政府系企業の負債急増、ムーディーズが警告(下)

 ムーディーズは、韓国政府の財政健全性についても、「政府債務が主要先進国に比べ低いとはいえ、先進国は韓国よりも国債市場が発達しており、資金の流動性がはるかに高く、数字だけで韓国の状況が良好だとは言えない」との認識を示したという。

 韓国政府は現在、国際通貨基金(IMF)などの国際基準に基づき、政府系企業の負債は政府債務には含まれないとの立場を取っている。しかし、IMF基準に政府系企業の債務が含まれないのは、先進国の場合、政府系企業が代わる大規模な国策工事を行うケースがまれで、韓国とは事情が異なるためだ。韓国の場合は、社会間接資本である道路などさまざまな工事を政府系企業が進めており、こうした事業の場合は、政府系企業の負債を国家債務に含めるべきと指摘が根強い。ムーディーズはまた、地方自治体が設立した開発公社が債権発行を増やし、地方自治体系列の企業の債務が最近2年間で17倍に膨らんだ点を挙げ、それが結局は国家財政の負担になるとして、関心を示した。

 政府系企業の負債を含めた場合、韓国の政府債務は昨年末時点で584兆ウォン(約49兆2000億円)に達し、含めない場合の407兆ウォン(約34兆3000億円)を大幅に上回る。国内総生産(GDP)に占める場合も、政府系企業の負債を含めた場合が51%、含めない場合が36%だ。

 国会予算政策処のパク・ジョンギュ経済分析室長は「政府系企業の負債と政府債務の境目については意見が分かれるが、水資源公社が四大河川事業に投入する資金のような場合には、政府債務と見なすことに異論はないのではないか」と話した。

李陳錫(イ・ジンソク)記者

崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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