「日本は第2の鎖国状態にある」三木谷浩史・楽天会長兼社長インタビュー
(前編)

2010年03月17日(水) 田原 総一朗
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三木谷 「楽天市場」と「楽天トラベル」の流通総額の合算でいうと、もう1兆2千億円くらい行ってるんです。

田原 すごいなあ。今楽天は世界では何位ですか?

三木谷 数え方によるんですけど、時価総額で言うと9番目です。

田原 日本では一番でしょう?

三木谷 いえいえ、ヤフー・ジャパンです。

田原 ヤフーと楽天はどこが違うんですか?

三木谷 楽天はeコマースを中核にしてトラベルや金融ビジネスなどを加えて、ユーザーに対してワンストップでサービスを提供するという楽天経済圏というのが基本スタンスです。ヤフーというのはどちらかというとメディア的な色彩が強いんです。メディアを中心にしている。総合商業施設とテレビ局の差かな、と思うんですけど。

田原 そうか、楽天はテレビ局のようなサービスはないわけですね。

三木谷 一応あるんですけど、割合が低いんです。弱いと言ってもいいですね、正直言って。

田原 国際戦略は当然持ってらっしゃる?

三木谷 はい。

田原 どういうふうに?

三木谷 当社の基幹事業であるEC事業では、すでに台湾、タイにおいてサービスを開始しています。アメリカでは、ネットの広告会社を傘下におさめています。今年中にEC事業で累計10カ国に進出する計画です。

田原 なんで中国は入ってないんですか?

三木谷 もちろん入っています。すでに今年の1月に百度という中国最大のサーチエンジンの会社との合弁設立を発表しました。中国では百度はグーグルより全然上なんです。

田原 提携ですか?

三木谷 ジョイントベンチャーです。51%が楽天で49%が百度。

田原 51%が楽天? それを中国で。

三木谷 そうです。うちの場合は、お客さんが来る店舗がある。たくさんお客さんが来て、売れるから店が集まる、店が集まるからお客さんが来て売れる。そのサイクルにどうやって入るかが課題なわけですよ。今回は、相手側は検索NO.1の会社だから、巨大なトラフィックを持ってる、巨大なメディアを持ってる会社ですから、そこからお客さんが来てくれる。

田原 なるほど。

新聞社、テレビ局とどう組むのか?

田原 中国はいつからスタートですか?

三木谷 今年後半を予定しています。

田原 まずどういうものを持って行くんですか?

三木谷 「楽天市場」を中国で開始します。

田原 日本で売ってる商品をみんな持ってく?

三木谷 いえいえ、商品をそのままのっけるかどうかは・・・。基本的には中国の出店店舗が中国の消費者に売る。中国国内の需要を開拓するのです。当然日本からの商品も売りますが、現地のお店、ユーザーがメインです。

田原 とにかくアジアでは日本だけが低成長でみんな高度成長ですからね。ベトナムなんかもおもしろいですよね、将来インドでしょうね。もちろん考えてらっしゃるんですよね?

三木谷 はい、考えてます。

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