小脳の腫瘍(しゅよう)の摘出手術を受けた後、嚥下(えんげ)障害(食べる機能の障害)などの後遺症が残ったのは、新潟市民病院が初期の段階で精密検査をせず腫瘍の発見が遅れたことと、新潟大学医歯学総合病院の手術ミスが原因だとして、新潟市中央区の40代男性が、両病院をそれぞれ運営する同市と同大を相手に、約1億3400万円の損害賠償を求める訴訟を新潟地裁に起こしたことが6日、分かった。
訴状によると、男性は03年8月までに、頭痛や肩こりなどを訴え、新潟市民病院で受診したが、原因不明と診断された。06年4月、耳鳴りのため同病院で再受診し、検査を受けたところ、小脳に腫瘍があると診断された。
同年9月、新潟大学医歯学総合病院で腫瘍の摘出手術を受けたが、手術中に小脳から出血があり、手術後も、嚥下障害や耳鳴りなどの後遺症が残り、09年5月、勤めていた会社を退職したという。
新潟大学医歯学総合病院は「訴状を見て事実関係を調べているところなのでコメントできない」と話した。【塚本恒】
毎日新聞 2010年4月7日 地方版