哨戒艦沈没:漁船救助をめぐる問題点(上)

海上警察が初歩的なミス

 沈没した哨戒艦「天安」の残骸や遺留品の捜索に参加していた底引き網漁船「98クムヤン号」(99.48トン)が、今月2日に大青島南西55キロの海上で沈没したが、この事件は海上警察のミスと、遭難を知らせる漁船からの自動無線装置の問題が重なったために起こったことが分かった。

海上警察とクムヤン水産、双方のミスで救助が遅れる

 98クムヤン号が沈没したのは2日夜8時30分ごろ。船が沈没すると、非常用位置指示無線標識装置(EPIRB)が海底4-5メートル地点で水圧を感知して作動し、人工衛星に遭難位置を伝える信号を自動送信した。海上警察は、ここから送られた信号を受信し、直ちに98クムヤン号を所有するクムヤン水産に船の電話番号を問い合せた。ところが、事務所の担当者は誤って98クムヤン号ではなく、97クムヤン号船長の携帯電話番号を伝えた。海上警察は8時31分にこの番号に電話をかけたが、97クムヤン号の船長は「異常なし」と答えた。海上警察は、98クムヤン号の安全が確認できたと判断した。

 ところが夜8時45分ごろ、海上警察の担当者が、98クムヤン号の連絡先が誤っていたことに気づき、無線通信機と携帯電話で事故地点周辺の別の漁船に連絡した。9時27分ごろ、97クムヤン号の船長が海上警察に対し、「98クムヤン号の姿が見えない」と連絡してきたため、その時になって海上警察は周辺の警備艇などに出動命令を下した。遭難信号受信後、1時間以上過ぎてから遭難の事実を確認したことになる。

 この問題について、クムヤン水産の関係者は、「97クムヤン号の電話番号を伝えてからミスに気づき、10分後に海上警察に連絡し、98クムヤン号の電話番号を伝えた」と証言した。これは、海上警察の職員が電話番号の誤りに気づいたとする証言とは食い違っている。

 いずれにしても、海上警察の対応の遅れから、現在までにキム・ジョンピルさん(55)とインドネシア人乗組員二人の遺体は発見されたが、船長のキム・ジェフさん(48)を含む残り7人はまだ生死が確認されていない。

写真=共同取材団

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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