「日本は第2の鎖国状態にある」三木谷浩史・楽天会長兼社長インタビュー
(前編)

2010年03月17日(水) 田原 総一朗
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三木谷 そうです、携帯。

田原 日本のドコモのiモードは一番品質がよかった、ところがこれ日本でしか売れない。

三木谷 そういうのがガラパゴス。これまではガラパゴスでよかったんだけど、でも外貨が稼げない。サムソンはグローバルをマーケットにしてる。うちも含めて日本の企業というのは、適度にサイズのある日本のマーケットだけを対象にしていけばある程度食えたわけです。

田原 今ね、「パラダイス鎖国」という言葉がある。日本は1億人のマーケットだからそこそこいけるよね。日本だけでやってても、そこそこ商売できるんですよね。だからみんな外行かないで内向きになっちゃう。

三木谷 そういう感じですよね。

田原 韓国なんかはマーケットが狭いからどんどん外に行かなきゃいけない。

学校にパソコンが1台という教育現場

三木谷 うちは世界に打って出ています。今、日本のGDPは世界のGDPの、だいたい10%。

田原 10%切っちゃった。

三木谷 切りました。これが2050年くらいになると、2%か3%になる。

田原 1990年代の終りくらいには15%あったんですよね。それが10%切っちゃって、2、3%になるだろうと。国の競争力の差は、教育の差だとも言われます。

三木谷 そういえば、文科省って、eラーニングを全面的には認めてないんですよ。ネット上のeラーニング。インドなんてほとんどeラーニングですよ。

田原 具体的にどうするんですか?

三木谷 ネット上に資料や教科書がいろいろ出てきて答えたり、あるいは先生が教えてくれたりビデオで教えてくれたり。

田原 河合塾がちょっとやってますよね?

三木谷 それはあくまでも民間の塾の取り組みです。文科省としては、紙ベースの通信教育は認めるけれど、小中高のeラーニングは基本的に認めてないというのが現状です。

田原 紙離れができてないんだ。

三木谷 だって、職員室行くとパソコンが1台なんて、学校があるんですよ。

田原 教師が全員持ってるんじゃないの?

三木谷 全員で1台。

田原 なんでそんなに遅れてるの?

三木谷 理解不能です。

以降 三木谷浩史・楽天会長兼社長インタビュー 後編へ(近日公開)。

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