ファン・ジャンヨプ氏訪日

ファン氏亡命直後、金総書記が「イヌにも劣る獣」と悪態

 元北朝鮮労働党秘書のファン・ジャンヨプ氏が4日、日本に到着した。滞在は4泊5日の予定。ファン氏の日本訪問は、1997年の韓国亡命以来初めてだ。

 ファン氏は、訪日中に中井洽国家公安委員長兼拉致問題担当大臣ら日本政府関係者と会談し、北朝鮮情勢などについて意見を交わす予定だ。日本人拉致被害者の家族との面談も予定されているという。

 一方、4日付毎日新聞は、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、ファン氏亡命直後、部内の演説で「イヌにも劣る獣」と非難していたと報じた。同紙は、ファン氏が亡命した97年2月12日直後の2月17日と3月5日の2度にわたって行われた金総書記の演説の全文を入手したとして、このように報じた。

 同紙によると、金総書記は「革命的信念と良心は、革命家と裏切り者を分ける基本指標」「(ファン氏は)人間ではなく、イヌにも劣る獣だという事実を自ら示した」と語ったという。さらに続けて金総書記は、「人生がさほど残っていない74歳にもなって、党と首領の信任を裏切っただけでなく、息子、娘や孫たちまで捨てた彼(ファン氏)を、どうして人間だと言えるだろうか」と語った。また金総書記は、「主に教育と対外宣伝部門で働いてきた彼(ファン氏)から“秘密”が出てきたとしても、南朝鮮(韓国)傀儡(かいらい)の脚本に沿ったでたらめな話」と主張した。

 金総書記の当時の発言としてこれまで知られていたのは、「卑怯者よ、去るならば去れ。われわれは革命の赤い旗を最後まで守るだろう」という発言程度だった。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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