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美浜の陸自水際障害中隊 第4施設団駅伝で初優勝
2010年3月17日
写真:「やったぜ!」悲願の顕彰板(前列右)を獲得した第三〇四水際障害中隊
近畿、中部、中国の3地方2府15県を管轄する陸上自衛隊第4施設団の戦技競技会がこのほど京都府の長池演習場で開かれ、持続走駅伝の部で美浜町の第三〇四水際障害中隊が優勝した。武装した選手6人のたすきリレーは強豪大久保駐屯地とアンカー勝負となり、ゴール手前で振り切っての見事な逆転勝利。昭和37年の和歌山駐屯地創隊から48年目で初の快挙、栄光の顕彰板を手にした。
駅伝の武装走は一般の長距離走とは違い、選手全員が現場出動時の迷彩服で、頭にはヘルメット、靴は「半長靴(はんちょうか)」と呼ばれる自衛隊員用の重い革製の長靴。一般の人は歩くだけでも疲れる格好だが、選手6人は1周2・7㌔、高低差50㍍の土のコースを1周ずつ走り、今大会は19個部隊から25チームが出場した。
1区は昨年10月に配属されたばかりの深津隆久1等陸士(19)で、トップに約1分遅れて9位でリレー。メンバーでただ1人地元(日高川町)出身の2区の寒川龍一陸士長(22)が上位をキープしたまま3区につなぐと、高校時代は駅伝選手だった松窪義郎3等陸曹(27)が出場150人中トップ(9分36秒)の快走をみせ、順位は一気に2位に上昇した。監督兼の4区東智也3等陸曹(29)、5区の古川和男陸曹長(44)も粘ってたすきは3位でアンカー松實勝也1等陸尉(43)に渡り、松實選手は木許光範中隊長兼駐屯地司令ら約50人の大声援を受けて力走。約40秒のトップとの差をみるみる縮め、中盤からは優勝候補の地元大久保駐屯地381施設中隊と一騎打ちのデッドヒートとなり、松實選手がわずか2㍍ほどの差でゴールテープを切った。
本年度最後の施設団対抗競技、昨年4月の年度当初には木許中隊長が訓示で初の優勝を目標に掲げ、補欠の石本智之陸士長(27)も含むチーム7人は3カ月前から本格的に練習を開始。連日、松林内や日高町志賀地内までのロードワークをこなし、最後の1カ月は3㌔、2㌔、1㌔の全力疾走を毎日朝と昼の2回ずつ行った。
表彰式では優勝チームだけが手にする自衛隊のトロフィー、顕彰板が贈られ、東監督は「高校時代のサッカーで強敵を倒して以来」の男泣き。「他のチームも速い選手をそろえてくる注目の大会で、これまで手の届かなかった看板(顕彰板)をとれた。みんなが自覚を持って厳しい練習に耐えた結果です」と大喜びで、木許中隊長も「アンカーの松實が3位でたすきを受けたとき、2位にはなれると思いましたが、まさか優勝できるとは。みんな『和歌山魂』を持って本当によく頑張ってくれました」と選手をたたえている。
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