哨戒艦沈没:高まる魚雷攻撃の可能性(下)
北朝鮮、機雷を意図的に設置?
■軍はなぜ魚雷の可能性を大きくみるのか
韓国軍当局は、機雷や爆雷の可能性は低いとみている。まず、天安の船尾に積まれていた爆雷の場合、爆発しても、船が中央から真っ二つになる結果にはなり得ない。事故当時、天安の上空や海岸に疑わしい攻撃主体はいなかった、という点から、外部の爆雷の可能性もない。
機雷は、流れてきて偶然天安にぶつかったケースと、天安を狙って設置したケースという二つの可能性を推定できる。まず、韓国側が事件のあった水域に機雷を設置したことはない、というのが韓国軍当局の説明だ。1950年の6・25戦争(朝鮮戦争)当時に設置された機雷が海を60年間漂い、天安を真っ二つにした可能性は、言及する価値すらない。また1975年ごろ、ペンニョン島一帯に敵の上陸を防ぐため機雷を設置したことがあったが、金泰栄国防長官は2日の国会答弁で「電気式雷管が完全に除去された状態で、爆発の可能性はない」と語った。北朝鮮の機雷が偶然流れてくることも、潮流の方向が南北逆さまなので、可能性は薄いと分析されている。
北朝鮮や仮想の敵が天安を狙って意図的に機雷を設置した可能性もまた、あまりにも「偶然に偶然を期待する作戦」であって、確率は小さいと分析されている。天安が沈没した場所は、「天安がこれまで15回通ったことがある」という程度で、それほど頻繁に行き来していた場所ではなく、むしろ一般漁船の通行の方が多い。漁船を避け天安だけを狙おうとすれば、天安特有のスクリュー音にだけ反応するようにした音響感応型機雷が必要だが、北朝鮮がそれほどの先端情報や技術を持っているかについて、情報当局は懐疑的だ。
このため韓国軍当局は、魚雷攻撃の可能性が大きいと見ているわけだ。北朝鮮が魚雷攻撃を行ったなら、アクティブ型・パッシブ型ホーミング魚雷などのうち、どれを使ったのか、魚雷攻撃を行ったのは小型潜水艦・潜水艇・半潜水艇のうちどれなのか-といった点は、現段階では断定できない。ある消息通が伝えたところによると、攻撃の正確さを向上させるため、魚雷発射直後は潜水艇などから誘導し、目標物に2-3キロまで接近した後は、魚雷自体のソナー(音響探知装置)を稼働させ攻撃した可能性が大きいという。
事件現場で魚雷の破片が回収されたとしても、攻撃手段の確認はまた別の次元の問題だ。
韓国政府や軍当局は、「先月24日から27日にかけ、北朝鮮の潜水艇2隻が“行方不明”になっていたが、今回の事件との直接的な関連性はまだ確認されていない」という立場だ。
ユ・ヨンウォン記者
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