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名張毒ぶどう酒事件:審理差し戻し 奥西さん支援の会・赤瀬川さんに聞く /三重

 ◇一刻も早く再審開始を--名張・奥西さん支援の会・赤瀬川さんに聞く

 90年ごろに「名張市奥西勝さんを支援する会」を設立し、県内外で署名集めや街頭運動をしている、同会の代表幹事、赤瀬川勝彦さん(63)=名張市緑が丘中=に話を聞いた。

  ×   ×

 審理の差し戻しは最高裁が責任逃れをしているだけだ。下級審の過ちを正すのが最高裁の役目のはず。弁護士が出すことにしている反論書も待たず、差し戻し決定を出したことは腹立たしい。一刻も早く再審開始決定をすべきだ。

 今の司法の問題は、検察が都合の良い証拠しか出さないこと。今回もぶどう酒の瓶のふたや、犯行に使われた毒物などとして採用された証拠は科学的におかしい。誰かを犯人にして、冤罪(えんざい)にして、一件落着にしている。力を持たない庶民を守るためには、全証拠の開示が必要で、裁判所は証拠開示命令を出すべきだ。

 また、奥西さんのように人間は簡単に自白してしまうもの。足利事件で自白した菅家利和さんもそうだった。取り調べ過程の全面可視化をしなければ、冤罪はなくならない。

 差し戻し審は時間がかかる。奥西さんは84歳で頑張っている。残された人生は長くない。晴れて無実の身となってほしい。無罪を勝ち取るまで、活動はやめられない。【宮地佳那子】

〔伊賀版〕

毎日新聞 2010年4月7日 地方版

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