【コラム】「生き金」を使う方法(下)
そこで思い付いたことがある。刑務所で何かを学ぶことができたのなら、学校でもそれ以上のことを学べたのではないだろうか。IQとは関係なくだ。
だが、現実にはそうはいかない。学校が「受験の場」に変わり、成績不振の子供たちが「負け犬」を自認し始めてから久しい。子供たちはかなり以前から黙り込み、誰も彼らの話には関心を示さない。もちろん、各学校にはカウンセリング担当者がいるが、本当に悩んでいる性に関する問題まで、子供たちは打ち明けられるだろうか。もちろん、それができるカウンセリング担当者もいるが、ごく一部だけだろう。
米国には、死期が迫る患者の悲しみに寄り添う「グリーフカウンセラー(Grief Counselor、重い病や死別などによる悲しみをケアする専門カウンセラー)」がいるそうだ。このように、世間や学校に対する怒り、性的な衝動でも極秘にすることを保証し、相談を受けてくれる「怒りカウンセラー」「性問題カウンセラー」のような制度を学校に導入してはどうだろうか。韓国に進出している外資系銀行では、精神科の医師が社員の相談に応じている。金銭流用など解雇・懲戒の理由に当たらない個人的な問題なら、会社には絶対に秘密にする。大人である会社員でさえ、こうしたケアを受けているのだから、それこそ「疾風怒濤(どとう)」の時期にある青少年に対し、より秘密を厳守し、積極的な相談が必要なのは当然だ。
もちろん、そこで問題になるのはお金だ。裕福な家の子供にまで無償で給食を与えるお金があるなら十分だろう。道をそれる可能性がある人でも、慈しみ深く賢明なアドバイザーと出会うことで変わる確率は、「金持ちにも一律の無償給食」で子供たちが変わる確率よりもはるかに高い。お金はこのように有効に使わなければならない。キム容疑者は「けだもの」として生まれたのではなく、人間からけだものに「逆進化」してしまったのだ。そして、そのような逆進化は、わたしたちの子供が通う学校でも今、起こっている。
朴垠柱(パク・ウンジュ)エンターテインメント部長
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