【社説】軍は基本情報を正確かつ誠実に説明せよ
韓国国防部は4日、哨戒艦「天安」の沈没事件に対する記者説明で、事故当日の午後9時19分に同艦と第2艦隊司令部の間で正常な交信があった事実を明らかにした。少なくともその時間以前には「天安」が緊急事態にはなく、事故は起きていなかったことを意味する。
軍の発表は「天安」の事故発生時間をめぐるさまざまな疑問点が指摘され、インターネットなどでうわさレベルの流言飛語が無責任な形で広がっていることを受けたものだ。事故発生時間に関しては、海洋警察が先月28日、「海軍艦艇沈没に関する捜索救助状況」と題する報道資料で、26日午後9時15分とする情報を明らかにしていた。海軍が公式に認めた午後9時22分より7分早いものだった。海軍は説明が食い違った理由について、「(海洋警察が)状況を伝達する過程にミスがあったためだ」と説明していた。
ある放送局は3日、軍の当初の状況報告でも事故発生時間が午後9時15分と記録されていたことを示す関連日誌を報道した。軍は「そのような文書を作成したことはない」と説明していたが、論争が収まらないため、今回更新記録の一部を証拠として公表した。
軍当局が事故発生時間に関するさまざまな疑問を生じさせたのは事実だ。軍は当初、「天安」の沈没時間を午後9時45分と発表したが、その後、午後9時半、午後9時25分と数回にわたって説明を変え、最終的に午後9時22分と確定発表した。その上、軍が「天安」から救助された生存者による外部との接触を規制し続けているため、軍が何かを隠しているのではないかという説が広まった。
事故当日の軍の初動対応に関連しても、納得が行かない部分がある。「天安」の沈没を受け、瑞山海美空軍基地からKF-16戦闘機が西海(黄海)上空に緊急発進したのは午後10時40分。国防部が明らかにした事故発生時間(午後9時22分)から1時間18分も経過してから戦闘機が飛び立ったことになる。1200トン級の哨戒艦が真っ二つに割れた状況で、合同参謀本部が迅速な判断と有機的な連携を図ったかどうか疑わしい。対スパイ作戦でも5分以内での出動が常識だからだ。
「天安」の事件の正確な事故原因を究明するためには、まず基本的な資料から正確性が求められる。軍の機密資料を全て公開しろと言っているのではない。国民が軍の発表に首をかしげる状況をつくりだしてはならない。行方不明者家族の代表、民間の専門家から機密保持の誓約を取り付けた上で、関連情報を確認してもらうのも一つの方法だ。疑問が浮上してから、後手で説明すると言い訳に陥りやすい。
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