哨戒艦沈没:「北朝鮮潜水艇の侵入探知率50%未満」
金章洙・元国防長官インタビュー
-「天安」の沈没原因をどう見る?
「正確な原因はさらに科学的に調べなければならないが、魚雷による攻撃の可能性が高いと思う。可能性が低いものを一つ一つ排除すると、魚雷しか残らない。ひそかに侵入し、証拠を残さずに攻撃できる方法はそれしかない」
-内部爆発・船体疲労・障害物の可能性はない?
「内部爆発の痕跡はないと言われているではないか。『天安』は建造されてから21年経過しており、(人間で言えば)中年ぐらいの船だ。古い艦艇ではない。障害物の可能性もないと思う」
-外部衝撃時、機雷の可能性も取りざたされているが?
「機雷だとしたら、多くの偶然が重ならなければあり得ない。6・25戦争(朝鮮戦争)時に敷設されたものが今、爆発したというのは理屈に合わず、北朝鮮から偶然流れてきたというのも、潮の満ち引きの関係から考えにくい。わざわざ敷設したものだとしたら、『天安』の航路を事前に知った上で敷設しなければならないが、『天安』は通常の航路と違う場所にいたため、説得力に欠ける」
-沈没時、魚雷発射や潜水艦(艇)の侵入は探知されていないというが。
「きちんと探知できるのは、あらゆる機能が正常に働いたときだけだ。機能が正常に働いていたとしても、当時の海底の状況により、(探知)結果が大きく左右される可能性もある」
-北朝鮮の潜水艦(艇)の侵入を知ることはできないのか。
「水中では実に発見しにくいと聞いている。リムパック(環太平洋諸国海軍合同演習)のとき、韓国の潜水艦が(最先端の設備を持つ)米航空母艦に近づいても気付かれなかったではないか。元海軍参謀総長らの話によると、探知できる可能性は50%未満だそうだ。10%もないという人もいる」
-「今、北朝鮮が挑発する理由はない」という見方も多いが。
「北朝鮮はこれまでも、南北交戦で(韓国に)やられたら報復すると公言してきた。今、北朝鮮は南北の水上艦艇同士による交戦では勝てないと考えている。また、海岸砲による挑発では、攻撃地点が焦土化する可能性があるとみている。韓国が全く予想できず、後に行為を否定できる方法といえば、ひそかに侵入し、挑発することしかない」
-昨年、超強硬派として知られる金格植(キム・ギョクシク)前総参謀長が(西海〈黄海〉北方限界線〈NLL〉地域を管轄する)朝鮮人民軍第4軍団長に赴任したのに関係がある、という見方もある。
「金格式前総参謀長が好戦的だということは関係があると思う。彼がもし挑発を決意したなら、潜水艦(艇)の魚雷攻撃を選ぶだろうというのは、自然な推論だ」
-今回の件について、それぞれの立場から政治的にアプローチしたり、解釈したりしようとする傾向があるようだが。
「軍事的な部分の判断は軍に任せるべきだ。事故原因に関する調査は民間のほうが優れている分野もあるため、民間の専門家を含めることが望ましい」
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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