韓日比較で分かる韓国の輸入車市場(下)

■韓国は高級輸入車「天国」、各メーカーが販売増進に注力

 日本の輸入車販売の絶対量は、依然として韓国の2倍の水準にある。「規模の経済」面では、日本が韓国より有利なようだが、実際はその反対だ。日本市場では、ドイツの高級車メーカーが主力車種を中・小型車に集中しており、また、韓国に進出していないさまざまなメーカーの多様なモデルが競争しているため、1台当たりの収益性はあまり高くはない。しかし韓国では、ドイツの中・大型セダンに販売が集中している。従って、これらのメーカーの立場から、販売の質(収益性)を見ると、韓国は日本よりはるかに良い-というのが専門家らの意見だ。

 特に、高級輸入車メーカーの場合、環境規制のために中・大型車の販売を増やせる場所は徐々に減っている。ドイツの高級車メーカー各社は、自国でも中・大型車の販売量はむしろ減少している。従って、中・大型車がよく売れる韓国こそが、これらのメーカーにとって欠かすことのできない市場となっている。

 昨年のBMWの国別販売順位で、韓国は17位に過ぎなかったが、大型セダンの7シリーズの場合、中国、米国、ドイツに続き4位に入った。ほかの高級輸入車メーカーでも、事情はおおむね同じだ。そのため、韓国は高級輸入車メーカーの「黄金市場」という言葉まで出ている。

■普及型小型車まで流入すると、輸入車シェア10%もあっという間

 韓国の今年1-2月の累積輸入車シェア6.3%という数字は、シェアそのものとしても高いが、輸入車販売の主力は中・大型高級車に集中しているという点から見て、追加成長の余力は大きい。韓国の普及型小型車市場では、韓国車・輸入車の競争すら始まっていないからだ。まず高級車市場の場合、既に現代自ジェネシスのような韓国製高級モデルが限界に達しており、輸入高級車の躍進が続く可能性が高い。

 ジェネシスの今年1-2月中の販売台数は計4328台で、同じ期間のベンツEクラス・BMW 5シリーズ・アウディA6の合計2824台に比べ、1.5倍多い。しかし売上合計で見ると、ドイツ製中型高級セダン三銃士に既に逆転されている。

 これまで韓国メーカーが、自動車の高級化を理由に価格を間断なく引き上げてきた反面、輸入車の方はむしろ下がっており、韓国製高級車の価格競争力は次第に低下している。

 日本メーカーは、今後2-3年以内に韓国で小型車を大量販売しようという狙いだが、韓国メーカーにこれを阻止しようという意思がない、というのも問題だ。現代・起亜自の関係者は、「労組が強いことに伴う高賃金構造などのため、アバンテより下のクラスを作っていては収益を上げにくい。そのため魅力的な小型の新車を送り出すのがおろそかになったというのが事実。こうした状況で、日本の特色ある軽自動車・小型車が競争力のある価格で参入してきた場合、輸入車シェア10%もあっという間に可能だ」と語った。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る