投手コーチ職域侵す恐れ　原監督マウンド乱発なら倒壊も　

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ベンチから飛び出し、直接カツを入れる原監督。その効果は…

　下馬評に違わず９試合消化時点で６勝３敗で首位タイ（５日現在）の巨人。今季は原辰徳監督（５１）が直接マウンドに足を運んで投手を激励するシーンが激増している。監督直々のゲキは重みがあるが、乱発すると思わぬ勇み足となるおそれがありそうで…。

　原監督は３月２８日ヤクルト戦の９回、７点ビハインドの状況でもボールが先行する金刃の投球に業を煮やし、「点差が開いているんだから思い切って腕を振れ」とカツ。昨年まで巨人の投手総合コーチを務めた尾花監督率いる横浜と因縁の初対戦となった同３０日には、１点リードの５回２死二塁の場面で藤井に敬遠を直接指示した。今月４日広島戦の４回、逆転した直後に先発・東野が先頭打者に対しスリーボールとすると、鬼の形相でマウンドに駆けつけた。

　「原監督は昨年までの４年間、投手陣についてはキャリア豊富で１つ年上でもある尾花コーチに任せていたが、その尾花コーチが横浜監督として転出した。今年からは自分で、との思いが強いようです」（球団関係者）とみる向きがある。

　その尾花コーチの横浜監督就任情報が駆けめぐり周辺が騒がしくなっていた昨年の日本シリーズ第３戦。原監督が珍しく自らマウンドの山口のもとに駆け寄って激励したのは印象的だった。

　ただし巨人ＯＢの夕刊フジ評論家、須藤豊氏は「よほど必要な場面ならともかく、何度もやるのは投手コーチの職域を侵しかねない。４５歳と若く、２軍から昇格したばかりの斎藤雅樹投手コーチに対して『行ってこい』と背中を押すところがあっていい。今季の巨人はリリーフ陣に不安があり、投手リレーの成否が鍵を握りそう。それだけに斎藤コーチに勇気、自信、責任を持たせてほしい」と苦言を呈す。

　そのうえで須藤氏は「ミスター（長嶋茂雄終身名誉監督）の監督時代は不思議だった。東京ドームを含め、他の球場ではめったにマウンドへは行かないのに、甲子園でだけは独特の雰囲気がそうさせるのか、頻繁に行っていた」と振り返る。６日からはその甲子園で対阪神３連戦。原監督は果たしてどうする！？（宮脇広久）