JR東日本と東京臨海高速鉄道は5日、埼京線(大宮―大崎)を走る全40編成に、痴漢防止目的の車内防犯カメラを設置すると発表した。今年末までに設置を終え、常時撮影するという。
埼京線は首都圏で痴漢被害が最も多いとされ、昨年12月から2編成で、客室内に防犯カメラを全国で初めて試験導入。効果を検証していた。両社は「警視庁から『カメラによる抑止効果が出ている』との結果を聞き、拡大を決めた」としている。
カメラは最も混雑し、被害が多かった1号車(大宮側)の天井に4台設置して撮影。捜査機関から要請があった場合だけ提供するという。
JR東は3月、首都圏の利用者(15歳以上)を対象に車内防犯カメラ設置の賛否を問う調査を実施。回答者1032人のうち、賛成89%、反対11%だった。理由として、賛成は「痴漢の抑止効果がある」(80%)、「痴漢以外の犯罪も防げる」(77%)、反対は「プライバシー侵害」(75%)、「効果に疑問」(49%)が上位を占めた。
警視庁によると、埼京線では今年に入り痴漢被害が大きく改善。このうち1〜2月の強制わいせつ事件は3分の1に減ったという。(小林誠一、峯俊一平)