賀で勤務したこの2年間は、日米安保の一端をかじった▼どんな取材でも人間の生の感情に接してきた。それを感じ、伝えることが喜びとなって記者を続けられたのだと思う。4月から本社「教育と新聞」推進本部に異動する。【吉田勝】

毎日新聞 2010年3月27日 地方版

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