「『核の役割を低減する』という表現を盛り込むべきだ」「フランスはそういう考え方に立っていない」――。岡田克也外相は2日の記者会見で、先月末にカナダであった主要国(G8)外相会談で、核軍縮・不拡散問題についてクシュネル仏外相と激論を戦わせたと明らかにした。
岡田氏が「核なき世界を目指す」考えを共同声明に盛り込むべきだと主張。これに対し、フランスは通常兵器による攻撃に対する核使用を排除しておらず、クシュネル氏が「核の役割低減との考え方と相いれない。国の大きな政策で絶対に譲れない」と反論、真っ向から対立した。
岡田氏は「議長声明でもいいから残してほしい」と粘り、議論は全体で約1時間に及んだという。だが、最後は「これ以上やると、新しい日本の外相は変人じゃないかと思われてもいけない」と考え、岡田氏が矛を収めたという。(高橋純子)