哨戒艦沈没:引き揚げのカギは「作業時間」(上)

1日当たり3時間なら7日、1時間なら20日

 「少なくとも20時間の作業時間を確保せよ」

 5日午後、哨戒艦「天安」の船尾が沈んでいる西海(黄海)のペンニョン島南西部の海域では、韓国海軍の代わりに民間業者のダイバーが船体や海底の状態を把握する作業に当たった。捜索が打ち切りとなり、引き揚げ作業に変更されてから二日目のことだ。天候も好転し、作業は順調に進んだため、現場周辺では、「この早さで行けば、予想より早く引き揚げが終わるのでは」という期待の声も上がった。

 しかし、民間のサルベージ専門家らは、「何日かかるかということよりも、1日に何時間作業するかの方が決定的に重要だ。もし、船体・海底の状態などが最適な作業状況にある場合、20時間ほどあれば可能だが、その作業時間を確保するのがカギ」と語った。1日当たり3時間なら7日、1時間なら20日以上かかるというわけだ。

船体の下に穴を掘り、鎖をつなぐ

 船体の引き揚げは、(1)水中探索(2)船体の下の海底を掘削し、鎖を連結(3)水上への引き揚げと排水(4)船体をはしけに移した後、行方不明者を捜索(5)平沢港へ移動-の順で行われる。このうち、純粋な引き揚げ作業に該当するのは第1段階から第4段階までだ。

 最初の段階に当たる「水中探索」には、1時間から3時間程度を要する。二人一組で構成される民間ダイバーは、船から空気を供給できる送気式の潜水装備を装着し、水中カメラを持ち込み、沈んだ船体と海底地形を把握する。船の下の海底に穴を掘り、鎖をつなぐといった引き揚げ作業の特性上、この段階で船と海底の状態を把握し、穴をどこに掘るかを把握する。

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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