きょうのコラム「時鐘」 2010年4月6日

 近く旗揚げする与謝野馨・平沼赳夫氏の新党への期待度が、世論調査では27・1%にとどまった。期待しない人が65・9%もいる

政策通と言われる2人が柱になり、園田博之前幹事長代理や藤井孝男元運輸相の参加が予想されている。いわゆる著名議員が多いが、期待度の低さはそこにあるのではないか。何を今さらこのメンバーで、と思う有権者の心理が見て取れる

この議員たちの先祖は歴史に何人も登場する。与謝野さんは明治の歌人で国政選挙にも出馬、惜しくも落選した与謝野鉄幹の孫であるし、平沼さんの養父は戦前の首相・平沼騏一郎であり、実の祖父は金沢出身の内務官僚である

安倍、福田、麻生、鳩山と続いた2世3世議員の首相が直系とすれば、与謝野・平沼両氏の連携は、多少複雑な世襲議員の集まりに見える。確かに立派な政治家の家系だが、新党にまで世襲の臭いがぷんぷんする日本の政界とは何だろう

無論、世襲議員のすべてが悪いのではない。が、期待する以前に「昔の名前で出ている」ような議員が改革の旗を掲げる現実に、国民はしらけてしまうのではなかろうか。