試乗記:韓国上陸スバル3車種で雪道走行

重心が低く、連続コーナーでも安定的に走行

「走って止まる」基本機能に秀でた車

 「スバルは、トヨタやホンダのような大衆車とは異なる特別なDNAを持ったブランドです」

 今年1月末、スバル・ブランドを展開する富士重工業の長門正貢取締役兼専務執行役員は、韓国でのインタビューでこのように語った。では、スバルは日本車の中でどの点がほかと違っているのだろうか。

 2月、スバル・コリアはソウル近郊のスキー場・芝山リゾートに試験走行用の雪道を作り、韓国で5月から本格販売するスバル3車種の試乗イベントを行った。韓国で市販されるのは、中型セダンのレガシィ(排気量2500cc、3600cc)とSUV(スポーツタイプ多目的車)系列のアウトバック(2500cc、3600cc)、フォレスター(2500cc)の3モデル。いずれもスバルを代表する車だ。

 試乗イベント会場には、意図的に険しくした雪道や路面を固めて多少滑りやすくした雪道などが作られ、スバルの4輪駆動システムの特性を十分に楽しめるよう、配慮が施されていた。

レガシィ

 まず、レガシィを走らせてみた。なるほど4輪駆動のセダンらしく、曲がりくねった連続コーナーでも走行に安定感があった。四つの車輪に一般のスノータイヤをはかせて雪道を走ってみたが、通常の走行では、雪道をしっかりかんで走る能力は標準クラスだ。特に、4輪駆動ということから、後輪を滑らせつつ方向を維持してコーナーを曲がるドリフト走行も容易だった。

 エンジンのピストンが上下ではなく、左右に動く水平対向エンジンということから、シリンダーが横を向いているため重心が低く、車はさらに安定的だ。専門家でなくとも、滑りやすい道で車の方向を維持することが比較的容易で、また滑ってしまっても、姿勢の回復は早い方だった。車内は全体的に無難だが、変速機のレバーが最近流行の階段式ではなく、のっぺりしたタイプのものだった点が気になった。

フォレスター

 次に乗ってみたフォレスターは、アウトドアライフを楽しむ人にぴったりの車だった。自動変速機が最近主流の5段、6段ではなく、4段という点は短所だが、車を十分に信じ、頼ることができると思えるほど、走行時の安定性は優れていた。アウトバックは、フォレスターに比べると都心志向の車で、走行の特性も、フォレスターに比べるとややセダン寄りに感じられたが、それでも4輪駆動車特有の雪道走行能力にかけては、フォレスターに劣らなかった。

アウトバック

 これら3車種を走らせてみて感じたのは、これらの車が「走って曲がって止まる」基本がしっかりしている、という点だった。スバルは日本より米国で、わけても雪が多い地域で人気が高い。販売台数でも、日本車の中ではトヨタ、ホンダ、日産に次いで多いほどだ。実際に走らせてみると、米国での人気の高さも納得できる。

 スバルは、第2次大戦当時日本軍の戦闘機を作っていた中島飛行機の後身に当たる、富士重工業の自動車ブランドだ。スバルという名前は、星座の「六連星(むつらぼし)」を意味する日本の古語から取った。1955年に富士重工業がほかの5社と合併し、乗用車事業に乗り出した際に命名された。エンブレムの六つ星は、当時合併した6社を意味している。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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