島根大学(松江市西川津町)は5日、法人化後の第2期中期目標中期計画(2010~15年度)を発表した。「教育の質保証を踏まえた学生満足度の向上」と「地域貢献」に重点を置き、学生の進学や就職支援を行うキャリアセンターと学部学科の連携強化や、フィールド学習などの体験型学習の充実、地域医療充実に向けた若手医師の県内定着など、計75計画に絞り込んだ。第1期(214計画)の約3分の1となる。【岡崎英遠】
中期目標(6年間)は、04年度の国立大学法人化にあたり、各大学の特性に合わせて設定された。それを実施するため、各大学が自主的に作成するのが中期計画と呼ばれる。
この日の会見で、山本広基学長は第1期を振り返り、「(法人化で)機動性が高まり、運営方法について裁量を任されるようになった点は良かった。地域型研究に重点配分したり学生支援の施策を手厚くするということが可能になった」と評価。その一方、この6年間で国からの運営交付金が計約3億円減ったことに触れ、「基礎的な研究があってこそ初めて大学機関といえる。そういった研究を今後いかに確保するかが課題」と述べた。
医師不足が深刻化している時期だけに、地域枠推薦入試学生を中心に低学年次から地域医療実習を行うなど、地域医療に熱意を持つ人材を毎年10人程度育成し、若手医師の県内定着に取り組む。また地元企業や自治体の知的・人的資源の受け入れを充実させ、地域産業を担う人材を育成する。
毎日新聞 2010年4月6日 地方版