輸入車市場、日本を見ると韓国の未来が見える(下)

 このほか、ベンツ・BMW・アウディなどは、絶対販売量で日本が上回っているとはいえ、大きな差はない。さらに日本は、これらのブランドの販売においても小型車が中心となっている上、販売車種も韓国よりはるかに多様だが、韓国は車種も少なく、中大型車の方に販売が集中している。

 アウディを例に挙げると、今年1-2月の累積で、韓国では1244台、日本では1928台が売れた。絶対数は日本の方が多いが、日本はA3、A4、A5、Q5という「準中型四銃士」の販売が全体の75%を占め、中型セダンA6は59台、大型セダンA8は7台売れたに過ぎない。これに対し韓国では、中型セダンA6が全体の34%を占めている。

 ベンツ・BMWの場合も同様だ。今年1-2月に韓国で売れたベンツの内、中大型セダンのEクラス・Sクラスが占める割合は75%。またBMWの販売で5シリーズ・7シリーズが占める割合は59%に達する。

■韓国の輸入車市場も日本のように中小型車中心に変わる可能性

 韓国も、今のような中大型高級セダン中心の販売が長く続くとは考えにくい、と専門家らは指摘する。日本のように中小型車中心の「中身重視」型輸入車市場が、すぐにできるというわけだ。実際、韓国における排気量2000cc未満の輸入車(おおむね中小型車)の販売比率は、04年には15.5%だったところ、05年には23.1%、07年には24.2%、09年には30.5%、さらに今年2月には34.4%まで上昇した。

 フォルクスワーゲン・ゴルフの販売推移を見ると、韓国の輸入車市場が変化する可能性を見て取ることができる。韓国産準中型車と同じ大きさのゴルフは、これまで車体の大きさの割に値段が高い(現在の価格は3390万ウォン=約274万円)という理由で、消費者から敬遠されてきた。しかし今年1-2月の販売は656台で、輸入車全モデル別順で第4位となった。性能・仕様・経済性などを考慮すると、韓国車よりもさほど高くはない、という認識が広まり、販売がじわじわ伸び始めているわけだ。

 輸入中小型車市場の伏兵は、日本車だ。現在トヨタ・日産・ホンダはもちろん、韓国の輸入車市場では後発組に属する三菱自動車などが、今年下半期もしくは来年以降から順次中小型車を送り込み、大量販売を狙っている。日本の輸入車会社のある役員は、「韓国の完成車メーカーが車を大型・高級化し、価格を上げ続けている影響で、安いながらも小さくて特色ある車を求める顧客層を逃すという愚を犯している」と分析した。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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