【イスラマバード=四倉幹木】アフガニスタン北部で行方不明になっているフリージャーナリストの常岡浩介(つねおか・こうすけ)さん(40)について、常岡さんに同行していたアフガン人ガイドが「(常岡さんが)複数の男に銃を突きつけられて連れ去られた」と知人に話していたことが5日、わかった。常岡さんが武装勢力に誘拐された可能性がさらに強まった。日本政府は救出策の検討を始めた模様だ。
ガイドの知人によると、常岡さんとガイドは一緒に北部のクンドゥズ州を訪問。ガイドは、地元の人と立ち話をしていた時に、約50メートルほど離れたところにいた常岡さんが男たちに銃を突きつけられて連れ去られようとしているのを目撃したという。
ガイドはその場からいったん走って逃げ、常岡さんらを見失ったという。知人は、事件が起きた場所や男たちの身元について詳しくは聞いていないという。
常岡さんは反政府武装勢力タリバーンのインタビューのために同州に入った翌日の先月31日以降、連絡がとれなくなった。
常岡さんの消息については、同州のタリバーン司令官の一人が朝日新聞に「同州チャルダラ地区の別の司令官が日本人を拘束した」と語るなど複数の情報がある。同州と南隣のバグラン州の警察本部は、常岡さんがいずれかの州に拘束されている可能性があるとみて捜索を始めた。
一方でタリバーン指導部の報道担当ムジャヒド氏は5日、改めて「日本人ジャーナリストについても誘拐犯についても情報はない。我々は誘拐していない」と述べた。