政界ロビー:病気で保釈の朴前会長、地域行事などに参加

「住所地をサムスン・ソウル病院に限る」条件付きで保釈

 政官界の要人らに対する贈賄罪などで逮捕・起訴され、実刑判決を受けた泰光実業の朴淵次(パク・ヨンチャ)前会長(65)が、病気を理由に保釈されながら、病院以外の場所でさまざまな活動に参加している様子がたびたび目撃されている。

 関係当局が2日に発表したところによると、朴前会長は、旧正月(旧暦1月1日、今年は2月14日)から15日目の今年2月28日、自宅がある慶尚南道金海市長有面シンアン村で、地域住民たちとともに野焼き行事に参加していた。また、朴前会長はこの日、村の集落発展基金に100万ウォン(約8万4000円)を寄付した。

 このほかにも朴前会長は、ソウルや釜山のホテルなどで知人らと会っているという目撃情報が寄せられ、また「朴前会長の外部での活動は法的に問題ないのか」という問い合わせが、検察などの関係機関に相次いで寄せられているという。

 朴前会長は昨年11月、控訴審の審理中に、「椎間板ヘルニアのため、座っているのがつらい状態だが、その手術を受けるためにはまず、持病の狭心症の治療をしなければならない」として保釈を申請し、裁判所は「住所地をサムスン・ソウル病院に限る」という条件を付けて保釈を認めた。

 控訴審では今年1月、朴前会長に対し、懲役2年6月、罰金300億ウォン(約25億2000万円)の実刑判決を言い渡したが、朴前会長の健康状態を考慮し、保釈は取り消さなかった。なお、朴前会長は判決を不服とし、大法院(日本の最高裁判所に相当)へ上告している。

 朴前会長のある側近は、「健康状態は依然として良くないが、気分転換のためにときどき外出していると聞いている」と語った。一方、朴前会長が入院しているサムスン・ソウル病院側は「患者のプライバシーにかかわるため、確認することはできない」とコメントした。

 朴前会長の弁護人は、「裁判所が示した保釈の条件は、“病院を3日以上離れるときには、病院に届け出をすること”となっているため、1-2日程度病院から出ても、保釈の条件に反しているわけではない」と話した。だが、検察の関係者は「裁判所が実刑判決を下した被告人の身柄を拘束しないのは、病気の治療に専念せよ、という趣旨であり、病院内で静かに過ごすのが適切だ」と話した。

 裁判所の関係者は、「保釈中の被告人の動向を逐一監視することはできないが、保釈の条件に反している事実が判明したり、保釈を取り消すべき事由が発生した場合は、裁判所の職権により保釈を取り消したり、検察官が保釈の取り消しを申請することができる」と語った。

 朴前会長は先月12日、「ベトナムの火力発電所の建設事業を成功させるため、現地の関係者たちと会わなければならない」と主張し、大法院に海外旅行申請書を提出したが、却下されている。また、朴前会長から金を受け取ったとして起訴された、野党・民主党の李光宰(イ・グァンジェ)議員の控訴審で証人として数回出廷を求められたが、一度も出廷していない。

柳井(リュ・ジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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