菅原文太　河村名古屋市長の援軍じゃけん

記者会見で握手する菅原文太さん（左）と名古屋市の河村たかし市長 Photo By 共同

　俳優の菅原文太（７６）が５日、名古屋市の河村たかし市長（６１）を支援する団体の連合体「ネットワーク河村市長」の応援団長に就任した。市議の定数半減案などで議会と対立している河村市長が、ラジオ番組で共演するなどした菅原に依頼した。ネットワークは住民直接請求による市議会解散に向けた署名集めの準備を進めており、強力な援軍を得た市長サイドと議会の“仁義なき戦い”は、さらに過熱しそうだ。

　名古屋市役所内での記者会見。白いシャツに黒いジャケット姿で登場した菅原は「（河村市長は）珍しく反骨精神がある」と評価。市議会が３月に市議の定数半減などを盛り込んだ条例案を否決したことについては「テレビで見て腹が立った。人ごとでない。選挙のときは市民目線と言うのに何なんだ」と批判した。

　同席した河村市長は「本当にありがたい」と満面の笑み。４年前に福岡での選挙応援で知り合い、今年２月にラジオで共演した縁もあり、数日前に自ら電話で口説いたという。共演したのは２月２１、２８の両日に放送されたニッポン放送の「菅原文太　日本人の底力」。菅原は山梨県在住で名古屋とは縁がないが、関係者によると、議会改革を訴える河村市長の姿をテレビで見て共感し出演を依頼。話が盛り上がり、異例の２週連続出演になったという。

　河村市長は１９日に臨時市議会を招集し、市民税減税を１年に限定した条例を恒久化する改正案を提出すると表明。議会改革関連では定数半減を見送り、議員報酬を半減する条例案に絞る考えを示した。

　河村市長を支援するネットワークは住民直接請求による市議会の解散を目指して活動中。名古屋市の場合、解散請求には約３６万５０００人（有権者の５分の１）の署名が必要で、署名集めを担う「受任者」５０００人を募集している。現時点で応じているのは１２００人程度で、事務所関係者は「政治的にしがらみのない菅原さんの支援を運動のイメージアップにつなげたい」と話した。

　３月２７日に得意の自転車で街頭宣伝活動をし受任者を募った河村市長。菅原は２人での自転車街宣について「中学生のころは自転車で６キロを通学していた。そんなことはわけない」と市長支援にこぎ出す意欲を見せた。

[ 2010年04月06日 ]