哨戒艦沈没:行方不明者家族側、捜索打ち切りを提案
4日、キム・テソク上士(37)の実兄キム・テウォン氏(45)は、涙をこらえていた。キム氏は、悲しみを隠そうとするかのように早口で言葉を継いだ。
キム氏は、天安の行方不明者捜索活動の現場を直接訪れたため、探索・救助活動の困難さを誰よりもよく知っている。捜索活動現場にいたキム氏とほかの家族代表は、「捜索は放棄して引揚作業をしよう」と意見を集約し、家族全体に伝えるという難しい作業を行った。行方不明のキム上士は、末の弟だ。キム氏は、「わたしの弟もまだ生きているはずだ。すぐに飛び込んで助け出したいが、何もできない」とうなだれた。
キム氏は、海軍将校出身だ。キム氏は1988年から4年間海軍将校として服務し、チャムスリ級高速艇(250トン級)の副艇長を務めた。海軍の事情に明るいことから、事故の後2度に渡り行方不明者家族代表団に加わり、捜索活動の現場を直接確認した。キム氏は「船体内部への進入が難しく、行方不明者の捜索も足踏み状態に陥っていた。水温が上がれば遺体が腐敗する懸念もあり、潜水する救助隊員も疲れていた」と語った。
キム氏は「作業の現場を見守るため、3日午前に独島艦を訪れた家族代表が、海軍から救助作業の困難と引揚作業に関する話を初めて聞いた」と語った。「海水の水位が最も低くなり、引揚が成功する可能性が大きい“小潮”がすぐに来るが、この時期を逃すと状況はさらに難しくなる」という海軍の説明に、ほかの代表も「引揚を急がなければならない」と意見を一致させたという。家族代表団は、こうした状況を平沢にいる家族全体に説明したのだった。
キム氏は、「弟たちはみな、わたしを見て海軍に志願し、男女6人中の3兄弟はいずれも海軍に行った。だが、今回天安の事故を処理する海軍を見ていると、わたしの子供たちは絶対に海軍に送りたくないと思うようになった」と語った。キム氏は、6日に再度事故現場に行く予定だ。
平沢=キム・ガンハン記者
グラフィック=梁仁星(ヤン・インソン)記者
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