【コラム】民主党は北朝鮮の「代弁者」なのか(下)

 一部野党でさえ、李大統領は「よくやっている」と称賛(?)する中、李明博政権が沈没原因を北朝鮮による攻撃だと決めつけようとしているとの民主党の主張はつじつまが合わない。李大統領にとっても「北朝鮮関与説」は頭が痛い問題であるはずだ。その上、米国産牛肉輸入反対デモの悪夢が消えない李明博政権が「陰謀」を企てようなどと思うだろうか。結論として、われわれは政府も野党も「天安」の沈没原因を断定してはならず、その原因として何者かを名指ししたり排除したりしてはならない。少なくとも現在はそんな段階ではない。

 民主党はしばしば北朝鮮の政権を擁護しようとする傾向を見せた。朴智元(パク・ジウォン)党政策委員会議長はこのほど、北朝鮮の貨幣改革の失敗と経済難に言及し、北朝鮮の体制が崩壊すれば、われわれも終わりだという趣旨の発言を行った。金総書記が滅べばなぜわれわれも滅ぶのか理解不能だ。善意に解釈すれば、何か悪材料が生じ、南北関係が悪化すれば、国民の安全保障に対する不安や混乱を招くと警戒する趣旨だと解釈は可能だ。しかし、朴議長の発言は、民主党が依然として左派政権10年の遺産から脱却できず、金大中(キム・デジュン)元大統領式の融和政策にこだわる旧態にとどまっていることを示す証左とも取れる。

 北朝鮮では今、大きな変化が起きている。北朝鮮の住民は外の世界に目を覚ますようになってきている。韓国人がどんな暮らしをしているのかも知るようになった。金総書記の健康、権力継承の限界、軍と労働党の対立、経済の疲弊、食糧危機と飢餓は、金正日政権の末期現象に拍車を掛けている。こうした大きな変化の中で、依然として金正日政権の生き残り、維持に執着する独善的な姿勢で民族の将来を展望することはできない。われわれ国民は「ポスト金正日」を見据え、南北の繁栄と共存、さらに合理的な統一を望んでいるが、民主党はなおも金総書記に従属するような姿勢から脱することができずにいる。そうだとすれば、民主党が国民の心をつかむことはできない。国民の支持を得られなければ、政権交代もできない。民主党はまず、金総書記に対する偏向から解放されるべきだ。

金大中(キム・デジュン)顧問

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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