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自民「やむなし」が大勢 与党「国会の自殺行為」 '10/4/2

 自民党の若林正俊元農相が身代わり投票問題の責任を取って議員辞職したことについて自民党内では2日、「辞職は当然」(大島理森幹事長)など、やむを得ないとの受け止めが大勢を占めた。

 一方、公明党の井上義久幹事長は記者会見で「辞任に値する」とした上で「国民の期待に応えるよう党再建に取り組んでもらいたい」と述べた。

 大島氏は自民党本部で記者団に「誠に残念だが、政治の信頼が問われている時にこのような処置をしたのは当然だ。辞職という最も重い決断をした。本人も責任を果たし区切りはついた」と“幕引き”を宣言。谷川秀善参院幹事長は「閣僚を務めた人が小学生のような『代返』をしてどうするのか。情けない。議員の資格はない」と切り捨てた。

 武部勤元幹事長は、党本部で開かれた両院議員懇談会で「人のボタンを押すことは許されない」と強調。ただ柴山昌彦衆院議員は「いけないことだが、参院選で大変な同僚に配慮し、押してしまったのだろう。やむを得ない部分がある」と擁護した。

 ◇ ◇

 自民党の若林正俊元農相が2日、身代わり投票問題で参院議員を辞職したことに関し政府、与党からは「当然だ。民主主義を破壊する国会の自殺行為になりかねない」(照屋寛徳社民党国対委員長)などと批判の声が相次いだ。

 民主党の山岡賢次国対委員長は党の会合で「国会史上聞いたことがないし、歴史的にも大きな汚点になる」と指摘。自民党に対し「二大政党の一翼を担い、国会の権威と品位を高めてほしい」と要望した。

 菅直人副総理兼財務相は記者会見で「うかつというレベルでは言えない重大なことだ。議院内閣制の原理が根本から覆る」と強調。中井洽拉致問題担当相も「信じられない事件だ。大事な1票だから、これは許されない」と批判した。

 福島瑞穂消費者行政担当相は、若林氏が代わりに投票ボタンを押した青木幹雄前参院議員会長との関係を疑問視。「なぜそんなことをしたのか、若林氏と青木氏は説明すべきだ」と、説明責任があるとの認識を示した。




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