世界を狙う韓国車に秘められたDNA
- 現代自YFソナタ
自動車担当の記者がこれまで最も多く受けた質問は、「韓国車の中でどの車がよいか」というものだ。記者が用意した答えは二つ。「多く売れている車」と「世界市場を狙った車」だ。
今年2月の韓国車の販売現況によると、小型SUV(スポーツタイプ多目的車)では現代自ツーソンix、中型セダンでは現代自の新型ソナタ(YF)が独走し、準大型セダンでは起亜自のK7が先頭に立った。
これらの車には、グローバル競争を勝ち抜くDNAが秘められている。
■テープを張って走ったソナタ
昨年9月に発売された新型ソナタ(YF)は、昨年10月以降5カ月連続で、韓国車全体の中で販売台数1位に輝いている。
新型ソナタは、「北米で(年間)30万台売れる車を開発せよ」という経営陣の指示により、2005年から開発が始まった。
新型ソナタの哲学はここに基盤を置いているが、反発も多かった。まず問題になったのはデザインだった。水が流れるような、蘭をイメージしたソナタのデザインは、ベストセラーだったこれまでのソナタとは明らかに異なる。特に、ドアの下に当たるドアベルトラインが問題だった。このラインがせり上がっていて、消費者に息苦しい印象を与える、という指摘が上がった。最終的に設計陣は既存の人気モデル・NFソナタの窓に新たな設計を施してテープを張り、テストドライブを実施して反応を見た。
世界市場向けの新型ソナタが直面した「苦痛」はこれだけではなかった。中東市場に送り出すための砂漠テストは通常、砂漠でのテストドライブで終わる。ところが、もう少し過酷な状況を望んでいた現代自側は、本物の砂漠を作る代わりに、フードに砂袋をかぶせ、砂がフードの中に流れ込むようにした。
さらに試練は続いた。新型ソナタは最近、一部モデルでドアが閉まらなくなる欠陥が見つかり、リコール措置が取られた。とはいえ、競合他社の関係者は、「トヨタの一件以降、薄氷めいた雰囲気になっており、ソナタも販売に打撃を受けるものと予想していたが、販売実績をモニターする中で、ソナタに対する消費者の信頼は石のように固いと感じた」と語った。
■K7「江南のソナタを追え」
昨年下半期、韓国の準大型車市場では、ホンダのアコードなどグローバル・セダンが多く売れた。これらの人気輸入車は、俗に「江南のソナタ」と呼ばれる。
起亜自のK7は、輸入車に対し、正面から反旗を翻した準大型セダンだ。販売3カ月目となる今年2月までに1万4016台が売れ、2月には準大型車市場で伝統的強者だった現代自のグレンジャーを追い抜くほどに異例の売れ行きとなった。
K7は、車線離脱警告システムなど高級輸入車に搭載される仕様を高級トリムで採用し、自主開発されたK7のプラットフォームは、今年末に発売予定のグレンジャーが採用するほど優れている、と評価されている。
ツーソンixは、価格・燃費・デザインを同時に攻略した。開発段階からトヨタのRAV4やホンダのCR-Vを競争相手に見据えた。ツーソンixは、競合モデルより1段から2段多い6段のギアを採用し、燃費も1リットル当たり15.4キロと、競合車種の中では最高のレベルにまで向上した。
現代自の関係者は、「韓国のどの小型SUVと比べても、価格性能比では自信がある。ツーソンixは現代自の米国市場向けの新車として、既存の競合モデルより優れているという自信があることを意味する」と語った。
パク・スチャン記者
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