トヨタ自動車の大量リコール(回収・無償修理)問題で、米運輸当局がトヨタに1637万5000ドル(約15億4000万円)の制裁金を科す方針を打ち出した。トヨタが欠陥を把握しながら、米当局への報告が遅れたことを理由として挙げる。トヨタは一連の品質問題に対して改善姿勢を示すが、法令順守にかかわる情報隠しの疑いについては一貫して否定しており、異議申し立てを含めた今後の対応が注目される。
トヨタは6日、米運輸省の高速道路交通安全局(NHTSA)から制裁金を科す方針を示した文書を受け取ったことを認め、「対応を検討している」とコメントした。NHTSAは、アクセルペダルが戻りにくくなるとしてトヨタが1月に発表したリコールに関し、欠陥を知りながら報告を約4カ月怠っていたと指摘する。
トヨタは今後、異議を申し立てるか、制裁金の支払いに同意するか対応を求められる。制裁金の金額自体は大きくないが、米当局への対応いかんでは業績への影響が広がる可能性がある。米国では一連のリコール問題を受け、地方の検察当局の提訴や、集団訴訟などを多数抱えるためだ。
一方で強硬な反論に出て事態が泥沼化すれば、回復途上にある販売やブランドイメージを悪化させる可能性もある。トヨタへの制裁金については、米運輸当局が米国内での自らへの批判を避けるため厳しい姿勢を示したとの声もある。トヨタにとっては、当局はじめ関係者との調整をにらみながら難しい判断を迫られる。
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