田原総一朗のニッポン大改革

「日本は第2の鎖国状態にある」

三木谷浩史・楽天会長兼社長インタビュー
(前編)

2010年03月17日(水) 田原 総一朗
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田原 いま大変な不況なんですが、楽天は去年の売上利益は前年に比べてどうでしたか?

木谷 おおむね20%増です。

田原 20%増!? 利益も? 売り上げも?

三木谷 はい。

田原 すごいじゃないですか。

三木谷 もっといけたんですけどね。ネットサービス事業分野だと、売上で30%増、営業利益で40%増です。

田原 ほとんどの会社は減益ですよね? その中でそんなに増益というのは、どこが違うんでしょうね? ネットビジネスと普通のビジネスは。

三木谷 ひとつは、やっぱりお客さんに対して天動説か地動説かという話でいえば、今までのビジネスというのは天動説です。

田原 そうか、客が来いっていうわけね。

三木谷 今までのビジネスは、要するに自分の施設がある、それをどうするか、持っているものをどうするかということだと思うんです。
  けれども、インターネットビジネスというのは、巨大なサーバーこそ持ってますが、いろいろ転用の利くものですし、世の中の流れ、技術の流れ、消費の流れというものを見ながら、サービスをものすごく細かくアジャストしていってるんですよね。
  われわれのインターネットショピングモール「楽天市場」では、新しい機能が毎日のように次々にリリースされていくわけですよね。そのスピード感と顧客のニーズに対する適応力というのが、そもそも違うんですよね、構造的に。リアルビジネスとネットビジネスというのは。

田原 なるほど。お客さんのニーズにどんどん応えられる、変われるわけだ。

三木谷 そうです。そこが一番違う。

ヤフーと楽天の違い

田原 よくね、三木谷さんはグループ流通総額が1兆円になったら辞めるとおっしゃってた。

三木谷 そうですね。

田原 今どれくらい?

三木谷 グループで、カードなど全部入れるとおよそ2兆円です(笑)。

田原 とっくに超えちゃったわけだ。

三木谷 今年は「楽天市場」だけで1兆円行くか行かないかです。

田原 ついに1兆円超えちゃった。

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